1. Home
  2. チムスピコラム
  3. 業務改善
  4. 勤怠管理と労務管理の違いとは?効率化できるシステムについても解説
業務改善

勤怠管理と労務管理の違いとは?効率化できるシステムについても解説

著者:チームスピリット編集部

  • 「勤怠管理と労務管理は何が違うのかがよく分からない」
  • 「それぞれの言葉の違いや位置づけを詳しく知りたい」
  • 「勤怠管理システムと労務管理システムのどちらを導入すべきかが分からない」

このように、勤怠管理(きんたいかんり)と労務管理(ろうむかんり)という似た言葉について、違いを知りたいと思っている方は多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、勤怠管理は従業員の勤務状況を管理することを、労務管理は従業員の労務全般を管理することを意味します。

勤怠管理よりも労務管理の方が業務の範囲が広く「労務管理の一つとして勤怠管理が含まれる」とイメージすると分かりやすいでしょう。

本記事では、勤怠管理と労務管理の言葉の定義を明確にした後で「企業はどちらを優先的に行うべきか」「それぞれを効率化するシステムにはどのような違いがあるか」という点まで解説していきます。

勤怠管理や労務管理の見直しを検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

勤怠管理の基本を改めてチェックしてみませんか?

  • 勤怠管理の基本的なルールの理解や実務の知識が乏しく、不安がある
  • 勤怠管理の目的など基本的なことを知りたい
  • 勤怠管理を適切に実行する上で、自社の課題も把握しておきたい

このような人事労務担当者に向けて、「ゼロから始める勤怠管理」の資料を無料で配布しています。

人事労務担当者なら知っておきたい、適切な勤怠管理の必要性や労働時間の基本ルールについて解説していますので、これから適切な勤怠管理を導入・運用しようと考えている方は、ぜひ本資料をお役立てください。

「ゼロから始める勤怠管理」を無料ダウンロードする

勤怠管理と労務管理の違い

勤怠管理と労務管理では、管理する業務の範囲が異なります。

勤怠管理は、従業員の勤務状況を管理することです。

一方の労務管理は「従業員の勤怠・給与・労働環境・人材配置・入退社などの管理」をまとめて指すことが多い言葉です。

つまり、勤怠管理は「労務管理に含まれる業務の一つ」と考えられます。

勤怠管理の例

勤怠管理(きんたいかんり)とは、企業が従業員の出退勤時刻を記録して、勤務状況(勤務時間・休憩時間・残業時間・休日)を管理することを指します。

▼出勤簿によって勤怠管理を行うイメージ

このように従業員の勤務状況を日々記録し「実際に勤務した時間」を明らかにすること、すなわち勤怠管理を行うことで、給与を適正に計算し支払うことができます。

また、時間外労働(いわゆる残業)の時間を正確に管理することで、法律で定められた上限の超過を防いだり、割増賃金を正しく計算したりすることが可能です。

勤怠管理を行う目的

主に給与計算や労働時間・有給休暇取得に関する法律の遵守

労務管理の例

労務管理(ろうむかんり)とは、「従業員の勤怠・給与・労働環境・人材配置・入退社などの管理」をまとめて指す言葉です。

労務管理に含まれる業務は、以下の通り多岐にわたります。

労務管理に含まれる業務

  • 勤怠管理
  • 給与計算
  • 社会保険手続き
  • 入退社手続き
  • 福利厚生
  • 安全衛生管理
  • 就業規則作成・変更
  • 労働環境整備
  • 人事評価制度運用
  • 人材育成

「労務管理」という言葉は文脈によって使われ方が異なり、勤怠管理以外の人事労務に関する業務全般を指すことも多いです。

労務管理を行う目的

主に従業員の労働環境を改善し、結果的に生産性を向上させたり労務リスクを回避したりすること

勤怠管理は優先度が非常に高く「労務管理の核」とも言える

ここまで解説した通り、勤怠管理は労務管理に含まれるたくさんの業務の中の一つです。

しかしながら、勤怠管理は非常に優先度が高い業務であり、労務管理において「核」となる業務と言っても過言ではないでしょう。

なぜならば、勤怠管理は法律を遵守するために必ずやらなければならないことだからです。

適切な勤怠管理ができなければ、正確な給与計算ができず、従業員に正しい賃金を支払うことができません。

また、残業時間や有給休暇の取得状況を正確に把握できず、法律で定められた時間外労働の上限を超えてしまったり、有給休暇の付与日数が不足してしまったりすることも考えられます。

