Case

現場スタッフにとって「世界が変わるよう」な体験が、今では日常のオペレーションに組み込まれたーー~医療法人の働き方改革を支えるシンプルなツール~

株式会社 アドバンスト・メディカル・ケアのロゴ

社名

株式会社 アドバンスト・メディカル・ケア

設立

2006年2月14日

従業員規模

利用機能

事業内容

医療、健康診断事業に対するコンサルティング
医療施設経営に関するサポート
医療従事者及び医療補助者の教育及び研修
化粧品、サプリメントの販売

課題

・600名の勤怠管理を打刻機とExcelで行なっており、人事部の管理負荷が高かった
・ガバナンス強化のため、勤怠の一次・二次承認の必要があり、管理職の負担も増大

決め手

・Salesforceを基盤にしており、セキュリティレベルが高い
・同社作成の厳しい要求仕様書の要件を満たした

効果

・勤怠管理に関する転記・回覧・集計などの業務が大幅に削減された
・勤怠と入退室の情報を一覧で可視化することで、働き方の意識に変化が起きた
・社内SNS機能により、事務長と医療職員とのコミュニケーションが盛んになった

事例概要

機能

勤怠管理, 社内SNS, レポート・ダッシュボード

業種

医療・福祉

従業員数

100〜499人

特徴

自動化による作業時間の削減, データの見える化・分析, セキュリティ強化, ERPや他システムとの連携

近年、各種報道で「医療法人の赤字経営」が問題視されるようになってきた。診療報酬の計算やスタッフの管理監督、施設管理等、規模の大小を問わずクリニックの経営は、医療のプロフェッショナルであっても難しい、ということだろう。

こうした課題を解決するのが、株式会社アドバンスト・メディカル・ケアだ。同社は、ビル内としては日本最大級の医療施設「東京ミッドタウンクリニック」の立ち上げから日々の運営ほか、医療機関の運営支援を担うことで、医師や看護師、技師たちが本来のちからを発揮できるようサポートしている。

「東京ミッドタウンクリニックでは、内科をはじめとした外来診療を受け入れており、人間ドック・健康診断ほか、エグゼクティブの健康管理をサポートするサービスといった幅広い医療サービスを提供しています。土地柄、外国人の患者様が多く、一般外来や健康診断を行なうクリニックとしては日本で初めてJCIの認証*(外来診療プログラム)を取得しました。そうしたこともあり来院者は多く、効率化を図るべくシステム導入が検討され始めました」と、語ってくれたのは同社の人事総務部に籍を置く蓑田直美氏だ。

株式会社アドバンスト・メディカル・ケア
人事総務部(現:日本橋プロジェクト準備室) 蓑田 直美氏

同クリニックのような先進的な医療機関であっても、その環境は必ずしもIT化が進んでいるわけではなかったと言う。

「一般的に、医療の業界ではまだまだIT化がなされていないことが多く、私たちも、これまでは勤怠管理は打刻機で打刻し、表計算ソフトに転記する、という方法を採っていました。しかし、およそ600人のスタッフ全員の勤怠管理をこの方法で続けていくことは担当部署の負荷が否めません。また、ガバナンス強化を目的として、一次・二次承認がルール化されていたので、中間管理職にも負担がかかる状態になっていました。そうしたことから、勤怠管理システムの導入が不可欠な状況になっていた、というわけです」と、システムエンジニア主任の向本茂樹氏は続ける。

株式会社アドバンスト・メディカル・ケア
MS法人事業部 東京ミッドタウン運営部 向本 茂樹氏

最終的には人事関連のすべての工程をシステム化する"前哨戦"といった位置付けで、現場スタッフから中間管理職、人事総務部門にわたる全社の負荷軽減が見込まれ、生産性の向上に資すると考えられる「勤怠管理システムの導入」が決まった。

システム選考を行なう上で最重要とされたのは「セキュリティ」だけではなかった!

では、どのシステムを導入するか? この答えを出すべく編成されたプロジェクトチームは、リーダーに人事総務の蓑田氏、医療情報技師の資格を持つ向本氏、そして、法務的な知見を有するスタッフの3名と少数精鋭だった。

「当初は、システム戦略の基準として、オンプレミスかクラウドか? で議論しました。それというのも、医療業界は通常扱うデータが非常に機密性の高いものであるため、その前提を踏襲するとクラウドを即決できなかったのです。しかし、RFPを提示し様々なベンダーからの提案を受ける中で、『自分たちが求める要件を満たすものがない』ということと、これからの時代にはクラウドの方が理に適っている、という意見が出始めました。

クラウドサービスを選考する際、やはり最重要視されたのは『いかに高いセキュリティレベルを保てるか』ということでした。TeamSpiritの場合、セールスフォースを基盤にしており、そのセキュリティレベルについては様々な企業によって認められています。また弊社で作成した要求仕様書の厳しい要件も満たしていたことから、最終的にTeamspiritの採用を決めました」とは、向本氏の言葉だ。

こうして、社内の規定はクリアできたものの、その後に、本当に越えるべき課題が待ち構えていた。

「いざ、紙からシステムへ、となると、『新しいものを入れて、本当にラクになるの? 今のほうがラクなのではないか?』という疑問の声は出てきました。しかし、打刻機で記録して表計算ソフトに転記し、人事部まで回覧してもらう過程はやはり全員にとって負担であることは明らかです。これに比べると、システム化した方がラクになることは目に見えていました。ただ、やはりスタッフにとっては『世界が変わるようだ』との印象があったのでしょう」と、同氏は当時を振り返る。

