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派遣社員の勤怠管理方法|派遣先と派遣元の義務や責任の違いとは?

著者:チームスピリット編集部

派遣事業により働く派遣労働者は、総務省が行った労働力調査によると2022年度で149万人おり、およそ12.7%の企業が派遣社員を受け入れているとされています(※)。

初めて派遣社員を受け入れる企業では「派遣社員の勤怠管理では何をすればよいのだろうか」「一般社員の勤怠管理と同じで大丈夫なのだろうか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

派遣社員にも一般社員と同様に労働各法が適用され、主に派遣元企業がその責任を負います。しかし一部の規定については派遣先企業も責任を負うこととなっています。

派遣社員の勤怠管理を適切に行うには、それぞれが「何を行うべきか」「何が義務とされているのか」を正しく理解することが重要です。

派遣社員の給与形態.jpg

そこで本記事では派遣先/派遣元に分けて、派遣社員の勤怠管理に関する義務や守るべき法律について解説していきます。

「派遣社員と正社員の勤怠管理の違い」にも注目しながら説明するので、ぜひ参考にしてください。

※参考(PDF):労働力調査(2022年度平均)|総務省
※参考(PDF):派遣労働者実態調査結果の概要(平成29年度)|厚生労働省

勤怠管理の基本を改めてチェックしてみませんか?

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  • 勤怠管理の目的など基本的なことを知りたい
  • 勤怠管理を適切に実行する上で、自社の課題も把握しておきたい

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人事労務担当者なら知っておきたい、適切な勤怠管理の必要性や労働時間の基本ルールについて解説していますので、これから適切な勤怠管理を導入・運用しようと考えている方は、ぜひ本資料をお役立てください。

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派遣社員の勤怠管理は派遣元と派遣先どちらの責任になるか

派遣社員の勤怠管理に関する責任を負うのは「派遣元・派遣先どちらも」です。ただし派遣元と派遣先では、以下のとおり勤怠に関して責任を負う項目が異なります。

派遣元企業が管理すべき項目

派遣先企業が管理すべき項目

賃金の支払い

年次有給休暇の付与

災害補償

産前産後休業

育児介護休業

労働時間※

時間外労働・休日出勤

休暇の取得申請

※ただし派遣就業時以外の労働時間は派遣元企業が管理

「日々の労働時間や休暇状況の管理」という狭い意味での勤怠管理においては、管理責任は派遣先企業にあると言えます。そのため原則として、労働時間の管理方法は派遣社員も派遣先の勤怠管理ルールに準ずることになります。

つまり、派遣先社員を受け入れる企業が普段タイムカードにて打刻を行っているのであれば、派遣社員にも同様にタイムカードを利用することとなります。勤怠管理システムを利用しているのであれば同じシステムを使ってもらうことになるでしょう。

また派遣社員であっても、勤怠管理に必要な項目自体は正社員と同じです。ただしその義務を負う項目が派遣先と派遣元で分かれているため、派遣先企業と派遣元企業は適時情報交換をしながら勤怠管理をしなくてはなりません。

勤怠管理の他にも、派遣先・派遣元企業が義務を負わなければいけない項目は以下のように分かれています。

義務を負う企業

雇用契約

派遣元企業

指揮命令

派遣先企業

最低賃金の適用

派遣先企業の所在地の内容を適用

就業場所

派遣契約に基づく

労災保険・各種社会保険

派遣元企業の内容を適用

先程「勤怠管理の方法は派遣社員も正社員と同様」であると説明しましたが、一部「正社員の勤怠管理では発生しないが、派遣社員の勤怠管理で発生する内容」もあります。まとめると以下のようになります。

  • 派遣元企業が36協定で定めた時間外労働の上限時間を把握しておく必要がある
  • 派遣社員の労働時間について、月に1回以上派遣元企業に通知する義務がある
  • 派遣先管理台帳を作成する必要がある
  • 派遣社員の公正な待遇確保に協力する義務がある

