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基礎知識

【効率アップ】残業代計算の負担を軽減するツールの選び方とは?

著者:チームスピリット編集部

時間外労働については、労働基準法が改正され上限規制が設けられたこともあり、計算が複雑化しています。さらに、これまで猶予されていた中小企業も、60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%になるなど、残業代の計算に頭を悩ませる労務・給与担当者も多いのではないでしょうか。

給与計算ミスなどのトラブルを避け、コストを抑えるためにも残業代計算ツールの活用がおすすめです。本記事では、残業代の計算ツールの特徴や自社に合ったツール選びのポイントを解説します。

●目次

1.法改正で変わる残業代の割増率【残業種類別一覧表付き】

2.労務担当の負担を軽減する残業代計算ツール2種

 (1)Excel

 (2)勤怠管理システム

3.残業代計算ツールを選ぶときの注意点2つ

 (1)会社の規模に合っているか

 (2)給与体系・勤務実態に合っているか

4.従業員向けの残業代計算ツール3選

 (1)keisan

 (2)簡単入力!!「タイムシート」(iPhoneアプリ)

 (3)残業証明アプリ(iPhone, Androidアプリ)

5.まとめ

1.法改正で変わる残業代の割増率【残業種類別一覧表付き】

2023年4月からはこれまで適用が見送られてきた中小企業においても、月60時間以上の時間外労働の割増賃金率が50%以上に引き上げられます。時間外労働時間によって割増賃金率が異なることから、残業代計算時に従業員ごとに割増率をチェックする必要があり、計算がより煩雑になることが予想されます。

下記は、残業の種類別に割増賃金率が変動する条件と割増率をまとめた表です。まずは、残業代の支払い条件と紐づく割増率について押さえておきましょう。

▼【残業種類別】割増賃金率一覧表
種類 支払う条件 割増率

時間外
(時間外手当・残業手当)

法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えたとき 25%以上
時間外労働が限度時間(1カ月45時間、1年360時間等)を超えたとき 25%以上(※1)

時間外労働が1カ月60時間を超えたとき(※2)

50%以上(※2)

休日(休日手当)

法定休日(週1日)に勤務させたとき

35%以上
深夜(深夜手当)

22時から翌5時までの間に勤務させたとき

25%以上

(※1)25%を超える率になるよう努めることが必要です。
(※2)中小企業については、2023年4月1日から適用となります。

出典(PDF資料):東京労働局|しっかりマスター労働基準法 ―割増賃金編―

【関連記事】
【計算例付き】深夜残業の割増率と残業代の計算方法についてわかりやすく解説
【2023年からの変更点も解説】残業代計算の基本ルールから具体的な計算方法まで

2.労務担当の負担を軽減する残業代計算ツール2種

業務効率化計算ミス回避の観点から、残業代の計算にはツールを活用するのがおすすめです。ただし、従業員の規模や残業の実態に応じた、ツールを選ぶ必要があります。

ここでは、多くの企業で多く導入されているExcelと勤怠管理システムの2つのツールについて、メリット・デメリットとともに紹介します。

(1)Excel

Excelの関数やマクロを活用すれば、従業員ごとの出退勤時間に応じた残業代の計算が可能です。残業代計算用のテンプレートが多く配布されており、自社の規則に合わせてカスタマイズできるのが特長です。導入・運用において、外部への支払いがなく、社内の稼働コストのみに抑えられるのもエクセルのメリットです。

注意点は、自社に合った計算ツールとして活用するには、カスタマイズが不可欠であることです。例えば、フレックスタイム・固定残業を適用している、所定労働時間が7時間である、といった場合は、従業員によって残業代の計算方法が異なり、Excel上で従業員ごとに関数を設定する必要があります。また、法改正や自社の残業ルールが変更になる度に、Excelデータの書き換えが必要となり、労務担当の負担になります。

