2021年4月22日、「イノベーション総合研究所」の設立、および本研究所の最初の取り組みとして実施した「ウィズコロナ時代の働き方意識調査」の結果について、報道関係者向けにオンライン説明会が開催されました。

イノベーションの創造を目指す産学官連携型バーチャルシンクタンク

イノベーション総合研究所は、チームスピリットの呼びかけにより新設されたバーチャルシンクタンクです。「イノベーションを創造する」をモットーに、産学官連携が連携し、新しい働き方や組織の在り方に関する調査・研究、情報収集・発信、コミュニティ活動を展開していきます。

会長には株式会社チームスピリット代表取締役社長の荻島浩司、所長には一般社団法人CESSの理事長である間中健介氏が就任。アカデミックアドバイザーとして、法政大学経済学部教授の小黒一正氏が参画するなど、多彩な顔ぶれが揃っています。

「ウィズコロナ時代の働き方」調査で見えた“社内の意識ギャップ”

続いて、所長の間中より、イノベーション総合研究所が最初の取り組みとして2021年3月に実施した「ウィズコロナ時代の働き方意識調査」の結果が発表されました。この調査では、コロナ禍において個人、チーム、組織の成長には何が必要なのかについて、いくつかの重要な考察が導き出されました。

考察1. “受け身傾向”なビジネスパーソンが過半数を占める

リモートワークの普及により、職務のボジションや目的、範囲などを明確化するジョブディスクリプションの注目度は高まっています。しかし、実際にはジョブディスクリプションを意識しないで働いている人が71.7%もいることがわかりました。

さらに、現在の仕事を「生活のため」と捉えている人が55.7%となっており、受け身傾向のビジネスパーソンが過半数を占める実態が浮き彫りになりました。

考察2. 価値創出への意欲の高い人と安定を求める人との大きなギャップ

一方で、ジョブディスクリプションを意識して働いている人のうち、54.7%が3年後の自身の稼ぐ力が高まっていると回答しています。こうした、積極的に自己成長やキャリアアップへの取り組みをしている“積極・成長層” と、受け身傾向で現状の働き方を前提にする“安定・成熟層” との大きな意識のギャップが存在すると間中は指摘しました。

考察3. 大企業を中心に効率化に伴い組織内の連携不足に

調査では、社内・社外を問わず過半数を超える人がリモートワークなどにより「コミュニケーション頻度が減少」したと回答しました。

特に、社員数1,000名以上の大企業では、中小企業と比べて10ポイント以上「減った」と回答した人が多くなっています。

無駄を省き、効率性を求める大企業の働き方が進む一方で、社員はコミュニケーションへの不安を抱き、連帯感を求める心理状態にあることがわかります。

ウィズコロナ時代に求められる2つの施策

こうした状況を踏まえ、イノベーション総合研究所では企業に2つの施策の方向性を示しました。1つは、個人の潜在能力を引き出す“インテリジェンス・シェアリング”。もう1つが、チームの潜在能力を引き出す“チーム・エンパワーリング”です。

さらに、この2つの施策の方向性を実現するために「①働くことへのストレス緩和」、「②組織が社員に期待することの明確化と実効的な目標設定」、「③コミュニケーションのための時間づくり」の3つを打ち手として提案しました。

イノベーション総合研究所は、こうした打ち手の具体的な手法を考え、議論する場としてWebメディア『WITH』を立ち上げています。イノベーションを創るための一助となるように、今後積極的に情報発信していきますので、ぜひご覧ください。