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リソース管理とは?プロジェクトにおける重要性や具体的手順について解説

著者:チームスピリット編集部

  • 「リソース管理とは具体的に何を指すのだろうか?」
  • 「何をどんなふうに管理すればいいのか分からない」
  • 「リソース管理は自社でも行うべきだろうか」

プロジェクト管理において、リソース管理はプロジェクトの成否を決める重要なプロセスです。

計画段階でリソースを適切に配分し、計画どおりに進んでいるか確認しながらプロジェクトを進めることで、最低限の人員やコストでプロジェクトを達成できるからです。

本記事では、「リソース管理とは何か?」から必要性、成功させるためのポイントまで詳しく解説していきます。

これからリソース管理を始めたい管理職や現場責任者の方、または現状エクセルシートでのリソース管理に限界を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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  • 工数管理が従業員の負荷を高めている
  • 工数の一括登録が常態化し精緻な原価管理ができていない
  • リアルタイムにプロジェクトの予実管理ができていない

工数管理に課題を抱える企業様は多いものの、既存の方法を脱せず応急措置的な業務改善を繰り返しているケースが見受けられます。

ぜひ同様の課題を抱えていた他社事例を参考に、自社の抜本的な業務改善や正確な工数管理の実現の一助としてお役立てください。

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リソース管理とは

リソース管理(リソースマネジメント)とは、プロジェクトを遂行するために必要となるヒト・モノ・カネ・時間などのリソースを管理することをいいますそもそも「リソース(resource)」とは、「経営資源」のことです。リソースは有限であることから、管理が必須となっています。つまりリソース管理とは、有限であるリソースが現状どのくらい使われているのか、あとどの程度使えるのかといった情報を管理、把握することです。

リソース管理を適切に行うことで、メンバーのアサイン状況を最適化したり、プロジェクトのコストを最低限に抑えたりできるメリットがあります。

リソース管理により、有限のリソースを適切に活用可能です。逆に、リソース管理ができていないと、無駄なコストがかかったり、見積もり不足で計画がうまく進まなかったり、社員に負担をかけたりといったさまざまな問題が発生します。

リソース管理により過不足なくリソースを活用することは、プロジェクトを成功に導くために欠かせない重要な要素ともいえるでしょう。

リソースに含まれる内容

リソース管理の対象となるリソース=「経営資源」は、プロジェクトの目的を達成するために必要となるあらゆる要素のことです

「リソースがどこまでを示すか」には幅があり、「ヒト(人的資源)」だけを示す場合もあれば、「モノ(備品や設備、ソフトウェア)」や「カネ(運営資金)」などが含まれる場合もあります。

同様に、「リソース管理」という言葉が示す内容も企業や状況によって大きく異なります。多くの場合、以下のようなケースを指すことが多いといえるでしょう。

  1. プロジェクトを推進するために、メンバーの空き状況を確認しながら誰にどのような業務を振るのかを調整する
  2. 社員にかかるコストが無駄にならないよう、プロジェクトへのアサイン率を確認し、適切に調整・管理する(手が空いているメンバーに仕事を振る、新規案件獲得に力を入れるなど)
  3. プロジェクトにおける目標利益率を達成するために、現時点でかかっている工数を確認し、原価や予算の使い方をコントロールする

リソース管理を行わない場合の失敗例

  • 特定の社員に仕事が集中して遅延が発生しているのに、それに気付かないまま進めてしまい、結果として納期に間に合わず、取引先からの信用を失ってしまった
  • あるプロジェクトに必要なリソースを必要以上に見積もりすぎてしまい、手が空いている社員がいるのにそのままにして、結果的に無駄な人件費がかかってしまった

リソース管理を適切に行った場合の成功例

  • 特定の社員に仕事が集中している状態にすぐに気付き、別のプロジェクトで手が空いている社員に業務を割り振ることで遅延を回避できた
  • リソースが空いている社員が多いことに気付いたため、新規案件を獲得してきて、リソースを無駄にしないで済んだ

管理すべき6種のリソース

リソース(経営資源)を大別すると以下の6種類となります。リソースの種類に応じて、リソース管理も6種類に分類可能です。

リソースの種類

リソース管理の内容・例

ヒト(人的資源)

工数管理やアサイン管理(人材配置)がメインだが、モチベーション管理までを含むこともある

モノ(物理的資源)

設備や備品、ソフトウェア、サーバーなどの運用管理やコスト管理

カネ(運営資金)