法律を遵守せず行政の指導に従わないなどの悪質なケースであれば罰則の対象となり、最悪の場合は社名公表が行われ、顧客や取引先からの信用を失ってしまう危険性もあるでしょう。

つまり勤怠管理は「やらないとマイナス」な業務であると言えます。

一方、勤怠管理以外の労務管理(社会保険手続きや人材育成など)は、従業員の職場環境を整えるために行うことが多く、整えるほど従業員にとってプラスになります。

従業員の職場環境の改善や定着率アップ、エンゲージメント向上を目指したいのであれば、労務管理の体制を整備していくことが大切です。

勤怠管理を適切に行えていない企業は、優先的に見直す必要がある

もし労務に関する課題を感じており、見直しを検討しているのであれば、まずは勤怠管理を適切に行えているかどうかを確認しましょう。

上述の通り、勤怠管理は必ずやらなければいけないことであり、その他の労務管理(給与計算や有給休暇管理など)を行う上で、勤怠情報を正しく取得できていることが前提になることも多いからです。

法律を遵守し、従業員の労働環境を改善するために、まずは勤怠管理を徹底することをおすすめします。

勤怠管理・労務管理を見直す際は、システムへの移行も検討

勤怠管理や労務管理は、エクセルなどを活用して手作業で行うこともできます。

参考:勤怠管理表をエクセルで作成!関数入力済みのテンプレートを紹介

しかしながら、規模が大きい企業や従業員の働き方が多様な企業においては、エクセルでは正確な管理が難しかったり、担当者の業務量が膨大になり生産性の低下を招いたりしてしまうことがあります。場合によっては、ヒューマンエラーにより労働時間や給与の計算が正確に行えず「知らない間に法律を犯してしまった」という事態も起こりかねません。

より正確に、かつ効率的に管理を行うためには、以下のような専用のシステムの活用がおすすめです。

  • 勤怠管理システム
  • 給与計算システム
  • 人事労務システム
  • 人事評価システム

テレワークやシフト制・その他の就業規則などさまざまな働き方をする従業員がいる場合は、勤怠管理システムを使うことで、労働時間の記録や集計を効率化することができます。

「従業員数が多く給与計算や各種申請などが多い」「女性の従業員が多く、産休・育休などに関する手続きで業務が複雑化している」などの場合は、それらに対応したシステムを選ぶ企業が多いです。

なお一例として、勤怠管理と給与計算を行う場合に、従来の方法とシステムを活用する方法でどのような違いがあるのかを比較しました。

タイムカードとエクセルで行う場合

・従業員がタイムカードを用いて出退勤時に打刻する
・月末に、管理者が全員分のタイムカードを集める
・全員分のタイムカードの内容を、給与計算用のエクセルに転記する
・別途、時間外労働の合計時間や有給休暇の日数を別途集計して、同様に集計する

システムで行う場合

・従業員がPCやスマートフォンなどを通して出退勤時に打刻する
・自動で集計されたデータを出力し、給与計算ソフトにインポートする

どのような業務を行うのかにもよりますが、システムを活用することで「集計」「計算」「可視化」「検索」などが簡単に行えるようになり、さらにタイムカードなどの紙の保管コストも削減できます。

勤怠管理システムと労務管理システムの違い

ここからは、勤怠管理システムと労務管理システムの違いについて解説していきます。

勤怠管理システムは、勤怠管理(従業員の勤務状況の管理)に特化したシステムです。一方、労務管理システムは種類が幅広く、システムによってできることが異なるケースが多いです。

勤怠管理システム

労務管理システム

目的

勤怠管理を適切に行う

従業員の各種手続きを簡素化する
給与計算を効率化する
人事評価を適正に行う

などさまざま

※労務管理システムは、勤怠管理以外の業務を行うためのシステムとして扱われることも多くあります。

勤怠管理システムでできること

勤怠管理システムとは、労務管理の中でも「勤怠管理」に特化したシステムのことを指します。メインの目的は、打刻情報をもとに、従業員の出退勤や休暇取得、欠勤などの勤務状況を把握することです。

