システム活用

2024.5.15

autorenew

更新日

2026.11.4

勤怠管理システムの選び方|種類や機能も徹底解説

勤怠管理システムの選定ポイントを徹底解説。システムの種類や機能、導入時の注意点、よくある失敗例を紹介し、企業のニーズに最適なシステム選びをサポートします。

勤怠管理システムには非常に多くの製品があり、どれも似たような機能が搭載されています。そのため「どのように選べばいいのか分からない」「何を比較すれば違いが分かるのか」と困っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、自社に最も適した勤怠管理システムを選ぶために、大きく分けて以下の流れで解説していきます。
1. システム選びを間違えると、どのような失敗につながるのか
2. 比較を始める前に整理しておくこと
3. 企業の規模や状況に合わせたシステムの選び方
4. 勤怠管理システムに搭載されている主な機能
5. 複数候補の中からどのようなポイントを比較検討すれば良いのか
6. 勤怠管理システムの費用相場

最後におすすめの勤怠管理システムも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

自社に最適な勤怠管理システムが見つかる

勤怠管理システム比較セミナー 〜エンタープライズ対応の3製品を一括比較〜

勤怠管理システム比較セミナーを開催。エンタープライズ対応の3製品を徹底比較します。

機能や法令対応、複雑な勤務体系への対応力に加え、資料だけではわかりにくい運用面の違いや選定ポイントをわかりやすく解説します。
システム選定の情報収集や比較検討を前に進めたい方におすすめです。

詳細を見る
arrow_forward

目次

ベンダー歴15年以上で勤怠管理システムに精通したチームスピリットが、ケース別に最適なシステム例(製品名)を資料にまとめました。勤怠管理システムの選定でよくある失敗例と対策も解説しているので、システム導入前にぜひお読みください。

必ず確認しておきたい、勤怠管理システム選びでよくある失敗例

具体的な勤怠管理システムの選び方を解説する前に、システム選びでよくある失敗例を紹介します。

勤怠管理システムはどの製品も似たような機能を備えているため、詳細をよく確認せずに決めると「自社独自のルールや働き方に対応できず、結局課題を解決できなかった」となってしまうことがあります。

▼例

  • 自社の就業規則に対応した、残業時間上限のアラート設定ができなかった

  • 部署ごとにコアタイムを変える設定ができなかった

  • フレックスタイム制の清算期間を3カ月以内に設定したかったのに、1カ月以内の設定しかできなかった

  • 時短勤務の設定自体はあるが、自社の就業規則に合わせた設定ができなかった

  • テレワーク中の外出や休憩が細かく登録できなかった

このように、例えば「テレワークに対応」とされているシステムであったとしても、「テレワーク中の細かい中抜け」には対応できず、結局手作業で勤怠管理を行わなければいけなかった、というケースも多いのです。

つまり、搭載されている機能は同じように見えても「どこまで柔軟にカスタマイズできるか」が製品によって異なるため、事前によく確認しておく必要があります。

もう一つ多いのが、「できます」という回答だけで判断してしまう失敗です。検討時にベンダーの担当者から「対応できます」と説明を受けても、どの機能・設定でどう実現するのかまで詰めきれていないと、導入後に想定と違う運用になり、結局手作業が残ってしまうことがあります。「どの画面で、どう設定し、どんな結果になるか」まで具体的に確認しておくことが大切です。

また、人事労務担当者200名を対象に行ったアンケートによると、勤怠管理システムの見直しを行うきっかけとして、「データの集計や分析がしにくい」という理由が非常に多いことが分かりました。

※参考:勤怠管理システム見直しについての意識調査

このような他社の失敗例も参考にして、慎重に選ぶことがおすすめです。

しかし、こういった細かい機能の違いやシステムの柔軟性は、Webサイトから得られる情報だけではなかなか判断しにくい部分でしょう。そのため次の章からは、このような失敗を避け、自社に最適な勤怠管理システムを選ぶための方法をお伝えしていきます。

