事例ポイント

課題
  • 旧ERPはカスタマイズを繰り返し、硬直化していた
  • 新ERPはノンカスタマイズ方針だが、要件適合にはカスタマイズが必要と判明
  • 社内エンジニアが保守管理に時間をとられ、主力業務に注力できなかった
決め手
  • 求めていた機能(勤務体系、事前申請、日英表示、レポート等)を全て備えていた
  • システム連携の柔軟性や、セキュリティ・稼働の安定性に安心感があった
効果
  • 当初方針のERPノンカスタマイズ、柔軟性・俊敏性に優れたシステム環境を実現
  • 保守管理負担が激減し、攻めのIT投資ができる環境に
  • 労働時間や休暇取得率が見える化され、先手の労務管理ができるようになった

事例概要

機能
勤怠管理, 経費精算, 電子稟議, レポート・ダッシュボード
業種
IT・インターネット, 学校・教育
従業員数
500〜999人
特徴
自動化による作業時間の削減, テレワークなど多様な働き方の推進, セキュリティ強化, システム運用負荷の軽減, ERPや他システムとの連携

マンツーマン専門の英会話スクールを展開する株式会社GABA。
首都圏を中心に36ヶ所のラーニングスタジオを運営するほか、2020年8月にはオンラインでも受講可能なシステム「Gaba online」を開始した。多様化する英語学習ニーズに対して細やかに対応すべく、先進的なデジタル活用を行う同社。

基幹システムの刷新にあたっては、業務領域ごとにベストなアプリケーションを採用し、それらを連携することで柔軟性・俊敏性に優れたシステム環境を実現することを目指したという。そのようななか、TeamSpiritの導入を決めた理由はどのような点だったのか、またその効果をどう感じているのか。IT企画課 ビジネスアナリスト 大矢祐史氏に話を聞いた。

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IT部門 IT企画課 ビジネスアナリスト 大矢祐史氏

導入前の課題

既存のERPは度重なるカスタマイズにより硬直化。スピーディーな業務改善が難しい状態に。

「これまで国産ERPパッケージを利用してきましたが、異なる複数の勤務体系を管理するためにカスタマイズしなければならない点がたくさんありました。オールインワンのパッケージに魅力を感じていたものの、カスタマイズやアドオン開発を繰り返すことでシステムは徐々にブラックボックス化し、保守管理作業が重くのしかかるようになっていました」と大矢氏は振り返る。

日本語と英語の表示切り替えも大きな課題となっていた。GABAには約200名の外国人社員が在籍している。毎日使用する業務システムの英語表示は必須要件だったが、既存のERPはそこもカスタマイズで対応するしかなく、使いづらさや誤入力につながっていたという。

「バージョンアップにより機能改善や新機能追加などがなされ、常によりよいシステムを利用できることがパッケージシステムの大きなメリットです。しかし、旧ERPはカスタマイズを多く施していたことでバージョンアップの足かせとなり、その恩恵を受けることができていませんでした」(大矢氏)

導入の決め手

異なる複数の勤務体系の実現・経費の事前申請・日英表示対応・レポート機能・データ連携など、必要な機能がすべてそろっていた。

既存のERPサーバーの保守期限切れが迫っていたことをきっかけに、これまで利用してきた人事給与・財務会計を中心とする基幹システムの刷新を決めた同社。クラウド化することはもちろん、業務ごとにベストなアプリケーションを選択し、それらを連携することで自社に最適なシステム環境を実現することを方針として掲げた。

「実は勤怠管理と経費精算については、システム選定の最終段階まで、ERPの機能を利用しようと考えていました。しかし当社のパートタイム社員の異なる複数の勤務体系や事前申請を必須とする経費精算などの細かい要件を実現するには、どうしてもERPノンカスタマイズでは難しいことがわかりました。そのようななか、以前チームスピリットさんの話を聞いたことを思い出したのです。担当の方とお話をしてから導入決定まではあっという間に進んでいきました」と大矢氏。

TeamSpiritでは、同社で必要とされる異なる複数の勤務体系にも設定のみで対応が可能経費精算でも"事前申請・承認・経費精算"という一連のプロセスが機能として用意されていたことで、ERPをカスタマイズすることなく業務に適合させることができることとなった。

英語表示も大きな決め手となった。多言語対応している製品の多くはグローバル企業を想定した大規模ERPで、同社にとっては機能過多。言語対応を優先してそういったサービスを選ぶことは「自社の『業務』にとってベストなものを」という方針にはそぐわない。「そのようななかで日英表示を簡単に切り替えることができるTeamSpiritの存在は、とてもありがたいものでした」(大矢氏)

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レポート機能が充実している点にも魅力を感じたという。「以前のERPでもレポート作成や変更は自社にて実施できましたが積極的に利用されてはいませんでした。TeamSpirtではデータを見たい形でレポート化することができるため、社内での利用をより促進できると感じました」(大矢氏)

