Case

製造業による長時間労働削減チャレンジが職場に起こしたプラスのスパイラル

大創株式会社のロゴ

社名

大創株式会社

設立

1971年9月

従業員規模

事業内容

製品パッケージの製作に使用する「抜型」、および関連資材の製造・販売

課題

・長時間労働を是正したかった
・月締め時まで労働時間を把握できず、対応が後手になっていた
・勤怠管理や経費精算のペーパーレス化を進めたかった

効果

・労働時間の見える化や自動アラート通知で、長時間労働を改善
・作業自動化により、月次決算を4日間短縮、給与支払い日も1日前倒しできた
・働き方改革関連法にもスムーズに対応

事例概要

機能

勤怠管理, 経費精算, 電子稟議, 社内SNS, レポート・ダッシュボード

業種

製造・メーカー

従業員数

100〜499人

特徴

自動化による作業時間の削減, ペーパーレス・脱エクセル, 最新法令への対応, データの見える化・分析

大創株式会社(以下、大創)は、電化製品や食器、お菓子など、デリケートな商品を輸送する際に欠かせない緩衝材やパッケージの元となるトムソン型と呼ばれる抜型を製作している企業のひとつだ。日本全国に工場を持つだけではなく、アジアを中心にドイツやロシアなど、海外市場においても積極的にビジネスを展開している。

大創が製造する抜型が誕生するまでには、緻密な設計やそれを実現する技術だけでなく、熟練職人たちによって蓄積されたノウハウも欠かせない。そうした社内に根付く無形の資産を次の世代に引き継ぐことは、大創社内でも課題になっていたようだ。このことにいち早く気付いた2代目社長の大塚雅一氏は、社内情報共有のプラットフォームとしてSalesforceを2010年に導入。同時に、「若手社員の離職を食い止めるために、また、社員の心身の健康を保つために」との思いで、長時間労働を削減すべく、TeamSpiritの勤怠管理機能を導入した。

労働時間を見える化したことにより、長時間労働の実態把握や削減の働きかけに成功した同社。現在では勤怠管理機能のほか、経費精算や電子稟議機能なども活用しながら業務効率化や組織活性化に取り組んでいるという。では、TeamSpiritはどのように同社の職場を支えているのか?大塚社長と、総務部の辻英樹氏に話を聞いた。

労働時間が"見えた"ことで起こった意識改革

高度成長期から平成の終盤にかけて、日本企業には多かれ少なかれ"モーレツ文化"があった。「いただいた注文にはとにかく早く対応する!」という姿勢は"誠実な対応の証"として喜ばれ、ビジネスを力強く成長させる源にもなっていたものだ。しかし、度が過ぎればどこかにシワ寄せはくるもの。無理な対応は長時間労働の温床になっていた。

「若い人材を中心に、長時間労働が離職の理由に挙がっていた。私たち製造業は体が資本と言っておきながら、仕事が終わるまで作業を続けるのが当たり前になっていたが、それでは従業員の健康を保ったり、家庭での時間を充実させることは難しい。そうした問題に向き合い、『試合が決まるまで続ける野球型の働き方ではなく、時間内に決着をつけるサッカー型の働き方に変わろう!』と考え、従業員に『長時間労働削減宣言』をした」と振り返るのは、大塚社長だ。

代表取締役社長 大塚 雅一氏

この宣言が行われたのは、2013年ごろ。政府主導での働き方改革実現に向けた動きが始まる以前の話だ。とはいえ、宣言だけでは物事は進まない。そこで用いられたのが、TeamSpiritだった。

「以前は紙のタイムカードで勤怠管理をしており、月締めをするまで労働時間を確認することができなかった。TeamSpiritを利用するようになってからは長時間労働になっていないかをダッシュボードで確認するようにした。ダッシュボードには、青・黄・赤色の順で直感的に超過勤務状態になっているかどうか見えるようなグラフを表示しているが、大創では特に残業が多くなっている場合、黒色で表示するようにしている。これによって危機感を持ってもらえるようにした。

最初のうちは『随分ブラックになってるな』ということもあったが、そうしたことが"見える"ことで、上司や同僚らが『あの人は仕事しすぎ!』と互いに気遣うようになり、仕事をフォローするようになった」と、大塚社長。

残業時間の可視化が従業員同士の働き方を変え、意識改革に繋がった、と語ってくれた。

勤怠管理や経費精算の月締め作業も大幅に効率化

TeamSpirit導入以前、同社では紙のタイムカードで打刻された情報を各工場で紙から表計算ソフトに打ち込んで集計し、残業計算をしてプリントアウト。各部門長が判をついて承認した後、再度本社でまとめて確認し、有給休暇の残日数の照合や給与計算を行っていたという。

経費精算についても、担当者が経費申請書から表計算ソフトに打ち込み、領収書の内容に誤りや差異がないかを確認したのちに手作業で仕訳を行っており、大きな負荷がかかっていたという。