ヒトやモノなどを確保するための資金管理

時間

タスクごとの工数管理

情報

技術やノウハウ、顧客情報など「無形財産」の管理

知的財産

著作権や特許、ブランドなど「知的財産」の管理

ただし、どのリソース管理が必要かは業種やプロジェクト内容によっても異なるため、そのプロジェクトにあった適切な管理が必須です。多くのプロジェクトでは、ヒト・モノ・カネの管理がメインとなるでしょう。

では、6種類のリソースと管理方法について詳しく解説します。

1.ヒト

リソース管理の「ヒト」とは人的資源を指します。社員A、B、Cといった「企業に在籍している人材そのもの」という意味はもちろん、企業にいる人材がどれだけ稼働しているか(もしくは空きがあるか)といった、稼働状況の管理(アサイン管理)も含まれます。

ヒトは、スキルや経験だけでなく、モチベーションにより生産性が上下動します。そのため、ヒトのリソース管理では、モチベーションを下げない人材配置やストレスマネジメントなどが必須です。

具体的なヒトのリソース管理としては、以下の例があります。

  • 社員が感じるストレスを洗い出し対処する(ストレスマネジメント)
  • メンバーの稼働状況を正しく把握し、適切なリソース配分を実施する(アサインマネジメント)
  • 社員が持つスキルを可視化して管理する(スキルマネジメント)
  • 社員の能力(タレント)やスキルを管理する(タレントマネジメント)
    など

2.モノ

「モノ」とは、物理的資源を指します。業務遂行に必要なすべての道具類・機器類等が含まれます。具体的には、以下のような資源です。

  • 会社にあるパソコンやプリンタ
  • ボールペンや紙
  • ソフトウェアやサーバーといったインフラ設備
    など

「ヒト」=人材だけでは製品は作れません。製品を作るには、ヒトが扱うモノの存在が必須です。モノが今どれだけあるか、誰にどれだけ使われているかを管理することで、不要にモノを購入することを防ぎ、モノの効率的な活用が可能となります。

モノの管理として、以下のような例が挙げられます。

  • 社内にある物的資源(備品や固定資産など)の管理や整頓をする
  • ソフトウェアのライセンスやリース状況を管理・整理する
    など

3.カネ

「カネ」とは、会社を経営する際に掛かるコスト(運営資金)のことです。あらゆるリソースを確保するためには、資金の確保が必要です。会社を経営する際は、「採用や育成」といった人材にかかる資金や、事業を拡大するための新プロジェクト開発資金などが欠かせません。モノの購入や利用に使ったコスト、もしくはヒトに支払うコスト=給料の管理も必須です。

カネに関しては、以下のような事柄を管理します。

  • 会社で毎月どれだけ売上や経費が発生したか
  • 資産や負債の増減はどれだけか
  • どれだけ融資を受け、どれだけ返済しているか
  • ヒトにどれだけコスト(給料・報酬)を支払ったか
  • モノの購入や利用でどれだけコストがかかったか
    など

4.時間

「時間」とは、ヒトの稼働時間やプロジェクト完成までに必要なリソースです。プロジェクトに必要なタスクを分解し、タスクごとに工数管理を実施することも含まれます。

納期内にプロジェクトを完遂するには、以下のことを管理します。

  • プロジェクト担当者の労働時間
  • プロジェクトの総所要時間
  • タスクごとの工数管理
    など

労働時間や工数を管理することで、ヒトのリソースが必要以上に使われていないか、ストレスが溜まっていないかを図ることも可能です。

5.情報

「情報」とは、企業が持っている無形財産です。技術やノウハウ、顧客情報が該当します。過去に自社で蓄積してきた知識やデータはすべて「情報」です。販売管理システムや顧客情報管理システムを活用し、以下のようなことを管理します。

  • 従業員のスキルや経験
  • 日報や月報
  • 議事録
  • 契約書
  • 販売データ
  • 競合・顧客情報
    など

これらの情報は商売の根幹となるため、外部に漏れないよう厳重に保管することが求められます。

6.知的財産

「知的財産」は、企業の知的活動により生み出された財産です。著作権やブランド、アイデア、特許などが該当します。企業のオリジナリティーや競争力の根幹となる財産なので、法律により保護したうえで、情報と同じく外部に漏れないよう自社内でも適切に管理する必要があります。

