株式会社メディアテック
働き方の見える化によって上司から部下への適切なフィードバックが可能に。信頼関係構築にも繋がっているチームスピリット活用とは
事例ポイント
課題
- 紙文化、ハンコ文化が根強く残っており、テレワーク実現が難しかった
- レガシーな基幹システムにより、非効率な業務フローとなっていた
決め手
- 勤怠管理や工数管理機能など、様々な機能をワンツールで利用できるため
- SaaS型のため、最新の労務管理に必要な仕組みへと自動アップデートされるため
- 直感的に利用できるUI/UXで、操作しやすいツールであるため
効果
- 従業員の1日の勤務状況を可視化できるようになり、課題発見が容易になった
- 部下の働き方を改善していくアプローチが増え、上司と部下の信頼関係が向上
- 働きやすい環境を実現していったことで、従業員エンゲージメントは高まっている
事例概要
機能 | 工数管理, 経費精算 |
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業種 | IT・インターネット,システム開発 |
従業員数 | 100〜499人 |
特徴 | テレワークなど多様な働き方の推進,ペーパーレス・脱エクセル,最新法令への対応,データの見える化・分析データの見える化・分析 |
大和ハウスグループのIT会社として、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する株式会社メディアテック。
同社では以前までは出社が当たり前で、さらに紙文化、ハンコ文化が根強く、非効率な業務フローが多く存在していたという。しかし、コロナ禍を機に、本格的な働き方改革に着手。現在は完全にテレワークを実現し、業務効率化を実現しただけでなく、働きやすい環境構築によって従業員のエンゲージメントが向上している。
そこで今回は、同社が取り組む働き方改革が必要だった背景から、チームスピリットの導入の決め手や効果、また今後の展望について、メディアテック 小澄 隆 取締役、ITマネジメント事業部 東 秀和 次長、経営管理部 経営企画室 辻田 健一 室長に伺った。
「紙やハンコ文化が根強く、非効率な業務フローだった」抜本的な働き方改革が必要だった理由
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、緊急事態宣言が発令された2020年。外出自粛要請などの行動制限に伴い、多くの企業が出社制限に踏み切った。それはメディアテックも例外ではなく、全社的にテレワークを実施。
しかし、コロナ禍前からも申請を出せばテレワークで働くこともできたが、イレギュラーな状況のみでしか運用されておらず、様々な業務フローが出社前提で設計されていたため、全社的なテレワーク導入以前は紙文化、ハンコ文化が根強く残っている状況だったという。
さらに、以前まではグループ共通の基幹システムが提供されており、同社では勤怠管理や経費精算、支払い処理など様々な業務をそのシステム内で行う必要があった。しかし、導入から相当な時間が経過しており、交通費精算を行うにも、エクセルの表のようなものに一つひとつ経路を手入力する必要があったりと、業務効率の悪いレガシーなシステムとなっていた。
当時の状況について、東氏はこう語る。「以前までの基幹システムは直感的に操作できるUI/UXとなっておらず、新入社員はマニュアルをまず覚えるといったことが必要でした。そしてIEでしか動かない機能が一部残っていて、IE側の設定を操作するためのマニュアルが配布されるなど、本質的ではない運用となっていました。社員数が増えていた中、そうした非効率な運用から脱却し、いかに効率的な事務処理やワークフローを構築するかが大きな課題としてありました」
そこで同社ではテレワーク実現を機に、抜本的な働き方改革に着手。どこでも業務ができる状態を実現すべく、1人1台のノートパソコンおよびiPhoneを支給。さらに様々な業務をオンラインで完結できるよう、様々なクラウドツールの導入を進めていく。
「紙文化、ハンコ文化からの脱却を実現しなければ、結局はオフィスに出社するという状況に陥ってしまいかねません。そこで、電子申請や電子契約、そして電子請求・支払のツールを導入していき、半ば強引にテレワーク体制へと切り替えていきました」と小澄氏は振り返る。
また、同社では「事務所改善」「テレワーク推進」「制度改革」という3つの方針で、働き方改革を推進。特に新しい働き方を定着化させるためにはルールの整備も重要であり、様々な制度をテレワーク前提の制度へと変更していったという。
辻田氏はこう語る。「たとえば通勤定期を廃止し、出社したときにのみ交通費を支払う形へ。また在宅勤務に伴う光熱費等を負担するテレワーク手当を新設しました。 そして2021年10月からは、自由な時間、自由な場所で働けるようフルフレックス勤務制度を導入。さらに2022年4月からは転居を伴う異動を廃止し、居住地にとらわれない働き方を実現できるよう制度改革を進めていきました」
労務管理に求められる仕組みへ自動アップデート、また勤怠管理以外にもワンツールで利用できることが導入の決め手
オンラインで完結する働き方、そして効率的な業務フローの構築を目指して、従来までの基幹システムから脱却し、様々なツール導入を進めていった同社。そして新しく導入していったツールのひとつが、チームスピリットだった。
チームスピリット導入の決め手について、東氏はこう語る。「勤怠管理のためのツールを探していましたが、勤怠管理のデータを親会社のシステムに送信することが必須条件であったため、API等による連携が可能であるかどうかの観点で、比較検討を行っていました。