比較を始める前に整理しておく4つのこと

製品を見比べる前に、次の4点を整理しておくと比較の軸がぶれにくくなります。

  1. 就業規則と勤務形態の棚卸し:雇用区分ごとの所定労働時間、勤務形態(フレックスタイム制、変形労働時間制、シフト勤務など)、休暇の種類と付与ルールを一覧にします。

  2. 現状の課題:集計にかかる工数、打刻漏れや修正申請の多さ、36協定の上限管理など、何を解決したいのかを具体的に書き出します。

  3. 関係者と決裁者:人事・労務、管理職、情報システム、経理など、誰が評価に関わり、誰が最終判断するのかを決めておきます。

  4. 連携が必要なシステム:給与計算、人事管理、ワークフロー、会計など、勤怠データを受け渡す先を洗い出します。

ここで整理した内容は、この後の選び方の手順や、ベンダーへの相談の場面でそのまま活用できます。

失敗しない勤怠管理システムの選び方

ここまで説明してきたよくある失敗例と事前に整理しておくことを踏まえて、自社に合う勤怠管理システム選びの手順を解説します。

勤怠管理システムの導入は、一般的に以下の手順で行います。

手順

想定される期間

1

自社の抱える勤怠管理業務の課題を洗い出す

2週間〜

2

自社の規模や状況に合った勤怠管理システムを複数ピックアップする

1週間〜

3

各製品のベンダーに「自社の課題を解決できるか」を相談し、費用を確認する

2週間〜

4

製品デモなどでシステムの実際の使用感を確認し、自社に合った調整をする

1カ月〜

5

自社にシステムを導入する

1週間〜

6

従業員に周知し、システム操作やルールの研修を行う

1週間〜

7

勤怠管理システムを本稼働し、勤怠管理を始める

-

特に手順3では、「対応できます」という回答を受けたら、どの機能・設定で、どのように実現するのかまで確認しておきましょう。可能であれば、手順4のデモで自社の実際の勤務パターンを設定してもらい、想定どおりの結果になるかを確かめるのが確実です。

導入後もルールを適宜見直したり従業員の使用状況を確認したりするなど、PDCAを回しながら効率のよい勤怠管理を目指すことが大切です。

ここからは、会社の規模や自社の状況に応じた勤怠管理システムの選び方のポイントを詳しく解説していきます。

1.比較的規模が大きい、またはリプレイスを検討している場合の選び方

比較的規模が大きく要件が多い、または現在利用している勤怠管理システムに課題を感じており、リプレイスを検討している場合は「自社独自のルールや働き方に対応できるシステムかどうか」を見極めることが重要です。

はじめに、今まで使用していたシステムやエクセルを使う上で大変だったこと、時間がかかっていたことをできる限り細かく洗い出していきます。すでに勤怠管理システムを使用していた場合は、自社独自のルールや働き方によって使いづらかった部分に注目するとよいでしょう。

洗い出した課題を踏まえて、勤怠管理システムに求める機能をあげていきます。必要な機能を洗い出す際は、それぞれに優先順位も付けていきましょう。

続いて、必要な機能を搭載しているシステムを複数ピックアップします。このときに、価格帯の異なる複数のサービスに目星を付けておくと、製品選びがスムーズになります。

なぜなら勤怠管理システムは、価格によってできることの幅や、カスタマーサポートの品質(運用支援の体制)などが異なるケースが多いからです。「高価格帯の製品でなければ、自社のルールには対応できなかった」という場合もあります。そのため、同じ価格帯の製品ばかりを比較検討するのではなく、「安い製品」「高い製品」の両方をピックアップすることで、より自社に最適な勤怠管理システムを見つけやすくなるでしょう。

※規模別のおすすめシステムは、記事後半の「勤怠管理システムを価格帯やタイプごとに紹介」で紹介しています。

製品をいくつかピックアップできたら、実際にベンダーに相談してみるのがおすすめです。Webサイトに記載されている説明だけでは「自社のルールに合わせられるかどうか」が分からないことが多いからです。

あらかじめ明確にしておいた課題や自社の働き方などをベンダーに伝えて、「その製品で本当に自社の課題を解決できるのか」を確認していきましょう。この際に、ベンダーの応対やカスタマーサポートの品質(運用支援の体制)なども同時にチェックするのがおすすめです。