派遣社員の勤怠管理を正しく実施する方法

派遣社員の勤怠管理は、大きく以下の流れで行います。派遣先が行うべきことと派遣元が行うべきことが分かれているので、どちらの企業が何をすべきか注目しながら確認してみましょう。

実施者

勤怠管理の手順

実施タイミング

派遣元派遣先企業双方

1.有給休暇、時間外労働、勤務場所、テレワークなどの扱いを取り決める

契約時、または契約変更時

派遣先企業

2.派遣先企業の勤怠管理方法に従って、日々打刻を行う

派遣先での就業開始/終了時

派遣先企業

3.派遣社員の勤怠状況を確認・集計する

任意のタイミング

派遣先企業

4.「派遣先管理台帳」に記載した勤怠情報を派遣元に共有する

1ヶ月に1回以上

派遣元企業

5.共有された勤怠情報をもとに、給与計算を行い、派遣社員に賃金を支払う

毎月の給与支払い日(雇用契約の内容による)

前述のとおり、派遣社員の日々の勤怠管理は原則として「派遣先企業の勤怠管理方法」に準じます。例えば派遣先でシステムを使って勤怠管理を行っている場合、派遣社員も同じシステムを使用して正社員と同様に勤怠管理を行うのが一般的です。

一方で36協定等の就業ルールに関しては、派遣元と交わした契約に従う必要があります。派遣元の36協定を破った場合、派遣先企業が法律違反となるので、派遣先企業は派遣社員の勤怠情報をしっかりと把握しておくことが重要です。

なお36協定について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

36協定とは?残業に関するルールや法律・企業の義務を簡単に解説

それでは次からは、派遣先企業と派遣元企業それぞれの勤怠管理に必要な項目についてより詳しく解説していきます。

【派遣先向け】派遣社員の勤怠管理に必要な項目一覧

本章では、派遣先企業(派遣社員を受け入れる側)の義務について説明します。

項目

内容

労働時間の管理

労働時間の管理は派遣先企業の義務になるため、始業時刻・終業時刻・休憩時間を把握し、労働時間が適正なものになるようにしなければなりません

派遣元企業の36協定内容の把握

派遣先企業では、派遣元企業の36協定で定めた範囲内でのみ、派遣社員に時間外労働と休日労働を行わせることができます

有給休暇の把握

派遣元企業と連携し、休暇取得の希望日を把握しておく必要があります

派遣先管理台帳の作成

派遣社員ごとに就業場所・就業日・業務内容などを記載して作成し、3年間保存しなければなりません

安全と衛生の確保

派遣社員の就業場所について、正社員と同様に労働災害の発生が無いよう、安全と衛生を確保する必要があります

公正な待遇確保の協力

派遣元企業の求めに応じ、自社社員の情報を提供する必要があります

※派遣社員に関する義務は他にも多くありますが、本記事では勤怠管理に関する代表的なものを解説します。

それぞれの項目について詳細を解説します。

労働時間の管理

「派遣社員に対してどのような業務を割り振るか」などの指揮命令は派遣先企業が行います。そのため、業務にかかった労働時間の把握や管理についても、派遣先企業の義務となります。

自社社員と同じように、派遣社員の始業時刻・終業時刻・休憩時間を記録し、正確に把握したうえで派遣元に少なくとも月に1回通知する義務があります。

労働時間など勤怠の計算方法については、以下の記事をご覧ください。

勤怠計算を正確に行うには?労働時間や残業時間の集計方法も解説

派遣元企業の36協定内容の把握

36協定は時間外労働や休日労働を行わせるために必要な協定です。派遣社員の場合は、派遣元企業の36協定が適用されるため、派遣先企業では予め派遣元企業の36協定内容を把握しておく必要があります。

派遣元企業の36協定で定めた時間外労働の上限を超えて労働させた場合、法律違反となるのは派遣先企業であり、「6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科される可能性があります。

