費用だけ見て選ぶのはNG!勤怠管理システム導入時に注意すべき2つのポイントまず前提として、勤怠管理システムを実際に導入するにあたって注意しておくべきポイントを解説します。注意すべきポイントを知らないと、費用をかけて導入してもコストパフォーマンスが悪く、結局違うシステムにリプレイス(システムの見直し)をすることになりかねません。弊社が2023年7月に行なった「勤怠管理システムの見直しについての意識調査」によると、約半数の企業が「データの集計や分析のしにくさ」や「操作性」を理由に勤怠管理システムの見直しを検討しているという結果が出ています。※引用:システムリプレイスに対する意識調査(2023年版)|チームスピリットリプレイスすることになると、新たなシステムを導入するための初期費用が発生します。導入時にはシステムの初期設定を行ない、従業員が新しいシステムを使いこなせるようになるまでの対応も必要です。一度導入した勤怠システムにリプレイスが必要になれば、コストや時間が大幅にかかります。そうならないためにも費用面だけでなく、機能性や操作性も考慮したうえで自社に合った勤怠管理システムを選ぶことが重要です。勤怠管理システム導入時に注意しておくべきポイントは以下の2つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。従業員が使いやすい打刻方法か自社の就業規則/雇用形態に応じて使えるか1.従業員が使いやすい打刻方法か勤怠管理システムは正確な出退勤時刻の把握が必要なため、「従業員にとって使いやすい打刻方法であるか」が重要です。どれほど良いシステムでも、従業員が使いにくい打刻方法であればミスや打刻漏れが多くなったり、修正が必要になったりして業務効率が下がる可能性があります。導入する前に導入企業例を調べ、自社と同じ業態・企業規模で多く活用されているかどうかを確認すると良いでしょう。同じような条件のもとで使用されていれば、おおよその使用イメージがつくはずです。勤怠管理システムで使える打刻には、以下のとおりさまざまな方法があります。<よくある打刻方法一覧>打刻方法解説PCブラウザ打刻PCブラウザからシステムにログインして打刻する方法スマートフォン打刻システムの専用アプリから打刻する方法ICカード打刻SuicaやPASMOなどのICカードを読み取り機器にかざすことで、タイムカードのように打刻できる方法生体認証打刻専用機器で顔認証や指紋認証、静脈認証する打刻方法QRコード打刻事業所に設置したQRコードをスマートフォンなどで読み取る打刻方法LINE・Slackなどとの連携打刻連携した各ツールから打刻する方法PCオンオフ連動打刻PCの電源をオンにした時刻を「始業時刻」、オフにした時刻を「終業時刻」として自動的に打刻する方法業務にPCを利用する企業なら「PCオンオフ連動打刻」を利用すると、PCを立ち上げた/閉じたタイミングで自動的に打刻が行われます。今までタイムカードを使用していた企業では、タイムカードの代わりに「ICカード打刻」を利用すれば従業員に違和感なく受け入れてもらえるかもしれません。業務でSlack(スラック)を使用している企業には、Slackでの打刻を使えば従業員が使いやすく、浸透しやすいでしょう。▼Slackを利用したWeb打刻のイメージ1.特定のメッセージを入力する2.送信すると打刻が完了するこのように、導入しようとしているサービスの打刻方法が従業員のワークスタイルに応じたものになっているかどうかも重要なチェックポイントです。2.自社の就業規則/雇用形態に応じて使えるか自社の就業規則や雇用形態に適しているかの基準も大切です。例えば、「就業規則で休憩は3回に分けて取得するとされているが、休憩の3回打刻に対応しているか」や、「フレックスタイム制の清算期間を3カ月にしているが、これに対応しているか」などの条件が挙げられます。費用だけでシステムを選ぶと、「自社独自のルールや働き方に対応できず、結局課題を解決できなかった」という事態に陥る可能性もあるため注意が必要です。▼例自社の就業規則に対応した、残業時間上限のアラート設定ができなかった部署ごとにコアタイムを変える設定ができなかったフレックスタイム制の清算期間を3カ月以内に設定したかったのに、1カ月以内の設定しかできなかった時短勤務の設定自体はあるが、自社の就業規則に合わせた設定ができなかったテレワーク中の外出や休憩が細かく登録できなかったこのように、例えば「テレワークに対応」とされているシステムであったとしても、「テレワーク中の細かい中抜け」には対応できず、結局手作業で勤怠管理を行わなければいけなかった、というケースも多いのです。つまり、搭載されている機能は同じように見えても「どこまで柔軟にカスタマイズできるか」が製品によって異なるため、事前によく確認しておく必要があります。