Case
成長企業を支える統合基盤の確立 ― システム乱立を乗り越え、200名規模の組織を動かす人材・業務基盤へ ―

社名
株式会社岩崎
設立
1947(昭和22年)12月12日
業種
従業員規模
事業内容
ICTやクラウドを活用した計測機器、測量機器、情報機器の販売・レンタル、および 3 次元での計測業務やモデリング作成業務、並びに各種機器の設置施工・保守、修理ほかの付帯する業務
課題
・システム乱立により勤怠・経費・工数管理が分断され、管理者・従業員双方にとって煩雑な業務環境だった
・工事進行基準に則した予定工数が管理できず、勤怠と工数の整合性も低いため正確な原価計算が不可能だった
・部門間の不透明な取引や事前申請と本申請の紐づけ不足など、内部統制が脆弱で社内規定が形骸化していた
決め手
・予定工数・実績工数・勤怠データの3要素の整合性をシステム上で担保できる唯一の機能
・勤怠、工数、経費精算という基幹業務を統合プラットフォームで管理でき、データの信頼性を確保できる
・タレントマネジメント導入時も既存のTeamSpiritと連携し、マスタ設定なしでスムーズに導入可能
効果
・月次締め機能により労務担当者の確認作業が実質2営業日削減された
・予定工数を基準とした原価での取引が徹底され部門間の透明性が向上とリソース最適配分を実現
・社員のスキル・資格・経験が可視化され、モチベーション向上と戦略的な育成計画の基盤を構築
事例概要
機能 | 勤怠管理,工数管理,経費精算,プロジェクト原価管理,タレントマネジメント |
|---|---|
業種 | 卸・小売業 |
従業員数 | 100〜499人 |
株式会社岩崎は1947年の創業以来、測量機器の販売・レンタルから建設・測量・官公庁向けのソリューション提供まで、北海道のインフラ基盤を長年にわたり支え続けてきた。システム導入に伴う業務効率化には積極的な企業であったが、勤怠、経費精算、工数管理などは異なるシステムを使用していた。工事進行基準の導入やガバナンス向上を見据える中、同社は管理業務のデジタル化と高度化という壁に直面していた。本稿では、TeamSpiritシリーズを段階的に導入し、勤怠・工数管理からタレントマネジメント、AI議事録までを複合的に活用することで、強固なガバナンス体制と未来を見据えた人材戦略の基盤をいかにして築き上げたのか、その軌跡を追う。
導入前の課題:システム乱立と形骸化した管理体制
2021年、TeamSpirit導入前の岩崎は、複数の管理システムが乱立することによる業務の非効率性に課題を抱えていた。経営企画室 室長の佐藤健太氏は、当時の状況を次のように振り返る。
「勤怠は奉行、経費精算はExcel、工数入力は内製システムと業務ごとにシステムが分断され、管理者にとっても従業員にとっても煩雑な状態でした」

左:取締役 管理本部長_太田健一氏
右:経営企画室 室長_佐藤 健太氏
また、業績拡大と社員規模増大に伴った二つの問題が浮上していた。
一つは、工事進行基準の導入である。業績拡大に伴い適切な業績管理、決算数値を算出するために売上計上を従来の完成基準から工事進行基準へ変更する必要があったが、そのためにはプロジェクトごとの正確な工数管理が必要不可欠だった。「しかし、当時のシステムは予定工数を管理する機能を持ち合わせていなかったんです」と佐藤氏は語る。さらに、工数入力が任意であったため信頼性が低く、実労働時間とプロジェクトに費やしている時間に整合性が取れないこともあり正確な原価計算ができない状態だった。

もう一つは、内部統制(ガバナンス)の脆弱性だ。例えば経費精算では、事前申請と本申請が紐づいておらず社内規定が形骸化していた。また、予定原価の算出がシステム上で可視化されないため、部門間の不透明な取引も課題となっていた。技術部門にも損益目標が課されていたため、技術部門は自部門の工数に利益を上乗せして営業部門に請求する形を取っていた。これは会社全体で見れば利益総額は変わらないものの、部門間で利益を奪い合う構図となり、不要な摩擦を生む要因となっていた。
さらに、社員数が200名規模に拡大する中で、「誰がどのような能力を持ち、どのプロジェクトで活躍できるのか、という情報が把握しづらくなってきている」と、取締役 管理本部長の太田健一氏は経営層が感じていた人材管理に対する当時の課題感を明かした。
導入の決め手:当社要件に合致した機能と、統合プラットフォームとしての価値
これらの課題を解決すべく、同社は新たなシステムの導入検討を開始した。複数のシステムが候補として挙がる中、最終的にTeamSpiritが選ばれた決め手は「予定工数と実績工数の両方を管理でき、かつ勤怠データとの整合性を担保でき、当社要件に最も合致していた点です」と佐藤氏は語る。
「実績工数、予定工数、そして勤怠という3つの要素の整合性をシステム上で担保できる機能は他になく、これは私たちのようなプロジェクト型ビジネスを展開する成長企業にとって重要な判断材料となるポイントでした」
当時の同社は会計処理や内部統制の高度化が求められる状況にあり、勤怠、工数、経費精算という基幹業務を一つのプラットフォームに統合し、データの信頼性を確保できるTeamSpiritは、同社にとって最適なソリューションだったのだ。
また、タレントマネジメントシステムの選定においても、既存のTeamSpiritとの連携が大きなメリットとなった。新たにマスタ設定作業を行うことなく、社員情報が既に入った状態でスムーズに導入できた点を、佐藤氏は高く評価している。