例えば以下のように各社で上限時間が定められている場合、派遣社員が派遣先企業で45時間の時間外労働を行った際には、派遣先企業が法律違反に該当します。

派遣元企業

派遣先企業

36協定で定めた時間外労働の上限時間

40時間/1カ月

45時間/1カ月

有給休暇の把握

有給休暇の付与や管理、給与の支払いなどは、派遣元企業が行います。

しかし、派遣社員が有給休暇を取得する場合には、まず派遣先企業に報告してから派遣元企業に休暇取得の申請をする流れが一般的です。

そのため、「派遣社員に有給休暇が何日付与されているか」「取得希望日は予定されているのか」といった点は、派遣元企業と定期的に連絡を取り把握しておくと良いでしょう。

派遣先管理台帳の作成

派遣先管理台帳とは、派遣労働者ごとに以下のような項目を記載した台帳のことです。

  1. 派遣元事業主の氏名又は名称
  2. 派遣就業をした日
  3. 就業日の始業時刻・終業時刻・休憩時間
  4. 従事した業務の種類
  5. 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
  6. 厚生労働省令で定める教育訓練を行った日時及び内容
  7. 当該派遣労働者が派遣元の協定対象派遣労働者であるか否かの別
  8. 当該派遣労働者が無期雇用か有期雇用かの別
  9. 雇用の機会確保が困難と厚生労働省令で定める者であるか否かの別
  10. 紹介予定派遣に係る派遣労働者については紹介予定派遣に関する事項
  11. その他厚生労働省令で定める事項

労働者派遣法第42条により、派遣先企業が作成しなければいけません。また、派遣先管理台帳は派遣元事業主への通知と、3年間の保存が義務付けられています。

7〜10の項目は、派遣元企業から情報を得て作成しましょう。

安全と衛生の確保

派遣労働者の労災保険は、派遣元企業での適用となります。

しかし実際に派遣労働者が労働するのは、派遣先の指揮命令によって指定された就業場所です。もし労災が発生したときに、派遣の実態からみて派遣元に責任を問うことが困難な場合は、派遣先企業がその責任を負うケースがあります。

そのため正社員と同様に、労災の発生を防ぐよう就業場所の安全と衛生を確保しなければなりません。

また食堂や休憩所といった設備についても、正社員と同様に利用できるよう環境を整える必要があります。

なお、各種ハラスメントの防止に取り組んだり、派遣元企業で一般健康診断を受けられるよう調整したりすることも、派遣先企業が行うべき安全確保の一環となります。

※参考(PDF):派遣労働者の労働条件・安全衛生の確保のために|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署

公正な待遇確保の協力

派遣社員の賃金(給与)支払に関しては、派遣先企業が義務を負うわけではありません。

ただし、派遣先企業にも「派遣社員の賃金などの待遇が、同じ業務を行う他の労働者と比べて低くならないように調整する」など、派遣社員の公正な待遇確保に協力する義務があります。

  • 自社社員の待遇(給与水準、休暇休日日数、賞与の支給率など)について派遣元企業から情報開示の依頼を受けた際に、それに従って提供する
  • 派遣元企業からの派遣料金交渉に応じるよう努力する など

特に、派遣料金交渉は年に一度行われることが一般的ですが、「去年交渉に応じたから今年は対応しない」のように一切交渉に応じないという態度を取ると、配慮義務違反とみなされ行政による指導が行われる可能性があります。