ツール利用に際して、心理的ハードルを解消することはその後の利用率の高低に直結する。そのため、ITツールへの"拒絶反応"を低減すべく、事前の説明会を職域ごとに実施されたそうだ。特に、一次・二次承認を行なう管理職に向けての説明会では、「直感的に利用できるようになっているので、スマートフォンと同じように、怖がらずにゲーム感覚で触ってみてほしい」と伝えることで、気軽に触ってもらえるように促した、と蓑田氏は語る。

導入当初は「電車遅延で遅刻したが、さらに、打刻を忘れていた。この場合、どうしたらいいか?」といった、問い合わせもあったそうだ。向本氏は、「今は、こうしたナレッジを蓄積してマニュアル化しているところです」と、忙しい職場環境ならではの「課題を解決しよう」と取り組む現状について語ってくれた。

着実に日常の中にツール利用の習慣が溶け込んだ

前述の通り、ややハードルはあったものの、現在は安定してTeamSpiritが活用されているそうだ。その一端が垣間見えるエピソードを蓑田氏は紹介してくれた。

「医師をはじめとする医療従事者はあまり勤怠管理をすることに積極的ではないのでは? と思われるかもしれませんが、当院の医師は経営者と接する人が多く、労基法をはじめ世の中の話題に明るい先生が多くいらっしゃいます。そのため、『全員の総労働時間を把握したい』という運営側の希望もしっかり受け止めてくれました。また、医療法人は特に、トップの先生の姿を見てその部下がついていく傾向があるので、トップが範を示してくれたことで部下の先生たちもしっかりツールを活用してくれるようになりました。 勤怠打刻が習慣化されていたことにより、たとえば、TeamSpiritで打刻をしたあと、Alligateで記録している入退室の情報が大幅にずれることに問題意識を持ってくれたり、『いまTeamSpiritの画面を見ているけど、まだ情報が更新されていないようだ。大丈夫か?』といった問い合わせがくるようになりました。このように勤怠、自分の働いた時間について意識が向くようになったのは、紙で記録していたころには考えられなかったことです。このこと自体がシステム導入の成果と言えるでしょう」。

Alligateとは、執務スペースの出入り口に設置し、ICカードをかざして入退室をする情報を記録として管理するシステムのことだ。同社では、このAlligateに記録された入退室の情報をTeamSpiritに送信し、勤務表に表示させ、より正確な労働時間の把握に力を入れていると言う。

リアルタイムで、より正確な出退勤の情報が、自分以外の人にも見られるような環境が整ったことに加え、職業柄「正確なデータを正確に反映しよう」という意識が強く働いているのだろう。今では、日々自分の働く様子をしっかり確認することが日常化しているとのことだ。

離れた場所でもコミュニケーションが盛んになった

導入後には、全スタッフの負荷軽減以外にもメリットを感じる機会があったそうだ。

「系列の浜松町ハマサイトクリニックでは、TeamSpiritを現場の医療職員とのコミュニケーションツールとして使っている、と事務長から聞きました。ハマサイトでは各スタッフにメールアドレスがなく、事務長も終日外出が多いため、コミュニケーションを取りづらく困っていたそうです。そこで承認申請の際にコメントを入れて、スタッフを労ったり、連絡手段として活用されているそうです。 手軽にコミュニケーションができるツールを使うことで、『事務長とスタッフの距離(関係性)が近くなった』と感じているとのこと。

「コミュニケーションツールとしての効果は特に期待していなかったので、副産物的なものではありますが、この話はTeamSpiritを導入して良かった、と思うエピソードのひとつです」と、蓑田氏。 二人は、スタッフ間、部署間のコミュニケーションツールとしても活用することで、これまで以上に良いチームワークを構築し、生産性向上に役立てたい!と笑顔を見せながら意気込みを語った。

2019年4月からTeamSpiritの本格稼働をはじめた同社。今後はダッシュボードを有効活用し、勤怠管理情報の分析に注力したい、とし、それを活用して生産性向上を実現させていこうと計画していると言う。 最後に、「すべての業務に対してできるわけではないと考えていますが、たとえば医療サービスの企画など、プロジェクトベースで進む業務については原価管理や工数管理の情報を見ながら生産性向上に取り組むことができると見通しています」と、今後の同社の働き方改革の指針を示してくれた。

*JCIとは?

米国の医療施設を対象とした第三者評価機関The Joint Commissionの国際部門として1994年に設立された非営利団体Joint Commission Internationalの略称です。
国際社会における医療の安全性と質を継続的に改善することを目的に、教育やコンサルティングサービスの提供ならびに国際的な認定・認証を行っています。
2005年に世界で初めて、そして唯一、世界保健機関 (World Health Organization: WHO)に患者安全推進のための協力センターとして認定されました。
JCIの基準(外来診療プログラム)は、全15章の分野と約600の評価項目を医療現場で詳細にチェックするもので、このJCIの認証を取得することは、「患者安全」や「医療の質」などの分野において、国際基準を満たしていることを示す指標となります。

※ 掲載内容は取材当時(2019年4月)のものです。

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利用機能

事業内容

医療、健康診断事業に対するコンサルティング
医療施設経営に関するサポート
医療従事者及び医療補助者の教育及び研修
化粧品、サプリメントの販売