TeamSpirit導入後はこれが一変。表計算ソフトへの転記や集計作業、承認フロー、エラーチェック、レポート作成などが自動化されたことで、申請した社員から担当者までがミスなく効率的に業務を遂行することができるようになった。

TeamSpiritによる経費精算の電子化を推進した辻氏は「以前は経費の月締め作業に4営業日ほどかかっていたが、TeamSpiritを活用するようになってからは、コーポレートカードの利用明細の取り込みや仕訳データ作成、会計ソフトに連携するレポート作成を自動化することができるようになり、大幅に業務を効率化することができた。これによって、月締め作業を1営業日で完了できるようになった」と教えてくれた。

総務部部長 辻 英樹氏

法令で定められた「時間外労働の上限規制」への対応もスムーズに

長時間労働の削減という意味では、働き方改革関連法により残業時間の上限(原則として月45時間・年360時間)の規制が2020年4月から中小企業にも適用された。上限を超過していないかどうかは毎月ごとだけでなく、複数月平均でも確認する必要があるため、複雑な計算が必要だ。

これについて、「TeamSpiritでは、勤務体系ごとに時間外労働の当月合計・複数月平均・年度合計を自動で集計し可視化をすることができ、時間外労働が超過しそうな社員へはアラートを通知するよう設定することができるのでスムーズに対応することができた」と教えてくれた。

さらに有給休暇の取得についても、「ダッシュボードで有給休暇の取得状況が可視化されているし、取得義務期間終了の30日前までに取得していない社員へは自動でアラートを通知するよう設定している。可視化されたことによって部門長なども取得を促してくれている」と、辻氏。

「製造業はOJTで技術を継承するもの」という意識にも変化が

働き方の意識改革だけではない。製造業、特に中小企業や小規模事業者の場合、新入社員に対して仕事を教えるのは「OJTで」というのが一般的だ。マニュアルや指示書などがない場合も決して珍しくはない。実は以前の大創も「若手は先輩社員の横について見て学ぶもの」と考えていたという。

しかし、「OJTでやっていこうとすると、時間とそれに対する訓練の量で技術を高めて習熟していくことになる。だが、それでは再び長時間労働になってしまうと想像できた。現場のリーダー達も『それではいけない』と感じてくれたようで、スキルマップを自主的に作ってくれた」と、大塚社長。

このスキルマップは、「このレベルの技能を身に付けるには何が必要か?」「ここまでの技術を身につけているなら、次にこれを学べばこの業務に携わることができる」といった、これまでなかった「熟練職人への道」を言語化して記したものだ。

「このマップができたことで、がむしゃらに業務に当たらせるのではなく、限りある時間の中でどういうふうに知恵を絞って人材育成をしていくか、わかるようになった」という。新入社員も、自身の現状を理解したり、成長の過程やキャリアの積み方がわかりやすくなったと考えられる。また、より透明性の高い人事評価ができるようにもなった、とのことだ。

電子稟議で「みんなで成果を祝う」という職場の盛り上がりも

ここまで紹介した通り、TeamSpiritを活用することで長時間労働の削減や有給休暇の取得促進、業務効率化だけでなく、職場の意識改革も進んできた大創。最近では電子稟議の利用も開始し、それがまた社内に新たな変化を生んでいるようだ。

例えば、「物品購入の場合は該当する見積書のファイルも一緒に添付するので、承認がおりたあと、見積と請求金額が間違っていないかを簡単に確認できるようになった。また、新規取引先を追加する際にも電子稟議を活用しているが、紙の稟議だったころは承認者が席にいなければそこで滞っていた決裁がTeamSpiritになることでスマホでも対応してもらえるようになり、よりスムーズに承認してもらえるようになった」と、辻氏。

大塚社長も「物品購入はしっかりと内容を確認し、新規取引先の追加についてはできる限り早く対応する、というメリハリのある対処ができている。また、取引先追加の稟議は社内SNSであるChatter画面でも表示されるので、『おめでとう!』とコメントしたり、紙吹雪が舞うような設定もしている。私も営業を経験したが、みんなに喜んでもらえたら嬉しいもの。そうした共有化やスピード感をもった承認フローは、電子稟議ならではだと思う」と付け加えた。

「残業代=生活費」というあり方も変える

長時間労働の実態把握と削減のためにTeamSpiritを導入し、今では社員の意識改革が進むなど、プラスのスパイラルが巻き起こっている大創。しかし、まだ解決すべき課題はあるという。

「長時間労働を削減すると『残業手当が減って、手取りも減る』という問題が起きてしまう。知恵と工夫と努力で生産性を上げてくれているのに、その頑張りが反映されない、というのはいけないことだ。最近は家族手当や賞与といった福利厚生を手厚くするようにしているが、それでいいのかはまだ手探りだ。今後、会社はどういった方針で進むのか、折に触れて説明する努力を続ける必要があると考えている」と、大塚社長。大創流の働き方改革は今後、さらに洗練されていきそうだ。

※ 掲載内容は取材当時(2021年7月)のものです。

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