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基礎知識

勤怠締めのやり方や効率的に行う方法・注意点を解説

著者:チームスピリット編集部

  • 勤怠締めを任されたがやり方がわからない
  • エクセルを使って勤怠締めを行っているが、ミスが多発している
  • 勤怠締め後の修正や入力漏れなどが多発しており、作業の負担が大きい

勤怠締めは毎月行わなくてはならない必須作業ですが、上記のような課題を抱えている担当者の方も少なくないのではないでしょうか。

勤怠締めは、正確な勤怠データの収集を行ったうえで、決まった日にデータを確定させる作業のことを指します。その後の給与計算を行うために、必要不可欠となる作業です。

本記事では、勤怠締めの基礎知識や具体的なやり方、締め日の設定方法や効率的に行う方法などを解説します。ぜひご参考になさってください。

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勤怠締めとは

勤怠締めとは、給与計算のために一定期間の労働時間や残業時間、休日数などといった従業員の勤怠情報を集計し、数値を確定させる作業のことを指します。勤怠締めによって、ある期間の勤務データを確定し、給与の計算と支払いを行います。

なお、勤怠締めは「退勤締め」「給与締め」「勤怠締め作業」「勤怠締め処理」「月締め作業」など、さまざまな呼び方があります。

勤怠締めと勤怠管理の違い

勤怠管理と勤怠締めの違いは次の通りです。

項目

勤怠管理

勤怠締め

定義

従業員の出退勤時間、労働時間、休憩時間、休暇等を記録し、管理すること

一定期間(通常は1カ月)の勤怠データを集計し、確定させる作業のこと

目的

日々の勤怠状況を正確に把握することで法令を遵守するとともに、労働環境を管理・改善するため

正しい給与計算と支払いを行うため

勤怠締めは、勤怠管理によって蓄積されたデータを基に行われます。つまり、勤怠管理が適切に行われていないと、正確な勤怠締めもできなくなってしまうのです。

そのため勤怠締めを正しく行うには、従業員が正確に打刻を行うことや、データを漏れなく記録することなど、正しい勤怠管理を実施する必要があります。

勤怠締めの対象項目

勤怠締めにおいては、最低限、以下の4項目を集計することが重要です。

  • 労働時間数(始業・終業・休憩時間の把握)
  • 時間外労働時間数(残業)
  • 深夜労働時間数
  • 休日労働時間数

これらの項目は、正しく給与計算を行い、適正な賃金を支払ううえで必要です。また、従業員の健康的な働き方を把握するためには、上記4項目に加えて、「各種休日数」や「有給休暇の消化日数」なども適切に管理することが望ましいでしょう。

勤怠締め日とは

勤怠締め日とは、給与計算の基準となる日付のことを指します。この日付を基準に、前回の勤怠締め日の翌日から今回の勤怠締め日までの期間の勤怠データを集計し、給与計算に反映させます。

勤怠締め日は、企業があらかじめ定めた給与支給日から逆算して設定されることが一般的です。締め日の設定方法については後述します。

たとえば、給与支給日が毎月25日に設定されている場合、勤怠締め日は毎月15日などに設定されることが多いです。この場合、16日から25日までの間に、勤怠データの集計、給与計算、給与の支給といった一連の作業を行うことになります。

▼勤怠締めのイメージ(上記ケース)

作業内容

日付

勤怠締め日

毎月15日

勤怠データの集計、給与計算

毎月16日~24日

給与支給日

毎月25日

※振り込みで給与を支給する場合、銀行側の振り込みの受付期限を考慮して、給与支給日の数日前に給与計算を終わらせる必要がある。

勤怠締めが重要な理由

勤怠締めが重要となる主な理由は、給与や各種社会保険料の計算に使用する勤怠データを、正確に把握するためです。「給与を正確に支払うこと」や「各種社会保険料を徴収すること」は法律によって定められており、勤怠締め作業は法令遵守のために行う作業だとも言えます。

勤怠締めはそれ以外の側面でも重要です。従業員の勤務状況が、労働基準法などの法律に沿ったものになっているかを確認するためにも必要になります。

締め作業を怠ると、さまざまな問題が生じる可能性があります。たとえば、時間外労働の手当が正当に支払われなかったり、給与の金額にミスが発生したりするリスクがあるでしょう。

給与の支払いミスが起きると、修正のために多くの時間と手間がかかってしまいます。さらに、状況によっては労働基準監督署から是正勧告を受け、社会的信頼を失墜させる恐れもあります。