知的財産の管理は、企業の知財部門が担当することが一般的です。主に以下のような事柄を管理します。

  • 自社ではどの権利をどれくらい保有しているか
  • 権利を使用しているのは自社なのか他社なのか
    など

リソース管理を行うメリット・重要性

ここからは、リソース管理を行うメリット・重要性について解説していきます。

「リソース管理は絶対にやらないといけないのだろうか」「専用のツールを導入してでも行うべきだろうか」と考えているプロジェクト担当者や経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

メリット1:メンバーの空き状況を加味した適切な人員配置ができる

プロジェクト開始前にリソース管理を行うことで、プロジェクトに必要な人員を、過不足なく適切にアサインし、配置することができます。結果として、労務費が必要最低限で済んだり、逆に人員が足りないことによるスケジュール遅延を防げたりするメリットがあります。

業務を任せられるメンバーの数や全体の工数は限られているため、複数のプロジェクトが同時に走っている場合、全体のリソースをどう配分するかが重要になります。

また、そもそもメンバーの空き状況を見て案件を受けるのか受けないのか、納期はいつなら可能なのかの判断もできます。

リソース管理を行わなわずに見切り発車でプロジェクトを進めてしまうと、特定の社員にタスクが集中したり、メンバーの残業が増えたりします。最悪の場合は納期に間に合わず、クライアントの信用を失う結果になりかねません。

また逆に、メンバーをアサインしすぎると、時間を持て余してしまうメンバーが出るなど、余計なコストがかかってしまうケースもあります。

リソース管理を事前にしっかりと行い、適切な工数を見積もって、タスクを細分化し、人員配置を行うことで、現実的な人員配置が可能となります。

現実的な人員配置を行うには、誰をどこにアサインするか、されているかといった「アサイン管理」も重要です。アサイン状況やアサインする人員候補を管理することで、適切な人員配置ができるようになります。アサイン管理については、以下の記事も合わせてご覧ください。

※参考:アサイン管理ツールの選び方とおすすめ5選|アサインの重要性・よくある課題も解説

メリット2:プロジェクトを推進させやすくなる

プロジェクト開始前と進行中の両方でリソース管理を適切に行うことで、プロジェクトをスムーズに進行できるメリットがあります。

プロジェクトが開始される前にしっかりと計画を立てることで、プロジェクト開始から完了までの道筋が明確になり、適切な管理がしやすくなります。

さらに、プロジェクト進行中にも、計画通りにリソースを活用できているかをリアルタイムで確認することで、スケジュールの遅延や問題に早く気付き、適切な対応を取ることができます。

プロジェクト進行中に適切にリソース状況を監視・管理することは、社員の負荷削減やモチベーションアップにも繋がります。

また、工数管理ツールなどで「誰がどの業務にどれくらい工数をかけているのか」というデータを蓄積していくことで、次回以降のリソース管理や精度の高い工数見積もりにも活用できます。

メリット3:プロジェクトの原価を正しく把握できる

リソース管理の3つ目のメリットは、プロジェクトの原価を正しく把握できることです。

リソース管理の初期にしっかりとした計画を立てて、その計画通りに進んでいるか都度確認しながら進めていくことで、「プロジェクトの原価が現状どうなっているか」「赤字になっていないか」などを確認できます。

例えば、当初、時間単価3,000円の社員が20人日で完了させられると見積もったプロジェクトがあったとします。この場合の原価は3,000円×8時間×20日=48万円です。

ところが、プロジェクトが開始してみると想定以上の工数がかかり、半分の10日が経過した時点で、プロジェクトがまだ4分の1しか終わっていなかったとします。この場合、このまま進めてしまうと、想定の2倍の原価がかかってしまうことになります。

このプロジェクトで得られる利益が100万円だった場合、このまま進めると赤字になる可能性もあることが分かります。

リソース管理を行い、こうしたケースにいち早く気付ければ、「あとどれくらいの予算を使えるのか」を判断することもできるのです。

原価を管理するには、単価いくらの社員がどれだけ働いたかといった工数管理が必須となります。工数管理をきちんと行うことで、正確な原価を算出、管理できるようになるからです。原価管理や原価をはじめとするコスト管理については、以下の記事を読むと理解がより深まるでしょう。

※参考:原価管理とは|目的や必要性・手順を具体例付きで解説

※参考:コスト管理とは?手法や管理すべきコストの種類などを解説

メリット4:案件数を適切にコントロールできる

メンバーのアサイン率(就業予定時間のうち、どれだけの時間がプロジェクトに割り振られているのか)をリアルタイムで可視化することで、事業全体で案件数をコントロールし、利益率を改善することができます。