導入後の成果:ガバナンス強化とデータ活用による「先行管理」の実現
TeamSpiritの導入は、岩崎の管理体制に劇的な変化をもたらした
ガバナンス強化と管理業務の効率化
まず、勤怠管理においては「月次の締め機能があることで、労務担当者による不備申請等の確認作業が実質2営業日減りました」と太田氏は定量的な効果が生まれていることを実感。経費精算においても、事前申請と本申請の紐づけが徹底され、ガバナンスが強化されたという。
さらに、ダッシュボードで社員の勤務状況がリアルタイムに可視化されたことは、経営にも大きなインパクトを与えている。「残業時間の多い社員ランキングなどが執行役員会で共有され、業務の偏っているのではないか、といった視点での改善提案が上層部から出やすくなり、データに基づいた迅速な意思決定とアプローチが可能になりました。」と佐藤氏は語る。
プロジェクト収益性の可視化と部門間連携の強化
正確な工数管理の文化が根付いたことで原価設定の基準が確立されたという。「予定工数を基準とした原価での取引が徹底されたことで、技術部門と営業部門との間に生じていた不透明なやり取りは解消されました」と佐藤氏は言う。
予定工数を入力するもう一つのメリットとして、収益の「先行管理」も可能になった。受注済、受注予定などの先々の予定工数を入力することによって、毎月の営業技術連携会議にて営業部門に対し、TeamSpiritの工数ダッシュボード画面を表示させて「この月はもう手一杯なので、これ以上仕事は受けられません」といった視覚的にフィードバックができるようになり、リソースの最適配分と収益性の向上が実現したという。
タレントマネジメントによる人材育成の加速
2025年5月に追加導入されたタレントマネジメントは、同社の人材戦略を新たなステージへと引き上げた。社員一人ひとりのスキルや資格、業務経験がデータベース化され、管理者や本人がいつでも参照できるようになったのだ。
「自分の資格情報や業務経験、できることに対する客観的な情報が可視化されるのは素晴らしい、と社員からのポジティブな反応が多かったのが印象的でした」と佐藤氏は語る。
この仕組みは社員のモチベーション向上に繋げるだけでなく、具体的な育成施策にも結びつける方向で検討しているという。「各社員が資格取得の目標を設定し、スキルアップボードを活用して取得支援を行い、合格率を向上させたい」と太田氏はタレントマネジメントシステムの今後の取り組みについて語った。
今後の展望:データ連携による、より高度な人材活用へ
岩崎は、TeamSpiritを単なる管理ツールとしてではなく、企業の成長をドライブする「Team Success Platform」として捉え、その活用をさらに深化させようとしている。
今後の展望として太田氏が挙げるのは、勤怠データとタレントマネジメントの情報を掛け合わせた、より高度なデータ活用だ。「定年退職を控える社員が持つ経験やスキルを明確化し、それを持っていない若い世代に計画的に習得させる。そういった戦略的な育成計画に役立てていきたいです」また、佐藤氏は「離職の兆候把握や、優秀な社員の業務傾向分析など、少し高度なデータ活用を通じて組織運営を最適化していきたい」と語る。
現在手動で行っている勤怠打刻とPCログとの突合も、TeamSpiritのオプション機能導入で自動化を検討している。
プロジェクト型ビジネスを展開する成長企業にとって、システム乱立は共通の課題になりやすい。岩崎の取り組みは、その解き方に多くの示唆を与えてくれる。単なる業務効率化に留まらず、データ活用によるDXを推進する経営の高度化、そして未来を見据えた人材育成までを実現する。TeamSpiritという統合基盤を得て、岩崎の挑戦はこれからも続いていく。
※ 掲載内容は取材当時()のものです。
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