(2)勤怠管理システム

勤怠管理システムは、出勤・退勤データに基づいて残業代を自動計算できるため、労務担当の負担を軽減できます。さらに、従業員全体の労働時間管理や残業時間が上限に達する前のアラート通知機能が備わっているシステムが多く、労務管理全般の業務効率化に役立ちます。

例えば、給与計算ソフトなど外部サービスと連携すれば、機能拡張や自社独自のカスタマイズも可能です。法改正があった場合にも自動アップデートが行われることがほとんどなので、自社での修正作業は基本的に必要ありません。

一方で、Excelに比べると導入やランニングにコストがかかります。例えば、従業員が数人で、一律の関数で残業代計算ができる場合は、システム導入による費用対効果が思ったよりも少ない、といったケースもあります。

3.残業代計算ツールを選ぶときの注意点2つ

残業代の計算ツールを選ぶときは、会社の規模と給与体系・勤務実態に合ったものでなければ期待する費用対効果が得られません。

ここでは、残業代計算ツールを選定する際に注意すべきポイントを見ていきましょう。

(1)会社の規模に合っているか

会社の規模に合ったシステムを選べていないと、抑えられるコストに対して担当者の負担が大きい、または、軽減できる負担に対してコストがかかり過ぎている、といった結果を招いてしまいます。

例えば、Excelツールなら一見コストがかからないと考えられそうですが、自社の就業規則に合わせた初期のカスタマイズや、毎月の出力・集計作業などが求められます。勤怠管理システムに比べると運用中の従業員の稼働が大きくなる一面があります。

一方で、勤怠管理システムもアカウントごとに料金がかかる従量課金制や、機能追加によるオプション料金など、規模やプランによって料金が変動する性質があります。今後の採用人数も視野に入れるなど長期的な目線で試算し、費用対効果の高いツールを選択しましょう。

(2)給与体系・勤務実態に合っているか

自社の給与体系・勤務実態がシンプルなのか、複雑なのか、によって適するツールが異なります。

例えばExcelは、画一的な計算には向いていますが、従業員ごとに複雑な関数の設定が必要なケースではむしろ労務担当の負担が増えてしまいます。シンプルな計算で済み、かつ残業代の計算以外の機能を求めない場合は、Excelでの管理でも十分と言えます。

一方で、給与体系・雇用形態が複数存在し、変形労働制やフレックスタイム制、シフト制などを導入している、または休日出勤の頻度が多い、といった残業代を計算する上での条件が多い場合は、手作業では労務担当の負担が大きく、勤怠管理システムの活用が有効です。システムを活用する際にはどこに課題を感じていて、何を強化したいかを洗い出してみることが重要です。

4.従業員向けの残業代計算ツール3選

これまでは労務担当向けに残業代計算ツールや選び方を紹介してきましたが、ここでは従業員自身で残業代を計算するときに役立つツールを紹介します。

また、日常的に残業が発生しにくい職場での暫定的なチェックや、小規模な職場の給与計算においても役立つものを選んでいます。

(1)keisan

サイト上での一時的な計算を目的にしたものです。法定時間外労働・法定休日・深夜労働・月60時間超の有無を入力できます。

(2)簡単入力!!「タイムシート」(iPhoneアプリ)

アプリタイプの計算ツールです。出勤・退勤時にスマートフォンでボタンをタップするだけという簡単な操作が特長です。PDF生成機能も有しています。ただし一部の機能は、使用にあたり有料のプレミアムプランへの加入が必要です。

(3)残業証明アプリ(iPhone, Androidアプリ)

アプリタイプの計算ツールです。GPSの位置情報が連動し、自動で残業時間を記録できるのが最大の特長です。労働問題に詳しい弁護士が監修しており、未払い残業代の請求に有効な法的証拠能力を有します。

5.まとめ

残業代の計算ツールの導入にあたっては、まずは現状を把握することが大切です。給与計算にかけている工数やヒューマンエラーのリスク、後工程との連携状況、イレギュラー対応の有無などの課題感を洗い出してみましょう。完璧を求めれば求めるほど、当然コストがかかるので、各課題には優先順位をつけて対応していきましょう。

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