より具体的なシステムの選び方は、以下の記事でも解説しているため参考にしてみてください。勤怠管理システムの選び方|種類や機能も徹底解説勤怠管理システムの費用はクラウド(SaaS)とオンプレミスで大きく異なる勤怠管理システムには大きく分けて「クラウド(SaaS)型」と「オンプレミス型」の2つがあり、費用相場が大きく異なります。クラウド(SaaS)オンプレミス特徴システムを自社で構築・保有する必要がなく、システム保守も基本的には不要自社でシステムを保有(もしくは外部に委託)し、ネットワークも社内のものを利用する初期費用0円~20万円程度数百万円〜(開発費用)月額費用(ランニングコスト)1名あたり100円~800円程度状況により異なるクラウド(SaaS)型とは、既存のオンラインサービスを利用するような形態で、システム提供会社が用意するネットワークを利用します。一方、オンプレミス型とは、オーダーメイドで自社にシステムを1から構築し、自社サーバーで運用する形態です。自社に合った柔軟なシステムを構築できますが、開発するのにかなりの費用がかかるデメリットがあります。クラウド(SaaS)型は既にシステムができあがっているため、オンプレミス型よりも費用が安価となります。ここからは、クラウド(SaaS)型とオンプレミス型の費用について、もう少し詳しく解説していきます。クラウド(SaaS)型の勤怠管理システムの費用相場費用の特徴・既にできているサービスを利用するため、「サービス利用料」という形で費用を支払う・システムによっては、導入時に自社に合う仕様にカスタマイズできる(開発できる)初期費用0円~20万円程度ランニングコスト1名あたり100円~800円/月クラウド(SaaS)型は、ベンダーが開発済みのシステムを、ベンダーのネットワークを使って利用するタイプのシステムです。サブスクリプション型になっており、毎月の利用料金が発生します。基本的には既に開発されたシステムを導入するため、初期費用が安いという特徴があります(企業ごとにある程度カスタマイズができる製品もあります)。また、システムの保守をベンダー側で行ってもらえるため、自社で保守のためのリソース(人員・人件費など)を確保する必要がありません。法改正が行われた時も運営会社が自動でアップデートを行うため、自社で対応しなくてもよいというメリットもあります。このように導入コストや導入後の管理コストを抑えることができることから、現在はクラウド型の勤怠管理システムを利用することが主流となっています。オンプレミス型の勤怠管理システムの費用相場費用の特徴・完全オーダーメイドで自社用に開発するため、相応の開発費がかかる・運用・保守を行うためのコストがかかる初期費用数百万円〜(開発費用)ランニングコスト状況により異なる(システムの保守を行う人件費や、外部へ委託する費用)オンプレミスの勤怠管理システムは、それぞれの企業に合わせて1からシステムの開発を行う、いわゆるオーダーメイドのタイプです。その分初期費用は高くなってしまいますが、セキュリティや機能の面で、自社の要件を満たしたシステムを構築できます。オンプレミスのシステムを開発するためには、費用が約数百万円以上、場合によっては1千万円以上かかることもあります。これに加えてランニングコストとして、保守・運用費用がかかってきます。保守は自社で従業員に任せるか、自社内にシステム開発に優れた人員がいない場合には外部スタッフに常駐してもらうケースも多く、その分のコストが発生します。また、労働関係の法令は年々改正されていきますが、この改正に対して自社で対応しなければなりません。仮に法改正を把握できていなかった場合は法令違反となってしまうため、重々注意が必要です。勤怠管理システムの費用対効果勤怠管理システムの導入には一定の費用がかかりますが、自社の課題に合った製品を選べば導入メリットがコストを上回るケースが多く、結果的にコストの削減につながる可能性が高いです。実際にクラウド(SaaS)型の勤怠管理システムを導入し、費用対効果を実感したという企業の例を見てみましょう。株式会社ディスコでは、勤怠管理の申請や承認が紙ベースで行われていたため、ミスの多さが課題でした。記入内容は月末にまとめてチェックしていたため時間と労力がかかり、従業員の時間を圧迫していました。そこで勤怠管理システムを導入したところ、日々の勤怠管理にかかる申請やチェックの工数を大幅に削減させることが可能になったのです。外出先からスマートフォンを使って入力できるようになったことで勤怠業務の効率がアップし、時間を有効に使えるようになりました。またユーザー数に応じてサービスを利用する分だけ料金を支払えばよい点についても満足しており、高い費用対効果を実感しています。事例の詳細については、以下のページをご覧ください。