なお、勤怠管理システムを比較する際にどのようなポイントに注目して候補を絞り込んでいけばよいのかは、この後の章「勤怠管理システムをピックアップする際の比較ポイント」で解説しています。

2.比較的規模が小さい、または初めての導入を検討している場合の選び方

比較的規模の小さい企業や、初めて勤怠管理システムを導入する企業には、機能がシンプルで費用が安い製品を選ぶのがおすすめです。

これからシステムを導入する場合は、勤怠管理に関する本当の課題がまだ見えてこないことも多いです。そのためまずは、低価格でシンプルなシステムを運用してみましょう。その後、規模の拡大や働き方の変化に伴って課題が出てきたタイミングで、中〜大規模向けの製品にリプレイスするのがおすすめです。

もちろん、今後規模が拡大することが予想できるのであれば、最初から中〜大規模向けシステムを選ぶのもよいでしょう。リプレイスには時間やコストがかかるので、中長期的な目線で選ぶことがおすすめです。

なお、低コストな勤怠管理システムの中には、月額1人100円などの低価格で利用できる製品や、無料プランが用意されている製品もあります。しかしこのような勤怠管理システムは、サービス内容に制限がかかっていることが多いので、以下の点を確認するようにしましょう。

  • データの保存期間は何年か

  • 機能や利用人数の制限はあるか

  • サポートはあるか

特にデータの保存期間は要注意です。無料の勤怠管理システムでは、データの保存期間が1年や2年しかないこともあります。勤怠記録は法令で一定期間の保存が義務付けられているため、システム上の保存期間が自社で必要な期間を満たしているかを事前に確認しておきましょう。足りない場合は、データが削除される前に出力して保管するなどの対応が必要になります。

また、「同じような業務形態の企業の導入実績があるか」も確認してみると良いでしょう。

選び方の手順は分かったけれど、自社の場合どう進めればいいか迷う方へ

勤怠管理システムの比較・選定の進め方を、よくある失敗とその回避策とあわせて解説するセミナーを開催しています。

一括で比較したい方は「勤怠管理システム比較セミナー 〜エンタープライズ対応の3製品を一括比較〜」もあわせてご覧ください。

勤怠管理システム比較セミナー 〜エンタープライズ対応の3製品を一括比較〜

勤怠管理システムの機能一覧

ここからは、各勤怠管理システムをどのような視点で選べばよいのかを説明していきます。

まずは、多くの勤怠管理システムが対応している基本的な機能を把握しておきましょう。

  • 打刻

  • 勤怠データの集計・分析

  • 残業や休暇の申請・承認

  • 休暇管理

  • シフト管理

  • アラート

打刻

従業員の出退勤の時間を記録する機能です。「ICカード」「Web打刻」「チャット打刻」など、さまざまな打刻方法があります。基本的な打刻方法はどのシステムでも共通していますが、「生体認証打刻に対応していない」「チャット打刻で利用できるアプリが異なる」など、細かい点で異なるケースがあります。

勤怠データの集計・分析

従業員の残業や休暇の取得状況などの勤怠データを自動集計する機能です。リアルタイムで各従業員の残業時間や休暇の状況を一覧で把握できるため、法令違反のリスクを抑えられます。

▼打刻された情報が自動で記録・計算される機能

▼各種データのダッシュボード

残業や休暇の申請・承認

残業や休暇の申請と承認をオンライン上で完結できる機能です。自社の規則や組織ごとの申請フローに沿って設定できるかを確認しましょう。

▼勤怠申請の承認状況をシステム上で確認する例

▼残業申請画面の例

休暇管理

有給休暇や代休、特別休暇などを管理する機能です。休暇の付与や残日数の把握ができます。自社の規則に沿った休暇設定ができるかを確認しましょう。

▼休暇の管理画面の例

シフト管理

従業員のシフトを作成し管理する機能です。従業員の希望や必要な人員配置をもとにシフトを自動作成できるシステムもあり、シフト変更のたびに一から作り直す手間を防げます。