※参考:派遣という働き方|一般社団法人日本人材派遣協会

【派遣元向け】派遣社員の勤怠管理に必要な項目一覧

次は派遣元企業(派遣社員と雇用契約を結び、派遣先企業へ送り出す側)が行わなければいけない勤怠管理に関する項目をまとめました。

項目

内容

給与の計算と支払い

派遣社員と雇用契約を結んでいるのは派遣元企業なので、労働の対価として給与を支払う義務があります

有給休暇の管理

有給休暇の付与や取得日数の管理を行います

36協定の締結と届出

派遣社員が派遣先企業で時間外労働や休日労働を行うには、派遣元企業で36協定を締結・届出している必要があります

複数の派遣先で就業する派遣社員の労働時間管理

複数の派遣先で就業する派遣社員について、各派遣先企業での労働時間を把握し管理するのは派遣元企業の義務です

派遣契約期間中の補償

派遣先企業と結んだ派遣契約が期間途中で解除されても、派遣元企業は期間満了までの間、賃金もしくは休業手当を支払う必要があります

※派遣社員に関する義務は他にも多くありますが、本記事では勤怠管理に関する代表的なものを解説します。

それぞれ解説していきます。

給与の計算と支払い

派遣元企業は、派遣先企業からの労働時間などの通知を受けて、給与計算を行い支払う義務があります。

ただし、派遣先の最低賃金が適用される点には注意が必要です。

▼最低賃金適用の例

※2023年6月時点

また、派遣社員の給与を含む待遇について、同業種の労働者や派遣先企業の社員と均衡がとれたものにするべく、労働者派遣法第30条の3、同法第30条の4により、以下2つの待遇決定方式のうちいずれかを派遣元企業が選択することが義務づけられています。

  • 派遣先均等・均衡方式...派遣先で比較対象となる労働者の情報(給与水準、休暇休日日数、賞与の支給率など)を提供してもらい、待遇を決定する
  • 労使協定方式...派遣社員の労働組合もしくは労働者代表と労使協定を締結し、待遇を決定する

有給休暇の管理

派遣元企業は派遣社員に対し、法律で定められた日数分の年次有給休暇を与える義務があります。

※引用(PDF資料):【リーフレットシリーズ労基法39条】|厚生労働省

派遣社員の継続勤務年数は、派遣元企業との雇用契約日を起点に計算されます。長年勤めた派遣先から新たな派遣先へ就業することになったとしても、継続勤務年数がリセットされる訳ではないので注意してください。

有給休暇は原則、派遣社員が希望した日に取得できるものですが、派遣元企業が休暇社員に代わる社員を派遣先企業に送り出せないなど、派遣元事業の正常な運営を妨げる場合には、他の日に与えることができるとされています。

派遣社員の有給休暇管理では、実際の就業場所である派遣先企業と調整を行うことにより、派遣先企業・派遣元企業の事情によって有給休暇の取得が妨げられないよう努めることがポイントです。

36協定の締結と届出

派遣社員が派遣先にて時間外労働や休日労働を行う場合には、派遣元企業で36協定を締結し届け出ることが必要です。

派遣社員の時間外労働の上限などについては派遣元企業の36協定が適用されるので、その内容を派遣先企業に正確に伝えておきましょう。

もし派遣元の36協定で定めた時間を超えて時間外労働等を行うことがあれば、派遣先企業が労働基準法違反となってしまいます。

複数の派遣先で就業する派遣社員の労働時間管理

派遣社員の労働時間の把握や管理は派遣先企業の義務ですが、複数の派遣先で就業する派遣社員については、派遣元でも労働時間の管理を行う必要があります。

なお、派遣就業時以外の時間(集合場所から派遣先への移動時間や研修時間など)において、派遣社員が派遣元企業の指揮監督下にある場合は、派遣元企業がその労働時間を適正に把握・管理する必要があります。

派遣契約期間中の補償

派遣元企業は、派遣先企業と結んだ派遣契約が期間途中で解除された場合でも、雇用期間満了までの間は賃金を支払う必要があります。

また、もし派遣契約の中途解除によって派遣社員を休業させた場合には、派遣元企業は休業手当として賃金の6割以上を支払わなければなりません。

派遣契約が中途解除されたからといって、即座に派遣社員を解雇できるわけではありません。雇用期間中は派遣社員の次の派遣先を確保したり、休業させた場合は休業手当を支払ったりする必要がある点に留意しておきましょう。

派遣社員の勤怠管理における注意点

派遣社員は派遣元の就業ルールに従いながら派遣先で勤務することになるため、正社員よりも勤怠管理が複雑になりがちです。適切に管理できていないとトラブルに発展するおそれもあるため、次から解説する注意点に気をつけて勤怠管理を行いましょう。