採用アウトソーシングの最大手が語る、新たな"変化"への挑戦を支える TeamSpiritの機能性と安定性費用を抑えて導入するならクラウド(SaaS)型の勤怠管理システムがおすすめここまで解説した通り、勤怠管理システムと一口にいっても、クラウド(SaaS)型とオンプレミス型ではかなり費用が異なります。最近では、初期費用を抑えることができ、システムの保有や保守が不要なクラウド(SaaS)型にメリットを感じ、クラウド型を選択する企業が増えています。セキュリティ要件が特別厳しい既存の製品には搭載されていない機能が必要従業員規模が大きすぎてクラウド(SaaS)では対応できないと言われたなどの事情がない場合は、まずクラウド型のシステムを検討してみることがおすすめです。一度ベンダーに相談して、自社の課題を解決できるかどうかを確認してみてください。各社の勤怠管理システムの費用を比較オンプレミスよりもクラウド型の方が導入メリットが大きいと理解できたところで、実際にクラウド型の勤怠管理システムにはどのようなサービスがあるのかを説明していきます。初期費用月額料金TeamSpirit 勤怠(TeamSpiritシリーズ)150,000円400円~/人ジョブカン勤怠管理0円200円〜/人KING OF TIME0円300円~/人マネーフォワード クラウド勤怠0円300円~/人基本料金2,980円~ジンジャー勤怠要見積もり300円〜/人キンタイミライ要見積もり要見積もりCC-BizMate250,000円〜10,000円(50人)~TimePro-VG要見積もり要見積もりfreee人事労務0円月額800円〜/人ハーモス勤怠0円100円〜/人(30人までは無料)CLOUZA0円200円〜/人※最新の情報は各提供会社へお問い合わせください。本記事では、比較的費用が安い勤怠管理システムを5つ紹介します。TeamSpirit 勤怠(TeamSpiritシリーズ)|細かい打刻が可能、かつ高いセキュリティ性で安心安全に使用できる「TeamSpirit 勤怠」は、チームスピリットが提供する勤怠管理システムです。必要に応じて「TeamSpirit 工数」「TeamSpirit 経費」を組み合わせて、企業のバックオフィスを効率化できます。「TeamSpirit 勤怠」は企業独自のルールや項目にも対応可能な優れた集計機能を備えているため、手作業による集計が発生してしまっていた担当者の業務負荷を大幅に軽減します。また、「TeamSpirit 工数」と組み合わせることにより、一度のログインで勤怠打刻と工数情報の入力を簡単に負荷なく実現でき、実労働時間と連動した正確な工数情報を日々取得することが可能になります。そのためプロジェクトの原価計算をしたり、データをもとに業務フローを見直したりすることも容易に行えます。上記のような勤怠管理以外の機能に加え、誰にでも操作できるような簡単な画面設計になっていることもポイントといえます。簡単に、かつ充実した機能を使いたい企業におすすめです。実際にTeamSpiritを利用している、企業担当者からの口コミTeamSpiritを検討している方向けに、実際に同サービスを利用したことのあるユーザーの口コミをご紹介していきます。自社で導入すべきか否かを検討している方はぜひ参考にしてください。企業担当者に聞いた!TeamSpiritの2つの特長直感的な操作で利用できるため、使いやすさ、勤怠状況の見やすさ、管理のしやすさにおいて優れているフレックスタイム制や時差出勤など複数の勤務体系がある場合にも対応でき、柔軟性が高い上記のように、総合的に高評価を得ています。特に、「TeamSpirit 工数」と組み合わせて工数管理ができる点は、プロジェクト型ビジネスを営むIT開発・コンサルト業・広告/制作業のような企業にとってはおすすめのポイントといえるでしょう。直感的で使いやすい点も評価されているため、まずはサービス資料を見てから導入の判断をしてみるのもいいかもしれません。導入をおすすめする企業会社独自の就業ルールや、多様な働き方に合わせた勤怠管理を実現したい企業、IT開発・コンサルト業・広告/制作業のようなプロジェクト型ビジネスを営む企業参考価格初期費用:150,000円月額料金:TeamSpirit 勤怠:400円/1人TeamSpirit 工数:300円/1人TeamSpirit 経費:300円/1人(いずれも50IDから利用可能)※ニーズに合わせたパッケージ価格もあります。無料版の有無無特徴企業独自の就業ルールや集計項目等に合わせた運用が可能、勤怠管理と工数管理とをシームレスに行うことができる推奨される企業規模中小~大手導入企業例・カゴメ株式会社・株式会社LIFULL・株式会社USEN-NEXT HOLDINGSなどジョブカン勤怠管理|自社に必要な機能に絞って活用できる株式会社DONUTSが提供しているジョブカン勤怠管理は、「出勤管理」「シフト管理」「休暇・申請管理」「工数管理」の4つの機能から自社に合ったプランを選べるため、無駄な機能分の料金を支払わずに済みます。