▼シフト管理機能の管理画面の例

アラート

打刻漏れや残業申請漏れ、残業時間の超過などを通知して、従業員や管理者に注意を促す機能です。申請や承認漏れによる確認の手間削減や法令遵守につながります。通知方法やタイミングはシステムによって異なるため、確認しておくとよいでしょう。

▼打刻漏れを知らせるアラートの例

▼申請漏れのアラートの例

▼残業時間のアラートの例

勤怠管理システムをピックアップする際の比較ポイント

それでは、勤怠管理システムをどのように比較検討していけばよいのかを解説していきます。

前提として、どの製品も基本的な機能は同じように搭載されています。例えば「打刻機能」「各種アラート機能」「集計・分析機能」といった機能は、どの製品でも利用可能です。

しかし、以下の9つに関しては大きな違いが生じることがあるため、確認が必要です。

項目

チェックポイント

選び方の例

1.提供形態

クラウド(SaaS)型かオンプレミス型か

基本的にはクラウドを選択。セキュリティ要件などが特に厳しい場合は、オンプレミス型を検討

2.打刻方法

打刻が習慣化できるか、セキュリティ要件を満たすか

不正打刻を防止したいなら「生体認証」、テレワークや外回り営業が多いなら「PCブラウザ打刻」や「スマートフォン打刻」など

3.カスタマイズ性

自社の就業規則を網羅的に正しく管理できるか、将来的な規模拡大などに対応できるか

テレワーク、フレックスタイム制など複雑な働き方でも正確な勤怠を取得できる製品を選ぶ

4.他のシステムとの連携性

すでに導入しているシステムと連携できるか

自社の給与計算システムと連携できる製品や、勤怠管理と工数管理を同一画面上で行える製品を選ぶ

5.法改正への対応

法改正に対応し、自動でアップデートされるか

無料で法改正アップデートが行える製品を選ぶ

6.サポートの手厚さ

ベンダーが自社の勤怠管理について深く理解し、アドバイスや提案をしてくれるか

勤怠管理に関する課題を相談し、運用や改善策の提案をしてくれるベンダーを選ぶ

7.システム操作のしやすさ

現場の従業員が負担なく打刻・申請できるか、管理者が勤怠データを分析し業務改善に活かせるか

デモで現場の従業員にも操作してもらい、最も使いやすかったものを選ぶ。ダッシュボード機能を確認し、分析しやすいシステムを選ぶ

8.セキュリティ品質

セキュリティ要件を満たすか

どのようなセキュリティ機能があるかを相談し、自社の要件に合う製品を選ぶ

9.業務効率化をサポートする機能があるか

自社が抱える業務効率化の課題解決につながるか

自社の課題を洗い出して優先順位を決め、製品デモや無料トライアルで効率化につながるかを検証する

順番に見ていきましょう。

比較ポイント1.提供形態

勤怠管理システムは、提供形態によって「クラウド(SaaS)型」と「オンプレミス型」に分けられます。

提供形態

特徴

向いている企業

クラウド(SaaS)型

ベンダーが提供するクラウド上のサービスを利用する。自社でのサーバー構築が不要

なるべくコストを抑えて導入したい企業、社内でシステムを保有・保守運用したくない企業

オンプレミス型

自社でサーバーを設置し、社内ネットワーク上にシステムを構築する

クラウドでは要件を満たせなかった企業、システムやデータを自社環境のみに置きたい企業

クラウド型は、サービス提供会社がクラウド上に用意したプラットフォームにログインして利用します。インターネット環境さえあれば、社内のシステム開発や自社サーバーは不要です。このような導入の手軽さやコストの安さから、近年ではクラウド型が主流になっています。

一方のオンプレミス型は、社内に専用のシステムを立ち上げるため、クラウド型では実現できないような柔軟なカスタマイズが可能です。しかし立ち上げや導入後のシステム変更にはIT専門知識が必須なので、システム専門の部署や担当者なしでは導入は難しいでしょう。会社独自の複雑な就業規則がありクラウド型では合う製品がなかったり、セキュリティ対策を外部に任せたくなかったりする場合に向いています。