派遣先企業が気をつけるべき注意点、派遣元企業が気をつけるべき注意点に分けて解説していきます。

派遣先企業向けの注意点

派遣先企業は、以下の2点に注意して派遣社員の勤怠管理を行う必要があります。

  1. 就業時間の丸めなど、労働時間の端数処理はしない
  2. タイムカードや出勤簿は最低5年間保管する

1.就業時間の丸めなど、労働時間の端数処理はしない

派遣社員であっても、正社員と同様に1分単位の勤怠管理が必要です。丸めなどの処理を行うと、労働基準法第24条に違反するおそれがあります。

時間外労働をした場合も同様で、原則として1分単位での記録が必要となります。1分単位の勤怠管理については、こちらの記事で詳細を解説しているので、あわせてご確認ください。

給与計算は1分単位で行わなければ違法か?計算方法や罰則を解説

2.タイムカードや出勤簿は最低5年間保管する

前述の「派遣先管理台帳の作成」で、派遣先管理台帳は3年間保管しなければならないとお伝えしましたが、タイムカードや出勤簿といった勤怠関連の証跡は、労働基準法109条により5年間の保管が義務付けられています。

派遣先企業は、派遣社員の契約が満了したあとも5年間の保管が必要ですので、契約が満了したからといって勤怠関連の書類を破棄しないようにしましょう。

タイムカードや出勤簿の正しい保管方法については、こちらの記事をあわせてご確認ください。

出勤簿の保存期間は5年 適切な形式と管理方法について解説

派遣元企業向けの注意点

派遣元企業は、以下の2点に注意して派遣社員の勤怠管理を行う必要があります。

  1. 派遣社員の自己申告で勤怠管理されている場合、虚偽申告や間違いのリスクがある
  2. 勤怠情報がリアルタイムで把握できない

1.派遣社員の自己申告で勤怠管理されている場合、虚偽申告や間違いのリスクがある

派遣先が社員の自己申告によって勤怠を管理している場合、派遣元には申告された勤怠情報が正確なのかを確認するすべがありません。この場合、派遣元企業でも派遣社員から出退勤の報告をさせて、派遣元から取得した勤怠情報と突き合わせるなどの確認作業が必要になる場合があります。

派遣元企業がどのような勤怠管理を行っているかを契約時に確認しておくことで、トラブルを回避できる可能性もあります。基本的には、システムを利用した勤怠管理を行っている派遣先だと安心です。

2.勤怠情報がリアルタイムで把握できない

日々の労働時間の管理は派遣先が行っているため、派遣元がリアルタイムで勤怠情報を確認するのは困難です。

派遣先の勤怠管理が適切に行われているか確認するためにも、派遣先企業とのコミュニケーションは密に取ることがおすすめです。

派遣社員の勤怠管理を効率的に行うには勤怠管理システムの利用がおすすめ

派遣先企業が、派遣社員の日々の勤怠管理を法律を遵守して効率的に行うには、勤怠管理システムの利用がおすすめです。

勤怠管理システムを使えば、労働時間の集計をシステムによって自動かつリアルタイムに行うことができるため、派遣社員の労働時間を容易に把握できます。自己申告とは異なり正確な勤怠管理ができるため、派遣元企業側のチェックの手間も限りなく少なくなります。

派遣社員の勤怠管理でシステムを使うメリットや、派遣社員の勤怠管理に便利な機能について具体的に見ていきましょう。

派遣社員の勤怠管理にシステムを使うメリット

派遣社員の勤怠管理にシステムを使うメリットは、以下のとおりです。

  • リアルタイムで勤怠データを管理できる
  • CSVなどの形式で勤怠データを容易に抽出できるため、派遣先から派遣元への情報連携が簡単になる
  • 派遣社員のみ労働上限時間を個別に設定するなど、複雑なルールや管理項目に対応できる
  • 自己申告やタイムカードでの管理と比較して、勤怠管理にかかる工数を削減できる