こうした事態を避けるため、適切な給与計算やコンプライアンス遵守、社会的信頼の維持などの観点から、勤怠締めを適切に行うことが重要です。

勤怠締めを怠った際の罰則

「勤怠締め作業」自体は法律で直接明記されているわけではないため、勤怠締め作業を怠ったとしても、罰則はありません。ただし、給与の支払いについては「労働基準法第24条2項」で毎月1回以上の支払いが義務付けられています。

また「労働保険徴収法」「健康保険法」「厚生年金保険法」などの定めによって、企業には従業員から各種社会保険料を徴収する義務があります。そのため、企業は勤怠締めを行って正しく給与計算を実施し、各保険料を従業員(被保険者)から徴収しなければならないのです。

前述の通り、勤怠締め作業は給与計算と密接に結びついているため、勤怠締めを怠ることは結果的に法律違反につながる恐れが高いのです。法令遵守のためにも、日頃から適切な勤怠締めを実施することが企業には求められます。

勤怠締めの手順

勤怠締めは、以下の手順で実施します。

  1. 従業員の勤怠情報を収集し、確認したうえで集計する
  2. 勤怠締め日までの勤怠データを確定させる
  3. 給与計算をする

各ステップの具体的な方法や、どのような点に注意すればよいかを解説します。

手順1.従業員の勤怠情報を収集し、確認したうえで集計する

勤怠締めは、まず従業員の「勤怠情報」を収集し、確認したうえで集計することから始まります。

勤怠情報には、各従業員の出勤日数、出勤時間、退勤時間、休憩時間などに加え、残業や有給休暇の有無が含まれます。これらの情報を把握・集計するための代表的な方法は以下の3種類です。

  • 出勤簿やタイムカード
  • エクセル(Excel)
  • 勤怠管理システム


勤怠締め作業においては、そもそも収集したデータが正確であることが重要です。正しい給与計算をするには、正しいデータが必要なためです。

しかし、出勤簿やタイムカード、有給届けなどの紙媒体で管理している場合には、ケアレスミスによって出退勤の打刻漏れや休暇の申請漏れなどが発生し、その修正作業に追われるケースも少なくありません。

そうした修正作業を避けるためにも、従業員の勤怠データを正確に収集する必要があります。そのうえでは勤怠管理システムが役立ちます。

勤怠管理システムを利用することで、正確なデータ集計が手間なくでき、従業員の打刻ミスなどがあった際にもシステム上で容易に修正が行えます。これにより、人事・労務担当者が個別に確認して連絡をするなど、無駄な作業が省略可能です。

手順2.勤怠締め日までの勤怠データを確定させる

勤怠締め日当日になったら、前述の方法を使って収集・集計した勤怠データを確定させます。

具体的には、出退勤の打刻漏れや休暇の申請漏れがないかを確認し、正確なデータが集計できているかどうかをチェックします。

締め日までの勤怠データが正確であることを確認し、データを確定できたら勤怠締めの完了です。

手順3.給与計算をする

勤怠データを確定させたら、それを基に給与計算を行います。各従業員の勤怠状況は毎月異なり、残業時間や欠勤、有給休暇の取得状況などは常に変動します。そのため、これらの情報を一つひとつ確認し、正確にシステムに入力することが求められます。

これらの作業を正確かつ迅速に行うには、給与計算システムと連携できる勤怠管理システムを導入するのがおすすめです。システムに自動集計・計算してもらうことで、正確で効率的な給与計算が可能になります。

勤怠締め日の設定方法

先述の通り、勤怠締め日は、給与支払い日を基準に設定されます。給与は法律で月に1回以上、毎月決められた日に支払う必要があるため、勤怠締め日もそれに沿って月に1回以上設定されることが一般的です。

勤怠締め日の設定には、給与支払い日から逆算して、十分な時間的余裕を持たせましょう。締め日から支払い日までの間に、従業員の出勤簿やタイムカードの提出が遅れるなどの問題に対応する時間が必要なためです。

しかし、勤怠締め日と支払い日の間隔が1カ月以上ある場合も注意が必要です。例えば、末日締め翌々月5日払いだと、4月1日入社の従業員は初めての給与支給が6月5日となり2カ月間無給の状態になります。6月以降は月1回以上支払われるため法違反ではありませんが、トラブルに発展するおそれもあります。

そのため、自社の給与計算に要する時間や新入社員への初回支給などを考慮したうえで、適切な勤怠締め日を設定しましょう。

勤怠締め日の変更方法

勤怠締め日の変更は可能ですが、就業規則との関連があるため自由に変更することはできません。また、給与支払い日についても、勤怠締め日と同様に、簡単に変更できるものではありません。