基本的にはクラウド型がおすすめですが、「セキュリティ要件が特に厳しい」「自社用にフルカスタマイズされた製品を使いたい」という場合は、オンプレミス型も検討してみてください。なお、それぞれの費用の目安は「勤怠管理システムの費用相場」の章で紹介しています。

比較ポイント2.打刻方法

打刻機能にはさまざまな種類があり、製品によって利用できる打刻方法が異なります。そのため、自社の働き方に合わせて最適な打刻が行えるかどうかを確認しましょう。

例えば、外回りをする社員が多い会社でICカード打刻を導入してしまうと、打刻のために毎回会社に戻らなければならず非効率です。この場合は、スマートフォン打刻などに対応しているシステムを選ぶとよいでしょう。

<よくある打刻方法一覧>

打刻方法

解説

PCブラウザ打刻

PCブラウザからシステムにログインして打刻する方法

スマートフォン打刻

システムの専用アプリから打刻する方法

ICカード打刻

SuicaやPASMOなどのICカードを読み取り機器にかざして打刻する方法

生体認証打刻

専用機器で顔認証や指紋認証、静脈認証する打刻方法

QRコード打刻

事業所に設置したQRコードをスマートフォンなどで読み取る打刻方法

LINE・Slackなどとの連携打刻

連携した各ツールから打刻する方法

オフィスに出社する勤務形態であれば、不正打刻の防止にもなるICカード打刻、生体認証打刻が向いています。一方、テレワークや出張が多い勤務形態であれば、場所を選ばず打刻できる「PCブラウザ打刻」や「スマートフォン打刻」「LINE・Slackなどと連携した打刻」だと使い勝手がよいでしょう。

例えばSlackを利用した打刻では、以下のような操作を行います。

  1. Slackにログインする

  2. 出退勤のボタンをクリックすると打刻が完了

比較ポイント3.カスタマイズ性

よくある失敗例の章でも解説しましたが、「自社の就業規則や多様な働き方にどこまで合わせられるか」は製品によって異なります。

例えば、残業時間の上限を通知するアラート機能は多くのシステムで搭載されています。しかし36協定の制限に即したアラート設定になっているシステムが多く、自社ルールに沿った上限時間を設定できるとは限りません。

また、一般的な勤怠管理は十分に行える製品でも、「会社独自の休暇制度」「複数の休憩回数」「勤務時間等の端数処理」などといった独自のルールには対応できない、といったこともよくあります。

こういった柔軟性はWebサイトの情報だけでは判断しにくいため、最終的にはベンダーに相談し、「本当にこのシステムで課題を解決できるのか」「どのような設定で実現するのか」を確認することがおすすめです。

比較ポイント4.他のシステムや機能との連携性

勤怠管理システムを他の既存システムと連携させて活用したいという企業も多いでしょう。その場合は、現在利用しているシステムと連携でき、なるべく加工などをせずに必要な情報を受け渡せるかどうかを確認する必要があります。

▼連携できるシステムの例

種類

できること(一例)

給与計算システム

勤怠情報を取り込んで給与計算を行う、給与明細を作成し従業員に公開する、賃金台帳を出力する、年末調整を行う

人事労務システム

従業員の情報を入力・収集する、社会保険などの手続書類を作成する、各手続きや届出の電子申請を行う、労働者名簿を出力する

人事評価システム

従業員の情報を入力・収集する、目標設定や評価基準を設定し人事評価や人員配置に利用する

また、工数管理を行っており「正確な工数を取得したい」という企業は、工数機能を備えた勤怠管理システムを利用するのがおすすめです。別々のシステムを連携させるよりも、同一の画面上で両者のデータを紐づけられるシステムのほうが、従業員の日々の入力負担を軽減し、正確な工数を取得しやすくなります。詳細は以下の記事を参考にしてみてください。

工数管理と紐づけできる勤怠管理システム5選【種類別に比較】

ただし、システムの連携性を重視する場合であっても「必ずしも現在使っているシステムと同じブランド(ベンダー)で統一しなければならない」というわけではありません。異なるブランド同士であっても、適切にシステムを連携させることは可能です。