TeamSpirit がSalesforce を基盤としていることも大きなポイントだった。同社が目指すシステム環境においては、アプリケーション同士をスムーズに連携できることが何よりも重要だ。同社には既にSalesforceが導入されているため、他システムとの連携実績やSalesforceを基盤とするTeamSpiritのシステム連携の柔軟性が信頼感につながった。また、Salesforce基盤であることでセキュリティや稼働の安定性にも安心感があった。

導入効果

ERPのフロントウェアとしてTeamSpiritを活用。
さまざまなクラウドサービスを連携したシステム構成により、業務標準化と保守管理負担を激減させることに成功。

同社は現在、人事給与・財務会計にはSuperStream-NX、ERPのフロント部分である勤怠管理・経費精算・稟議・レポートにはTeamSpirit、Web給与明細にはFleekformとさまざまなサービスを採用し、データの連携を行っている。経費精算や会計系のバックエンドのデータ連携処理にはEAI製品のDataSpiderを導入しているほか、IDaaS製品のOktaを活用し、人事系のID管理の自動化を実現している。

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女性社員の割合が多い同社では、産休・育休・時短勤務など勤務体系の変更やスクール間での異動が非常に多く発生するという。これまではアカウントの変更や権限設定などの作業は、異動前日の深夜にシステム担当者が出社し、手作業で行っていた。「期末、期初にはそれこそ何十人もの社員が一度に異動するので、本当に大変でした」と大矢氏。現在は人事システムで発令された情報が各システム上で自動更新されるようになったため、担当者の負担も激減したという。

パッケージ製品は成功事例や業務に求められる最新の要件を集約したものだと思っています。そこに合わせた業務を行なっていくことで、業務の標準化や改正された法律などへの対応を素早く実現することができています」と大矢氏。

さまざまなクラウドサービスを連携させることで、業務は改善され、柔軟性は高まり、保守管理の負担は減った。大矢氏は「社内のエンジニアをコア事業にアサインできるようになりました。攻めのIT投資ができる環境を整えることができたと感じています」と語る。

コロナ禍での在宅勤務にもスムーズに移行。
さまざまな業務課題を改善し、最先端の働き方の実現を目指す。

同社がTeamSpiritを使い始めたのは、図らずもコロナ禍で在宅勤務を開始するタイミングだった。いつでもどこでも出退勤の打刻ができるようになっていたため、在宅勤務にスムーズに移行することができたという。またTeamSpirit導入以前は、経費精算の事前申請・事後精算は本社もしくは各スクールに出社して行う必要があったが、それもほぼ自宅からできるようになった。

デザイン性に優れ、直感的に操作できるので、社員からの問い合わせや誤入力も大幅に減りました。外国人社員も不便なく使えているようです。レポート機能を使って社員の残業時間や有給の取得率などもリアルタイムで確認できるようになり、労務課題についても先手の対応ができるようになりました」と大矢氏。現在レポートを活用しているのは主に労務部門の担当者やマネジメント層とのことだが、今後はすべての社員がレポートを活用して、日々の働き方の振り返りや改善ができるような環境を整えていく予定だ。

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法令や36協定で定める労働時間に対する過不足をリアルタイムに集計・可視化(画像はご利用イメージです)

また、TeamSpiritを活用した稟議システムも構築中だ。近い将来、人事関連の申請業務の多くをオンライン化し、さらなる業務の効率化やフルリモートワークへの対応を進めていく計画だ。「TeamSpiritには働き方改革を推進するさまざまな機能が用意されています。それらの機能に自分たちの業務を合わせることで、最先端の働き方を実現していきたいと思っています。それこそがTeamSpirit導入の最大のメリットだと感じています」(大矢氏)

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今後は各スクールのシフト管理やチーム横断プロジェクトにおける工数管理・原価管理にも挑戦していきたいという。さまざまなことに次々と挑戦できるのも、柔軟性の高いシステム環境を実現しているからこそのことだろう。最後に大矢氏は次のように語ってくれた。

チームスピリットはサポートが非常に手厚く、細かい依頼にもレスポンスよく対応してくれるのでとてもありがたいですし、信頼しています。これからもぜひいろいろとご提案いただき、当社の働き方がより充実するようなサービスは積極的に採用しながら、業務の改善とビジネス競争力の向上に邁進したいと思います」

株式会社GABA

設立
1995年
事業内容

マンツーマンに特化した英会話スクールを運営。
シニア・成人・中高生を対象とした「Gabaマンツーマン英会話」、小学生を対象とした「Gabaこどもマンツーマン英会話」のほか、企業の社員研修としてもレッスンを提供。2020年8月からはオンラインレッスンも開始。

URL
https://www.gaba.co.jp
取材年月
2021年6月

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