勤怠締め日を変更したい場合、就業規則の変更が必要となります。就業規則の変更には、原則として従業員の過半数の同意が求められます。また、急な変更は従業員の混乱を招く恐れがあるため、事前に十分な周知を行うことが重要です。

なお、給与は法律で月に1回以上、決まった日に支払うことが定められているため、勤怠締め日を変更する際はこの法律に違反しないよう注意が必要です。

勤怠締めを行う際の注意点

勤怠締めを行う際には以下の2点に注意しましょう。

  • 勤怠を丸めないようにする
  • 勤怠の締め日と支払い日を変更する際も、変更月の給与支払いをしっかりと行う

それぞれの詳細を解説します。

勤怠を丸めないようにする

勤怠管理において、打刻時間を切り上げ・切り下げする「勤怠の丸め」は、原則として認められていません。

労働基準法では、従業員に対して実際に勤務した時間分の賃金を支払うことが義務付けられています。勤怠の丸め処理を行うと、労働時間に対して適正な賃金が支払われないことになり、労働基準に違反します。

そのため、勤怠を締める際は丸め処理はしないようにし、実際の勤務時間に基づいて集計するようにしましょう。

ただし、1カ月における時間外労働、休日労働、深夜残業に1時間未満の端数がある場合は、例外的に30分未満を切り捨て、30分以上を切り上げることが認められています。

勤怠の締め日と支払い日を変更する際も、変更月の給与支払いをしっかりと行う

企業の状況によっては、勤怠締め日と給与支払い日を変更する必要が生じることがあるでしょう。労働基準法では、勤怠締め日と給与支払い日の変更は認められています。ただし、変更の際には、いくつかの点に注意しなければなりません。

まず、変更月の給与支払いが漏れないようにすることが大切です。給与は、全額を通貨で、月に1回以上、決められた日に必ず支払わなければならないと法律で定められています。勤怠締め日や給与支払い日を変更する際は、この法律に違反しないよう、十分に注意を払う必要があります。

また、変更月は従業員の給与が減額になるケースもあるため、早めに変更の通達を行うことが重要です。支払い日がずれることによる従業員の経済的負担を減らすために、賞与月に変更することも多いです。変更の理由や新しい勤怠締め日、給与支払い日について、丁寧に説明し、理解を得ることが求められます。

勤怠締めを効率化するには勤怠管理システムの導入が有効

出勤簿やタイムカード、エクセルで勤怠管理・勤怠締め作業を行っている場合、勤怠管理システムを導入することで締め作業が効率化できる可能性があります。

紙の出勤簿やタイムカードを使用していると、それらを手作業で収集する作業が発生し、手間がかかると同時に計算ミスのリスクが発生します。一方、勤怠管理システムなどを用いてペーパーレスのデータ管理を導入すれば、計算や集計作業を省略・効率化できます。

ペーパーレスで勤怠締めを行うにはエクセルを使う方法もありますが、エクセルで勤怠データの集計および給与計算を行う場合にも注意が必要です。エクセルでの手作業は、入力場所を間違えたり、関数が誤っていたりとミスが発生しやすいからです。また、給与計算を正確に行えるスキルを持つ人材が限られている場合、業務の属人化を招く恐れもあります。

そのため、勤怠締めの効率化は、集計や計算作業を容易かつ正確に行えるシステムの導入がおすすめです。

勤怠管理システムを使った締め作業の流れ

勤怠管理システムを用いた締め処理は、次の流れで行えます。

  1. 従業員が出勤や退勤といった勤怠情報を打刻
  2. 締め権限を持つ管理者が従業員の勤怠をシステム上で確定処理

※製品によって異なる場合があります。

システムでは正確に打刻や集計を行えるため、手作業によるミスの心配はほとんどありません。また、データは自動で集計されるため、転記や計算といった作業も不要です。

システムによっては、打刻漏れや労働時間の不整合がある場合に自動でアラートが通知されるものもあります。そういったシステムを活用すれば、「毎日の打刻」と「月1回の締め処理」の入力のみで締め作業を完了でき、作業効率を大幅に上げられるようになるでしょう。

▼打刻された情報が自動で記録・計算される機能のイメージ

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給与計算との連携が可能な勤怠管理システムを導入すれば、さらに大幅な効率化が叶うでしょう。勤怠締め処理後には、勤怠管理システムを給与計算システムと連携させることで、給与計算、紙の給与明細の配布などの作業を自動化・省略できるようになるからです。たとえば、給与計算システムとCSV連携できる勤怠管理システムであれば、以下動画のような手順で簡単にデータを連携することが可能です。