導入実績は20万社以上と豊富で、中小〜大手企業まで企業規模や業種を問わずさまざまな企業で活用されているのもおすすめのポイントです。導入をおすすめする企業自社に必要な機能だけに絞って、リーズナブルにプランを構築したい企業参考価格初期費用:0円月額費用:200円~(1名ごと)※プランごとに異なる無料版の有無有特徴自社に合ったプランを組み合わせられる推奨される企業規模中小~大手導入企業例・Chatwork株式会社・dely株式会社(Kurashiru運営)・三井住友トラストクラブ株式会社・株式会社SBI証券 など※最新の情報は提供会社へお問い合わせください。KING OF TIME|多種多様な打刻種類で柔軟な活用が可能引用:KING OF TIME「KING OF TIME」は初期費用0円、かつ月額費用は固定された利用人数ではなくその月に打刻した人数をもとに算出する、というリーズナブルな料金設計が特長のクラウド型の勤怠管理システムです。中小~大手まで幅広い業種に対応しており、どのような企業にも適しています。同サービスは、営業先から直帰したいときには電車で使うICカードで打刻、またテレワークをするときにはWindowsにログオンした時点で打刻、など多種多様な打刻方法に対応しています。さまざまなシチュエーションで幅広い勤務体系に対応したいという企業におすすめです。導入をおすすめする企業多種多様な打刻方法の活用で臨機応変な働き方を実現したい企業参考価格初期費用:0円月額費用:打刻人数×300円無料版の有無無特徴多種多様な打刻方法でさまざまなニーズに対応できる推奨される企業規模中小~大手導入企業例・大京アステージ・株式会社Gunosy・株式会社メルカリ・日本パーキング株式会社 など※最新の情報は提供会社へお問い合わせください。マネーフォワード クラウド勤怠|操作が分かりやすく使いやすい引用:マネーフォワード クラウド勤怠株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド勤怠」は、個人事業主から51名以上の法人までが使えるクラウド型の勤怠管理システムです。個人~中堅規模の企業に適しているサービスといえるでしょう。社員がよく利用するであろう出退勤や休暇の申請が分かりやすいだけではなく、従業員の異動履歴まで閲覧することができます。1カ月無料でトライアルを実施しているため、どのようなサービスを選んで良いかまだ分からないという担当者の方はお試しで導入してみるのも良いでしょう。導入をおすすめする企業まずは1カ月無料でお試しをしながら検討したい中小~中堅企業参考価格基本料金:5,980円/月(50名以下の法人/中小企業向けの場合)月額費用:300円(1名ごと)無料版の有無無特徴出退勤・休暇申請の操作が分かりやすい推奨される企業規模個人~中堅導入企業例・生活協同組合コープさっぽろ・JPロジスティクスグループ株式会社・日本ホスピスホールディングス株式会社 など※最新の情報は提供会社へお問い合わせください。jinjer|充実したサポート体制で初心者でも安心して使える引用:jinjerjinjerは「バックオフィスをDXで、ラクにシンプルに」をコンセプトに掲げるクラウド型の勤怠管理システムです。同サービスの最大の強みは「サポート体制の充実」です。導入初期は組織規模や体制に合わせて選べるサポートプランが用意されているため、jinjerを使えるようになるまで、運営チームが徹底してサポートしてくれます。また、初心者でも使いやすい画面設計になっているため、中小〜大手まで企業規模を問わず、どのような企業にも適しているといえるでしょう。導入をおすすめする企業充実したサポート体制のもと、柔軟性の高いシステムで幅広い活用をしたい企業参考価格初期費用:要見積もり月額費用:300円(1名ごと)無料版の有無無特徴サポートサービスが充実しており使いやすい推奨される企業規模中小~大手導入企業例・山田食品産業株式会社・株式会社モスフードサービス・株式会社リンレイサービス など※最新の情報は提供会社へお問い合わせください。その他の勤怠管理システムについても詳細を確認したい方は、以下の記事を参考にしてみてください。【2025年】勤怠管理システム比較15選|料金や機能で選べる比較表つきまとめ|費用相場を把握して、自社に合った勤怠管理システムを選ぼう本記事では、勤怠管理システムの種類からおすすめのサービスとその特徴・費用、導入する上で注意すべきポイントについて解説をしてきました。勤怠管理システムの費用は似通っているものの、それぞれが持つ特徴や強みはサービスごとに違っているため、自社に合った選び方をすることが重要になってきます。本記事で紹介したような比較表や注意点を確認しながら、勤怠管理システム選びの参考としてください。