※システムによってはできないケースもあります。

派遣社員の勤怠管理では、時間外労働の上限時間については派遣元企業の36協定が適用されるため、派遣先企業では複数の限度時間を管理する必要があり、人力で行うには多大な労力と時間がかかります。社員ごとに労働条件を設定できる勤怠管理システムを使用すれば、システムが自動で上限時間を通知してくれるため、契約内容や法令を違反するおそれが少なくなります。

その他、勤怠管理システム全般のメリットや解決できる課題について知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

勤怠管理システムとは?メリットや解決できる課題・必要性を解説

派遣社員の勤怠管理に役立つ勤怠管理システムの機能

  • スマートフォン打刻や生体認証による打刻といった、多彩な打刻機能
  • 有休や残業などの各種申請機能
  • 残業時間等のアラート通知
  • シフト管理機能
  • 従業員の働き方ごとに最適化して勤怠情報を取得し、抽出する機能

勤怠管理システムでは、業務内容や職場に応じてさまざまな打刻方法を選択できます。例えば以下の画像は、スマートフォンから打刻できる機能の操作画面です。

▼スマートフォンからのアプリ打刻の操作画面

kintai-location.png

上記の打刻機能では、打刻をした場所がGPSで確認できるようになっています。近年派遣社員のテレワーク勤務も増えていますが、GPSで打刻場所がわかる機能があれば勤務実態がより正確に把握できるため安心です。

また、有休や残業の申請機能や各種アラート機能を活用することで、派遣元と交わした契約内容を遵守しながら勤怠管理が行えます。アラート機能は、時間外労働の限度時間を超える前に通知が来るよう設定できる製品もあるため、正しく運用すれば、知らない間に法律違反をしてしまうリスクも抑えられるでしょう。

ただし、勤怠管理システムによっては派遣社員の就業ルールに合わないものもあるので、事前に複数のシステムを比較し、不明点や確認事項をベンダー(システム提供会社)に必ず確認してから導入しましょう。

勤怠管理システムの選び方についての詳しい情報は、以下の記事を参考にしてください。

勤怠管理システムの選び方|種類や機能の違い・よくある失敗例も解説

まとめ|派遣元企業と派遣先企業の連絡体制を確立して勤怠管理を行う

派遣社員の勤怠管理は主に派遣先企業が行いますが、一部については派遣元企業が行うなど、責任と義務が分散されているため、最初は戸惑う点があるかもしれません。

しかし、派遣元企業と派遣先企業の間で当初の派遣契約内容をよく確認しておき、労働時間の通知など連絡体制をしっかりと確立させることで、法律違反やトラブルが発生するリスクを抑えることができます。

特に「派遣元企業の36協定を把握しておく」「有給休暇・休日の情報を共有する」などの点は、改めてよく確認しておくことをおすすめします。

また、時間外労働の限度時間や複数の派遣先で就業する派遣社員の労働時間の管理については、勤怠管理システムを利用することがおすすめです。

勤怠管理システムを導入すると、以下のようなことができるようになります。

  • 残業(時間外労働)時間の超過や有給休暇の未取得などに関して、アラートを出せる
  • 異なる働き方をする従業員それぞれに関して、労働時間を正しく算出し、集計できる
  • 複雑な勤怠管理にかかるコストや時間を削減できる

ぜひこの機会に検討してみてください。

勤怠管理の基本を改めてチェックしてみませんか?

  • 勤怠管理の基本的なルールの理解や実務の知識が乏しく、不安がある
  • 勤怠管理の目的など基本的なことを知りたい
  • 勤怠管理を適切に実行する上で、自社の課題も把握しておきたい

このような人事労務担当者に向けて、「ゼロから始める勤怠管理」の資料を無料で配布しています。

人事労務担当者なら知っておきたい、適切な勤怠管理の必要性や労働時間の基本ルールについて解説していますので、これから適切な勤怠管理を導入・運用しようと考えている方は、ぜひ本資料をお役立てください。

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