もちろんブランドを揃えることで請求書を一本化できるなど運用上のメリットもあります。しかし同一ブランドにこだわりすぎると、本来必要な機能がない製品を選んでしまい「現在の課題が解決できない」と後悔してしまうケースもあるので注意が必要です。

比較ポイント5.法改正に対応できるか

法改正があった際に柔軟な対応ができるかどうかも、勤怠管理システム選びで確認するべきポイントです。

例えば、2024年4月からは建設業や自動車運転の業務、医師にも時間外労働の上限規制が適用されました。このような法改正があった場合に、システムが法令に沿った内容にアップデートされ、上限を超えそうな従業員を知らせるアラートなどが追加されるかどうかは製品によって異なります。

法改正への対応があるのか、それは有料なのか無料なのか、といった点に注目すると良いでしょう。なおオンプレミス型の場合、法改正時のアップデートは自社主導で対応しなければいけないことが多いです。

比較ポイント6.サポートの手厚さ

カスタマイズ性や法改正への対応にも通じる部分ですが、システムの提供会社によってカスタマーサポートの柔軟性や運用支援の体制などが異なります。例えば、以下のようなことを確認するのがおすすめです。

  • 勤怠管理を効率よく行うための積極的な提案やアドバイスをもらえるか

  • カスタマイズやシステム連携を行いたい場合に、うまく運用できるようサポートしてもらえるか

  • 導入当初に比べて会社の規模や働き方に変化が出てきた際に、運用方法の変更を提案・サポートしてもらえるか

比較ポイント7.システム操作のしやすさ

勤怠管理システムは全ての従業員が毎日使用するため、現場の従業員が迷わず、負担なく打刻・申請できる画面設計(UI/UX)になっているかは重要なポイントです。操作が分かりにくいと打刻漏れや問い合わせが増え、結果的に人事・労務担当者の負担も大きくなってしまいます。

管理者側の操作性も確認しておきましょう。例えば勤怠の集計作業を1〜2クリックで処理できるシステムであれば、集計や分析の作業がスムーズになります。

このように集計した勤怠データをわかりやすくグラフ化できる機能があれば、実働時間の把握がしやすくなり、かつ正確に処理できるでしょう。

また「工数管理をしっかり行える勤怠管理システムがいい」という場合は、工数入力時にカレンダーと連携できるシステムであれば、社員が工数を入力しやすくなり、こまめな入力が期待できます。

▼カレンダーアプリを参照しながら工数入力を行うイメージ

UIや使いやすさを確認するには、製品デモやトライアルを利用して、勤怠の入力から承認までの流れを一通り操作しておくことがおすすめです。その際は、なるべく働き方の異なる複数の部署やメンバーに体験してもらうと良いでしょう。

比較ポイント8.セキュリティ品質

基本的にはどの製品もセキュリティ対策に力を入れていますが、具体的にどのような取り組みを行っているのかは各社で異なります。

例えば勤怠管理システム「TeamSpirit 勤怠」では、Salesforceが提供する堅牢なプラットフォームを利用しているため、高レベルなセキュリティ対策が実現できています。また、細かなアクセス制限や権限設定が行えるため、安全な運用が可能です。

セキュリティ|勤怠管理・工数管理・経費精算ならチームスピリット

このように製品によってセキュリティ対策の内容に違いがあるため、ベンダーに確認するとともに、情報漏洩の前例がないかどうかも確認しておきましょう。セキュリティの高さを客観的に証明できる「JIS」や「ISO」といった規格の認証を取得しているかどうかも、判断基準のひとつになります。

比較ポイント9.業務効率化をサポートする機能があるか

勤怠管理システムに「本当に自社の勤怠業務の効率化につながる機能があるか」を確認しましょう。機能が多いシステムを選べば、必ずしも効率化できるわけではありません。

自社の抱える課題を考慮して、勤怠管理システムに求める機能と優先順位を付けましょう。そのうえで、選定する勤怠管理システムが自社の課題を解決し、効率化につながるかを製品デモや無料トライアル期間を利用して検証することが重要です。