例えば、社員のプロジェクトへのアサイン率が低く空きが発生している場合は、その分の労務費が無駄になってしまいます。もしリソース管理を適切に行い、アサイン率が低いことが分かったのであれば、新規案件の獲得に力を入れることで、稼働状況を最適化できるでしょう。

例えば、広告の出稿量を増やす、営業の訪問件数を増やすなどの、経営視点・マーケティング視点での意思決定も行えるようになります。

リソース管理の進め方5ステップ

プロジェクトの成功に欠かせない「適切なリソース管理」の進め方を解説していきます。

リソース管理の進め方5ステップ

  1. プロジェクトに必要なリソースを見積もる
  2. 現状のリソースを把握する
  3. リソースを配分して計画を立てる
  4. 進捗状況を確認する
  5. リソースの再配分など対策を実施する

ステップ1:プロジェクトに必要なリソースを見積もる

リソース管理の最初のステップは、プロジェクトに必要なリソースを正しく見積もることです。

具体的には、プロジェクトの目的を達成するために必要な期間、人員、予算を、各フェーズごとに特定します。

リソースを正確に見積もるためには、過去プロジェクトの実績を活用するのがおすすめです。

例えば、工数管理ツールで「実際にどのくらいの工数がかかったか」を普段から管理しておくことで、蓄積された実績をもとに精度の高い工数の計算や見積もりができるでしょう。

工数計算の必要性や具体的な方法については、「工数計算とは?なぜ必要なのか・計算式・具体的なステップまで解説」の記事もぜひご覧ください。

ステップ2:現状のリソースを把握する

次は、現時点で使えるリソースを正しく把握するステップです。

例えば、社員それぞれの稼働状況はどのようなものか、時間単価いくらの社員にどの程度の業務を依頼できそうかなどを確認します。

リソースが足りない場合には、外部から人員を確保したり、そもそもプロジェクトを受けるかどうかを見直したりする必要があります。

ステップ3:リソースを配分して計画を立てる

ステップ1とステップ2をもとに、実際にプロジェクトごとにリソースを配分して計画を立てていきます。

例えば、プロジェクトに割ける原価(人件費)が100万円の場合、時間単価2,000円のメンバー2人に20人日、時間単価3,000円のメンバー1人に15人日の作業を配分するなどの調整を行います。

プロジェクトが複数ある場合には、プロジェクト間やタスクの重要性ごとに優先度を決めて、うまく配置していく必要があります。

メンバーごとに熟練度や得意分野が異なるため、プロジェクトが最も円滑に進むようなリソース配分やタイミングの調整も必要になるでしょう。

ステップ4:進捗状況を確認する

適切なリソース管理を実現するには、計画を立てたあとの管理も重要です。

プロジェクトが始まってから、当初の計画通りに進んでいるかを日々確認します。

具体的には、見積もった工数の範囲内でプロジェクトが進行しているかや、工数×稼働単価をリアルタイムで可視化するなどを行います。

予算をあとどれくらい使えるのか、各メンバーの空き状況はどれくらいかを確認しながら、プロジェクトを推進させるための打ち手を考えていきます。

ステップ5:リソースの再配分など対策を実施する

プロジェクトが赤字になっていないか、人員は足りているかを把握できたら、必要に応じてリソースの再配置を行うなどの対応を講じて計画を修正します。

この際、見積もった工数と実際にかかった工数を比較することで、プロジェクトの軌道修正がしやすくなる他、次のプロジェクトを行う場合の見積もりの精度を向上できるメリットもあります。