▼勤怠管理システムと給与計算ソフトをCSV連携で取り込むイメージ

勤怠管理システムは、従業員がパソコンやスマートフォンなどから出勤・退勤の打刻を手軽に行える点も魅力です。

勤怠管理システムの導入事例

最後に勤怠管理システムの導入を通じて、勤怠管理や締め作業、給与計算を大幅に効率化させた事例を紹介します。

勤怠データ抽出や給与ソフト連携が容易になり、締め作業が格段にスピードアップした事例

株式会社オルトプラスは、ソーシャルゲームの企画、開発と運営、ITサービスの開発等を行う企業です。

同社では、以下のような課題がありました。

  • 社員のライフスタイルに応じた複数の勤務体系があり、締め作業の負荷が高い
  • 勤怠情報を集計・レポーティングし、経営に活かしたい
  • 社員の勤怠打刻を習慣化できていない

これらの課題を解決する方法のひとつとして、勤怠管理システム「チムスピ勤怠」を導入しました。

システムの導入によって、勤怠データ抽出や給与計算が容易になり、毎月の締め作業や給与計算業務が格段に効率化されました。

また、勤怠情報がグラフィカルに可視化され、経営戦略に活かしやすくなりました。操作性の良さと社内仮想通貨導入により、社員全員の勤怠打刻が習慣化し、打刻漏れ防止にもつながりました。

※参考:社内仮想通貨「コミュニティオ」と連携し、勤怠入力の習慣化を実現~毎月の締め作業が格段にスピードアップ!

収集・集計業務等を効率化でき、締め作業の日数が7日から3日に短縮できた事例

株式会社ジェイエスピーは、IoTなどの先端技術を強みに、エンジニアリングサービスやソフトウェアの受託開発、自社製品の企画開発などを手掛ける企業です。

同社では、以下のような課題がありました。

  • エクセルでの勤怠管理で、作業に時間がかかっていた
  • 勤怠情報をリアルタイムで把握できておらず、過重労働発生リスクがあった
  • 毎月の締め作業完了まで、7営業日かかっていた

上記の課題を解決するため「チムスピ勤怠」を導入した結果、勤務表の収集や集計作業などの業務負荷が大幅削減。全データのチェックや交通費精算も含めて、3営業日以内に締め処理が完了するようになりました。

また、レポート機能やダッシュボード機能を活用して社員の働き方に関するさまざまな数値を可視化することで、必要な情報を簡単に把握できるようにもなりました。それにより、時間単位の年次有給休暇制度や新たな特別休暇、リモートワークなどの導入を円滑に進められるようになったなどの成果を上げています。

※参考:「健康経営」を掲げ、勤怠管理業務の効率化と働き方の「見える化」を実現。時間単位の年次有給休暇や新たな特別休暇などの新制度も無理なく導入。

まとめ|勤怠管理システムを活用して勤怠締めを効率化しよう

勤怠締めは、一定期間の勤怠データを確定させる重要な作業であり、以下の手順で行います。

  1. 従業員の勤怠情報を収集し確認したうえで集計する
  2. 勤怠締め日までの勤怠データを確定させる
  3. 給与計算をする

勤怠締め作業を適切に行うことで、労働コンプライアンスの遵守や給与計算の正確性向上、労働環境の改善につなげられます。

勤怠締めを効率化するためには、出勤簿やタイムカードなどの紙ベースでの管理を見直し、勤怠管理システムを用いてペーパーレス化を図ることが有効です。システムを活用することで、勤怠データの自動集計や給与計算システムとの連携が可能になり、業務の効率化を実現できます。

実際に、勤怠管理システムを導入した企業では、毎月の締め作業のスピードアップや、収集・集計業務の大幅な削減といった成果が報告されています。システムを活用して、勤怠締めを大きく効率化しましょう。

勤怠管理の基本を改めてチェックしてみませんか?

  • 勤怠管理の基本的なルールの理解や実務の知識が乏しく、不安がある
  • 勤怠管理の目的など基本的なことを知りたい
  • 勤怠管理を適切に実行する上で、自社の課題も把握しておきたい

このような人事労務担当者に向けて、「ゼロから始める勤怠管理」の資料を無料で配布しています。

人事労務担当者なら知っておきたい、適切な勤怠管理の必要性や労働時間の基本ルールについて解説していますので、これから適切な勤怠管理を導入・運用しようと考えている方は、ぜひ本資料をお役立てください。

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