なお、勤怠の業務が紙ベースで、社員の勤怠も正確に把握できていない課題を抱えた企業が、勤怠管理システムの導入によって以下のような業務効率化を達成できた事例があります。

  • 出社・退社の時間を月末にまとめてエクセルに転記していたのが、毎日PCやスマートフォンから打刻できるようになった

  • 月末に申請ボタンを押すだけで勤務表が作成できるようになった

  • 勤務時間の範囲内で作業工数が簡単に入力できるようになった

その他にも、勤怠管理システムの選び方や導入後の具体的な変化を以下の記事で紹介しているので、選び方のヒントにぜひご覧ください。

社員のパフォーマンスを引き出す「多様で柔軟な働き方」と、法令・36協定に則った「正確な労務管理」を実現

勤怠管理システムの費用相場

勤怠管理システムの費用は、「初期費用」と「月額費用」で構成されています。契約するプランやオプションによって追加費用がかかる場合もあります。勤怠管理システムを選ぶ際は、コストパフォーマンスを意識することも重要です。

クラウド型とオンプレミス型の初期費用と月額費用の相場は、以下のとおりです。

特徴

初期費用

月額料金

クラウド(SaaS)型

ベンダーが提供するクラウドサービスを利用

0円〜25万円程度

1名あたり100円〜800円程度(利用する従業員数に応じてかかる)

オンプレミス型

社内でネットワークやシステムを保有し利用

数百万円〜(開発費用)

状況により異なる(システムの保守を行う人件費や、外部へ委託する費用)

なお、主な追加料金の発生条件は以下のとおりです。ただし、追加費用がかかる条件や価格はシステムごとに大きく異なります。

  • サポートプランに加入する

  • オプション機能を契約する

  • 自社に合った仕様にカスタマイズする

また、ライセンス費用だけでなく、初期設定や運用にかかる社内の工数も含めたトータルコストで比較することが大切です。設定できない部分を人手で補うことになれば、その分のコストが後から発生します。

勤怠管理システムの料金体系や、製品による細かな費用の違いについて確認したい場合は、こちらの記事も合わせて参照してください。

勤怠管理システムの費用・料金体系|コストだけで選ぶのはNG

勤怠管理システムを価格帯やタイプごとに紹介

それでは最後に、あらためて勤怠管理システムを価格帯やタイプごとに紹介します。

中〜大規模、またはリプレイスを検討している企業におすすめのシステム

初期費用

月額費用

こんな企業におすすめ

TeamSpirit 勤怠

150,000円

400円〜/人

テレワークやフレックスタイム制など、多様な就業規則を採用している企業

キンタイミライ

要見積もり

要見積もり

ホテル・旅館業、運輸・倉庫業など

CC-BizMate

250,000円〜

10,000円(50人)〜

カスタマイズしつつ月額料金は抑えたい企業

TimePro-VG

要見積もり

要見積もり

自社に合わせて勤怠管理システムを設計・構築したい企業

freee人事労務

0円

800円〜/人

労務手続きを一元管理したい1,000名規模までの企業

小規模、または初めての導入を検討している企業におすすめのシステム

初期費用

月額費用

こんな企業におすすめ

KING OF TIME

0円

300円〜/人

打刻方法とAPI連携を重視したい企業

HRMOS勤怠

0円

100円〜/人(30人までは無料)

コストを抑えたい小規模の企業

ジョブカン勤怠管理

0円

200円〜/人

コストを抑えたい1万名以下の企業

ジンジャー勤怠

要見積もり

300円〜/人

ジンジャーシリーズで一元管理したい企業

CLOUZA

0円

200円〜/人

とにかくシンプルなシステムが良い企業

※時期や状況により内容が異なる場合があります。正確な情報は各製品の提供会社にお問い合わせください。

それぞれのシステムの特徴や機能、打刻方法などは、以下の記事で詳しく紹介しています。

勤怠管理システムのおすすめ12選を比較|規模別に機能や価格を解説

時間がなく一つひとつ比較するのが面倒な方は、比較セミナーも開催しているので、興味があればご覧ください。

勤怠管理システム比較セミナー 〜エンタープライズ対応の3製品を一括比較〜

TeamSpirit 勤怠(TeamSpiritシリーズ)