想定したリソースを大幅に上回っている場合は、何が原因で見積もりとズレてしまったのか後で原因をしっかり究明することも大切です。

リソース管理をスムーズに進めるための4つのポイント

ここからは、リソース管理をスムーズに進めるために重視したい4つのポイントを解説していきます。

ポイント1:個人のスキルや特性を把握して人員配置を行う

リソース管理を行う際は、個人のスキルや得意分野、対応スピードなどを把握して、それらを考慮した人員配置を行うことが大切です。

例えば、同じ作業を行う場合にも、Aさんなら1時間で終わるが、Bさんは慣れていないため3時間かかる、ということは良くあります。

Aさんのスキルやスピードを想定してBさんを配置してしまうと、当然、想定したスケジュールで作業が完了できません。

工期が短いプロジェクトにはAさんを配置するなど、個人のスキルや特性を考慮した人材配置が必要です。

また、人材によって稼働単価が異なるため、リソース管理を行う際も稼働単価をベースに予算を管理していくことも重要となります。

ポイント2:リソースの優先順位をつける

リソースには上限があるため、プロジェクトやタスクごとに優先順位をつけて管理していくことが重要です。

例えば、納期がある社外プロジェクトと、納期のない社内プロジェクトがあった場合、前者のプロジェクトにメインのリソースを割き、余ったリソースで後者の対応を行うことが多いでしょう。

複数のプロジェクトを同時に走らせる場合、どちらのプロジェクトをメイン業務にするか、メンバーが迷わないようにしておくことも重要です。

また、同じプロジェクトの中でも、目的達成の成否にかかわる最重要なタスクとそれ以外のタスクがあります。

最重要なタスクには熟練した人員をアサインするなど、強弱をつけたリソース管理を行うことが大切です。

ポイント3:普段から工数管理をしっかり行っておく

リソース管理を適切に行うためには、普段から工数管理を適切に行い、「当初の計画に対して実際にはどのくらい工数がかかったか」をしっかり把握・蓄積しておくことが非常に重要となります。

工数管理ができていない場合、感覚でプロジェクトメンバーをアサインすることになるため、リソースを正確に見積もることができません。

想定したよりも多くの工数が必要だったとなれば、想定以上の原価がかかり、結果的に赤字プロジェクトになってしまいます。長時間の残業を強いることになったり、納期の引き直しが必要になったりするケースもあるでしょう。

また逆に、多くのリソースを見積もりすぎてしまった場合、人員が余り、結果的に無駄な人件費がかかることもあるでしょう。

普段から工数管理を正確に行っておけば、実績ベースで精度の高い見積もりをもとに計画を立てることができ、スムーズにプロジェクトを進行できます。

ポイント4:リソース管理の効率化ツールを活用する

リソース管理をスムーズに適切に行うためには、個人のスキルや特性の把握だけでなく、稼働単価とのバランス、予算とのギャップのリアルタイムな把握、事業全体での通算のコスト管理など、さまざまな点を気にする必要があります。

特に、複数のプロジェクトを一元管理したい場合には、エクセルなど既存のツールでの管理だと対応しきれないケースが多いでしょう。

リソース管理を効率的に行いたいならば、専用ツールの活用がおすすめです。

リソース管理ツールといっても、管理したいリソースの種類や目的によって使うべきものが異なります。必要に応じて、自社に適したツールを検討してみましょう。

リソースの種類

リソース管理の内容・例

工数を管理したい

工数管理システム

例:チムスピ工数、TimeCrowdなど

原価(労務費)を管理したい

プロジェクト原価管理システム

例:チムスピ工数

人材を管理したい

タレントマネジメントシステム

例:SmartHR

タスクやプロジェクトを管理したい

タスク管理システム

例:Jooto

※上記以外に、これらを総合的に行えるツールもあります。

リソース管理におすすめのツール5選

ここからは、リソース管理を効率的に行う場合におすすめのツールを具体的に5つピックアップして解説していきます。

1:チムスピシリーズ(チムスピ工数など)

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株式会社チームスピリットが提供している「チムスピシリーズ」は、企業のニーズに合わせて、勤怠管理・工数管理・経費精算の機能を選択できるバックオフィスツールです。

一部はアドオンが必要ですが、リソース管理の核となる以下の機能が利用できます。

  • アサイン管理機能(稼働状況=ヒトの管理)
  • 原価管理(カネの管理)
  • 工数管理(各リソース管理のもととなる工数=ヒトや時間の管理)

▼アサイン管理機能の画面例

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▼予実管理画面の例

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チムスピシリーズの強みとして、「チムスピ勤怠」と連動して勤怠管理と工数管理を同時に行うことで整合性が高まり、より正確な工数管理、原価管理が行える点があります。

▼工数管理画面の例

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これらの機能を活用することで、プロジェクトごとのリアルタイムな予実管理(予測値と実績の比較を分析し活用する)が行えます。

▼チムスピシリーズの概要

リソース管理に使える機能

・工数管理(勤怠管理と連動可能)

・プロジェクトアサイン管理機能(オプション)

・プロジェクト原価管理(オプション)