PCやスマートフォン、その他の専用打刻機などを活用して従業員に打刻してもらうことで、労働時間の集計やグラフ化を自動で行えます。

また勤怠管理以外にも、以下のような機能が備わっているシステムもあります。

  • 工数管理
  • 経費精算
  • 電子稟議 など

勤怠管理システムの導入は、勤務時間を正確に把握して給与計算を正しく効率的に行いたい企業におすすめです。

既存の給与計算システムと連携できるケースも多いので、給与計算システム導入後に勤怠管理システムを導入し、両者を連携させる企業も多く存在します。

勤怠管理システムの種類や実際のサービスの比較については、以下の記事をご覧ください。

勤怠管理システム10選|比較表付きでおすすめ製品を紹介

労務管理システムでできること

労務管理システムとは、さまざまな労務を効率化できるシステムの総称です。

文脈や企業の目的によって示すシステムが異なり、それぞれ効率化できる業務も違うため、「どのような労務管理を行えるのか」「システムによって何を実現したいのか」を確認する必要があります。

種類

できること(一例)

人事労務システム

従業員情報の入力・雇用保険手続き書類の作成・社会保険手続き書類の作成・各手続きの電子申請・年末調整・福利厚生管理・労働者名簿の出力など

人事評価システム

従業員情報の入力・目標設定による人事評価など

給与計算システム

給与計算・賞与計算・給与明細の作成・貸金台帳の出力・年末調整・源泉徴収票の出力など

※勤怠管理システムも「労務管理を効率化するシステム」の一つですが、説明が重複してしまうためここでは割愛します。

これらのシステムを活用すると、エクセルなどで管理する場合と比べて、社会保険料率や所得税率の変更・法改正などに自動で対応できること、そして従業員情報のマスタと連動して情報を更新できることなどが大きなメリットとなります。

システムを使わずにエクセルで従業員の情報を管理している場合、住所変更や扶養変更などがあっても、給与計算や年末調整の作業時に古い情報が残ってしまうというミスが起こりがちです。システムを使えば、従業員情報のマスタを一カ所変えるだけで、社内システムの全ての情報に反映でき、ミスを減らせます。

労務管理システム選びの際には、各企業の課題を把握した上で、その課題を解決できる機能が搭載されているかどうかを確認する必要があります。

おすすめの労務管理システムについては、以下の記事をご覧ください。

労務管理システムのおすすめ8選!人事や勤怠の効率化ツールを紹介

労務管理システム同士は連携できる

各種の労務管理システムは、対応している他のシステムと連携して使うことができます。

例えば、最初に勤怠管理システムを導入し、次にその勤務管理システムと連携が取れる人事労務システムを導入するなど、その時々で必要なシステムを追加していくことが可能です。

前章で解説した通り、労務管理システムはそれぞれできることが異なるため、企業の課題に合わせて必要な業務を行えるシステムを選び、連携して使うことをおすすめします。

なおシステムの連携を考える際は、必ずしも同じベンダーの製品で統一する必要はありません。ブランドを揃えることを優先するあまりに「自社の悩みを解決できる機能が搭載されているか」を軽視してしまうと、後になって「やりたいことが実現できなかった」と悔やむことにもなるので注意が必要です。

▼例
勤怠管理システムは「TeamSpirit」を導入し、後に追加で人事労務システムの「SmartHR」を導入して連携させる。さらに給与計算システムは別のベンダーの製品を利用する。

まとめ|自社の課題を明確にし、それに合わせたシステムを検討する

勤怠管理とは「従業員の勤怠状況を管理すること」で、労務管理は従業員の勤怠を含め、給与・労働環境・入退社の管理などをまとめて指す広い意味の言葉です。

言葉が示す範囲は異なりますが、どちらも従業員が働きやすい環境を整える上でとても重要な業務と言えます。

手作業で管理しようとすると時間がかかりミスも起こりやすくなるため、必要に応じて専用のシステムを活用することが大切です。製品によってできることは異なるため、課題に応じたシステムを選んでみてください。

勤怠管理の基本を改めてチェックしてみませんか?

  • 勤怠管理の基本的なルールの理解や実務の知識が乏しく、不安がある
  • 勤怠管理の目的など基本的なことを知りたい
  • 勤怠管理を適切に実行する上で、自社の課題も把握しておきたい

このような人事労務担当者に向けて、「ゼロから始める勤怠管理」の資料を無料で配布しています。

人事労務担当者なら知っておきたい、適切な勤怠管理の必要性や労働時間の基本ルールについて解説していますので、これから適切な勤怠管理を導入・運用しようと考えている方は、ぜひ本資料をお役立てください。

「ゼロから始める勤怠管理」を無料ダウンロードする