TeamSpirit 勤怠は、累計2,200社以上、70万ID以上の利用実績がある「TeamSpiritシリーズ」の勤怠管理に特化した製品です。

変形労働時間制や裁量労働制、みなし労働時間制、管理監督者など多様な勤務体系に対応しており、打刻方法の種類も豊富に取り揃えています。カスタマイズ性の高さも強みで、企業ごとに存在する100以上の勤務パターンに対応した実績があります。

「現在の勤怠管理の課題をどのように解決したら良いのかが分からない」という企業に対しては、詳細なヒアリングのもと、システムをどう運用することで解決できるかを提案することも可能です。

引用:チームスピリット

TeamSpirit 勤怠が特におすすめの企業

  • 既存システムでは機能や柔軟性が不足しており、その課題を解決したい企業

  • 働き方や法改正などを加味した上で、その都度発生する課題に対応できるシステムを利用したい企業

  • 自社に合わせたシステム運用を、丁寧にサポートしてもらいたい企業

  • 経費精算や工数管理を紐づけ、生産性を高めたい企業

このような企業は、ぜひTeamSpirit 勤怠を検討してみてください。

ミスなく効率的に勤怠管理システムを選ぶために

「比較ポイントは分かったが、自社の場合どこを重視すべきか判断しにくい」「ベンダーの説明をどう検証すればよいか分からない」という方に向けて、勤怠管理システムの比較・選定をテーマにしたセミナーを開催しています。

導入の手間・工数と現場の使いやすさで選ぶ!勤怠管理システム比較セミナー

まとめ|「何ができるか」ではなく「自社の運用をどう実現できるか」で選ぼう

勤怠管理システムは、打刻・申請・集計といった基本機能が多くの製品で共通しているため、機能一覧を並べるだけでは自社に合う製品を見極めにくいものです。比較で失敗しないためには、「何ができるか」ではなく「自社の運用をどう実現できるか」という視点で確認することが欠かせません。

本記事のポイントを振り返ると、次のとおりです。

  • 比較の前に自社の状況を整理する:就業規則と勤務形態、解決したい課題、関係者と決裁者、連携が必要なシステムを先に洗い出しておくと、比較の軸がぶれません。

  • 違いが出やすいポイントに絞って確認する:特にカスタマイズ性や法改正への対応は製品ごとの差が出やすく、導入後の運用に直結します。

  • 現場の使いやすさも評価に含める:日々操作するのは従業員と管理職です。打刻や申請の画面が負担なく使えるかを、実際に触って確かめましょう。

  • 「できる」の中身まで具体的に確認する:どの機能・設定で、どのように実現するのかを検討段階で詰めておくことが、導入後に手作業を残さないための鍵です。

  • 費用は運用工数まで含めた総額で比べる:ライセンス費用の安さだけで判断すると、設定できない部分を人手で補うコストが後から発生します。

製品を絞り込む流れは、企業の規模や状況によって次のように進めるのがおすすめです。

▼中〜大規模、またはリプレイスを検討している場合

  1. 今まで使っていたシステムがある場合、使用上の課題を洗い出す

  2. 課題を踏まえ、自社に必要な機能や連携したいシステムをピックアップする

  3. 価格帯が異なる複数の製品に目星をつける

  4. 各製品のベンダーに「本当に自社の課題を解決できるのか」「どのように実現するのか」を相談する

  5. 製品を実際に操作してみる

▼小規模、または初めての導入を検討している場合

  1. シンプルな打刻機能がメインとなっている製品からピックアップする

  2. 同じような業務形態の企業の導入実績があるかを確認する

  3. サービスに制限がある場合は、内容を確認する

勤怠管理システムは一度導入すると長く使い続けるものであり、乗り換えにも相応の負担がかかります。だからこそ、比較・選定の段階で自社の運用に当てはめて丁寧に検証することが、結果的に最も効率のよい進め方です。ぜひ本記事を参考に、自社の働き方や課題に柔軟に対応できるシステムを選んでみてください。

この記事をSNSで共有する

はてなブックマークに共有するX(エックス)で共有する