初期費用

15万円

月額ライセンス費用

1ユーザーあたり300円~
※各社のニーズに合わせた、お得なパッケージプランもあり

チムスピシリーズの詳細を確認する

2:TimeCrowd

TimeCrowd.png※引用:TimeCrowd 公式サイト

「TimeCrowd(タイムクラウド)」は、シンプルな操作で社員の稼働時間を可視化できる工数管理ツールです。

誰が何にどのくらい時間をかけているか管理することで、プロジェクトごとの収支管理や赤字プロジェクトの確認を実現できます。

直感的に操作できることが魅力な工数管理ツールで、最低限のリソース管理・タスク管理をしたい企業などに向いています。

▼TimeCrowdの概要

リソース管理に使える機能

・プロジェクトごとの収支管理

・時間管理

・タスク管理

初期費用

110,000円~

※ライトプランは無料

月額費用

1ユーザーあたり550円~880円
※エンタープライズプランは要相談

3:jooto

Jooto.png※引用:jooto 公式サイト

「Jooto」は、ガントチャートなどを使って、タスクを可視化し、プロジェクトに関わるタスクを一元管理できるクラウドツールです。

タスクを作成すると自動的にガントチャートに反映されるため、プロジェクト進捗をひと目で確認でき、リソースの逼迫状況も可視化できます。

ふせん形式で直感的にプロジェクト管理を行いたい方におすすめです。

▼jootoの概要

リソース管理に使える機能

・タスク管理

・タスクに紐づいた予実管理機能

初期費用

要相談

月額費用

1ユーザーあたり417円~980円

※無料プランあり

※大企業向けプランは要相談

4:Smart HR(スマートHR)

smart_hr.png

※引用:Smart HR 公式サイト

「Smart HR(スマートHR)」は、人事・労務の業務効率化からタレントマネジメントまでを一元管理できるクラウド人事労務ソフトです。

社員の人事評価を行うこともできるため、適切な人的リソース管理(タレントマネジメント)に活用できます。

多くの外部ツールと連携しているのが強みで、例えば「Smart HR」で管理した社員情報をそのまま「チムスピ勤怠」「チムスピ工数」のマスタ情報として活用することもできます。

▼Smart HRの概要

リソース管理に使える機能

・配置シミュレーション

・スキル管理

初期費用

無料

月額費用

要見積もり

5:エクセル(Excel)

excel_mm.png※引用:Microsoft Excel 公式サイト

「チーム間でのタスク管理表」や「進行管理表」、簡単な「工数管理」ならば、エクセルでリソース管理することもできます。

例えば、本サイトでも工数管理のエクセルシートを無料で配布しています。詳しくは、「工数管理をエクセルで!表の作成方法や使い方・テンプレートを紹介」の記事をご覧ください。

エクセルテンプレートを無料配布しているサイトは多く存在するため、自社にアレンジして使えば無料で簡単にリソース管理を始めることができます。

ただし、エクセルでの管理は、柔軟性がなく高度な管理には向いていない点に注意が必要です。

特に「複数のプロジェクトを一元管理したい」「マスターデータと自動連携するようにしたい」など本格的なリソース管理を行いたい場合には、有償のツールの導入も検討してみてください。

まとめ|リソース管理を適切に行ってプロジェクトを成功させよう

本記事では、「リソース管理とは何か?」から管理方法まで解説しました。

「リソース」には6種類ありますが、リソース管理の対象となるのは、人材の配置と管理、コスト管理、工数管理の部分がメインとなります。

個別に管理するエクセルやツールを導入する方法もありますが、これらを一元管理するには、プロジェクト管理に特化した効率化ツールがおすすめです。

組織の悩みや状況に応じて最適なツールを導入して、適切なリソース管理を目指しましょう。

【他社はどうしてる?】
100社に聞いた工数管理の実態調査と改善事例を無料配布!

  • 工数管理が従業員の負荷を高めている
  • 工数の一括登録が常態化し精緻な原価管理ができていない
  • リアルタイムにプロジェクトの予実管理ができていない

工数管理に課題を抱える企業様は多いものの、既存の方法を脱せず応急措置的な業務改善を繰り返しているケースが見受けられます。

ぜひ同様の課題を抱えていた他社事例を参考に、自社の抜本的な業務改善や正確な工数管理の実現の一助としてお役立てください。

「最新版:工数管理の実態調査」を無料ダウンロードする