一方で業務システムが複数存在してしまうと、それぞれにログインしないといけないなど煩雑な運用になってしまうため、なるべくワンプラットフォームで複数の業務が行えるツールを探していました。そこで勤怠管理だけでなく、工数管理、電子稟議、また経費精算と幅広い機能をワンツールで利用でき、将来を見据えて活用できるツールだと思えたということがチームスピリット導入の決め手でした」
また、労務関連の法律を順守する上で、従来のシステムの場合は常に法改正の情報などをキャッチアップし、都度対応を行う必要があった。そのため、誤った理解によって間違った労務管理の仕組みを構築してしまうリスクを感じていた。しかしSaaS型ツールであれば、自社でシステム改修をせずとも最新の労務管理に求められる環境へとアップデートされていくこともチームスピリット導入の決め手のひとつだったという。
現在、同社では勤怠管理機能および工数管理機能をメインにチームスピリットを活用している。もちろん運用フローが変わり、スムーズに従業員が適応できたかというと、そうではなかった。むしろ、当初は「それでは業務ができない」という思い込みから、「無理だろう」という声が社内からは多く挙がっていた。
そこで新しいやり方は良さそうだと思ってもらえるように少しずつ情報発信を行いつつ、従来の基幹システムとチームスピリットでの並行稼働を2ヶ月実施。どちらも同じように入力してもらう形で進めていく。その結果、従来の基幹システムのほうがチームスピリットよりも入力ミスが起きていたこともわかり、社内でもチームスピリットのほうが使いやすいというマインドへと変化していったという。
「チームスピリットは直感的に操作できるUI/UXであるため、操作性の良さから入力ミスの少ない運用が可能になりました。また、以前まではどれだけ働いたかを勤怠管理と日誌で行っていましたが、現在は工数管理機能を活用することで、1日にどういった業務にどれだけの時間をかけているのか可視化できるようになりました。その結果、個々がどういった働き方をしているのかを見ていて、たとえば特定のプロジェクトの作業が多い、事務処理に多くの工数を割いていることがわかれば、プロジェクト毎の人員配置や工数削減のために改善を進めるなどのアプローチがとれるようになりました」と東氏は語る。
チームスピリットによって働き方の課題発見、そして改善が加速。働き方改革以降、従業員エンゲージメントは向上している
チームスピリット導入によって、同社では部下がどれだけ残業しているか、どういった勤怠状況であるかをリアルタイムで把握し、必要に応じて上司が部下をサポートするような環境が整っていった。その結果、上司の部下への接し方が変わり、より信頼関係が構築できるようになっていったという。
小澄氏はこう語る。「年に2回、全従業員に対してモチベーションサーベイを実施しているのですが、働き方改革を進めて以降、従業員のエンゲージメントスコアは数値は右肩上がりで伸びています。こうした数値の変化は、働きやすい環境が整っていったことはもちろん、上司のマネジメントの変化にも影響を受けていると捉えています。
以前は日報があったものの、あまり活用できていませんでした。しかしチームスピリット導入によって上司が部下の働き方を見てフィードバックできるようになったことは大きな変化。今後もチームスピリットの工数管理機能をより活用していくことで、働き方の課題発見、そして改善が加速していくと考えています」
「変化というのはストレスを生むもの」と語る小澄氏。実際に同社でも社内からは批判の声は挙がっていたそうだが、働き方改革に取り組み続けることで、変化を求める声が徐々に生まれてくるようになったという。 今後はチームスピリットのダッシュボードを活用してデータ分析を行っていき、よりデータドリブンな経営の実現を目指し、これからも働き方改革を推進していく。
東氏はこう語る。「今後はまず別ツールで行っている稟議申請をチームスピリット上で行えるよう移管していく予定です。そして現在は複数のツールを利用した業務フローとなっていますが、すべてのフローをチームスピリットで一本化していければと考えており、チームスピリットの機能拡充にも期待しています」
大和ハウスグループのIT支援を担う同社では、チームスピリットや各ツール導入によって実現してきた、より使いやすい、働きやすい業務システム環境をグループ各社に提案・構築していく予定だ。
そして、グループ会社におけるラボ的な立ち位置で、様々なことを率先して取り入れていき、IT支援という側面からグループを先導していけるよう進めていくことを目指している。最後に小澄氏は次のように語った。
「バックオフィス領域の業務は、限りなくオートメーション化される状態を目指していきたいと考えています。また、いまだに紙文化、ハンコ文化が残っているグループ会社もあるため、自社で実現していったことをグループ会社に展開していき、グループ全体の発展に寄与していきたいです」
勤怠・工数・経費精算などをクラウドで一元化
株式会社メディアテック
- 設立
- 1992年11月20日
- 事業内容
- ネットワーク構築・運用保守、
情報機器管理・ソフトウェア管理、
社内ヘルプデスク、セキュリティオペレーションセンター(SOC)、
システム開発・運用保守、プロジェクトマネジメント、
文書管理サービス(建築図面・契約書類管理)、設計・施工支援 - URL
- https://www.mediatech.jp/
- 資本金
- 5,000万円
- 取材年月
- 2023年7月