リモートワークには、生産性向上やワークライフバランス向上などのメリットがある一方で、コミュニケーション不足や勤怠管理が難しいデメリットがあります。そこで、オフィスワークとリモートワークそれぞれの長所を融合した「ハイブリッドワーク」が注目されています。

本記事ではハイブリッドワークの課題と解決策、注意点を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

ハイブリッドワークの現状

ハイブリッドワークを取り巻く環境も整備され始めていて、2020年にはパソナグループがハイブリッドワークライフ協会を設立しました。ハイブリッドワークライフ協会では、場所や時間、職種に捉われない多様な働き方を支援し、新しい働き方を実現するプラットフォームの構築に取り組んでいます。

2022年のWeWorkの調査によると、約6割の企業でハイブリッドワークを導入しているという報告があります。また、未導入企業の従業員の約5割がハイブリッドワーク導入を希望している調査結果もあり、今後企業が優秀な人材を獲得するためには、柔軟な働き方の整備が必須であると分かります。

ハイブリッドワークにまつわる課題

ここではハイブリッドワークにまつわる課題について解説していきます。

従業員の勤怠管理が難しい

ハイブリッドワークでは、従業員の勤怠管理を正確に行うことが難しいケースが多く見られます。オフィスワークとリモートワークが混在するなかで、誰がどこで仕事をしているかが見えにくく、正確に勤怠管理しにくいためです。

勤怠管理システムで正確な勤怠情報を収集したり、裁量労働制を導入したりするなど、対策が欠かせません。

コミュニケーションが不足する

ハイブリッドワークでは、働く場所や時間が異なるため社内コミュニケーションが不足する可能性があります。

特にリモートワーク組はコミュニケーション不足により情報共有が漏れ、オフィスワーク組との情報格差が生まれやすいでしょう。疎外感があるといった問題も招きやすく、チーム全体のパフォーマンスの低下が懸念されます。

ハイブリッドワークの期間が長くなるほど、同じ部署でもほとんど交流機会がない人がいたり、業務の依頼がしづらかったりするなどの課題が発生します。

公正に評価しにくい

リモートワークは働きぶりが見えないため、オフィスワークと比べて適正な評価がしにくい可能性があります。

オフィスに出勤している従業員が高く評価される場合、オフィスワークしないと評価につながりにくいという不満が発生します。社員のモチベーション低下や退職リスクを招くことになりかねません。リモートワークの形骸化につながり、ハイブリッドワークの継続が困難になってしまいます。

イレギュラー業務やトラブルに対応しにくい

担当者がリモートワークしている日にイレギュラーな依頼が来たり、トラブルが起きたりすると、迅速に対応できない場合があります。

オフィスワークをしている従業員へ、イレギュラー業務やトラブル対応のシワ寄せが起こるため、チーム内での不平不満につながりかねません。

ハイブリッドワークにおける課題の解消方法

ここではハイブリッドワークの課題を解決する方法について解説していきます。

勤怠管理システムを活用する

ハイブリッドワークには、オフィスワークとリモートワークのどちらの働き方においても共通で使用できる勤怠管理システムの導入が必須です。

クラウド管理の勤怠管理システムを導入すれば、従業員の勤怠情報を管理しやすくリアルタイムで確認できます。

勤怠管理システムにより、出退勤の打刻や残業の申請、有給残日数の管理、労働時間の自動集計などができれば、ハイブリッドワークにおける勤怠管理の課題は解消されるでしょう。

Web会議・チャットツールや社内SNSを活用する

従業員がどこにいても働ける環境作りのためには、Web会議システムの整備やチャットツール、社内SNSの活用が重要です。

定期的なWeb会議で情報共有することも大切です。情報の伝達不足を防いだり、従業員の健康管理をしたりする効果を期待できます。

また、従業員同士の接触機会を増やすために、コミュニケーションが活性化するような工夫を凝らしましょう。例えば、チャットや社内SNSで気軽に発言できるグループを作ることがおすすめです。

フリーアドレスを導入する

ハイブリッドワークの効果を高めるために、オフィスワークとリモートワークをシームレスにつなげられるフリーアドレスの導入が有効です。

フリーアドレスを取り入れることで、部署を超えた交流が生まれ社内コミュニケーションの活性化が期待できます。それにより新たな関係性の構築やアイデアの創出されることもあるでしょう。

また、フリーアドレスの導入によって余ったスペースを社員同士の交流スペースにしたり集中ブースを設置したりすれば、オフィスコストの削減も期待できます。

評価制度の見直しを行う

ハイブリッドワークの導入や運用において、従来の評価制度では公正な評価ができない可能性があります。透明性のある適正な評価を行うためには、評価制度を見直すことが大切です。

例えば、360度評価のように、働き方に関係なく多角的に評価できる評価制度を取り入れることも有効です。

リモートワークで見えにくい業務プロセスの部分を、いかに把握して評価するかが重要です。成果のみでの評価にならないよう工夫する必要があるでしょう。

緊急時の対応方法を明確にしておく

緊急時も即座に対応できるように、オフィスワークとテレワークのルールを整備する必要があります。

例えば、緊急時に備えて常に1人はオフィスに出勤するような対策を整備する、緊急時の対応フローを明確に決めておくなどです。それらをチーム内で共有しておくことも大切です。

ハイブリッドワークの導入を成功させる方法

ここでは、ハイブリッドワークの導入を成功させるために注意したいポイントを解説していきます。

ルールや制度を整える

従業員がさまざまな場所で仕事をするハイブリッドワークでは、誰もがどのような状況下でも快適に働けるルールや制度を整える必要があります。

週何日出社、交通費の支給、緊急時にどのような対応を企業側で行うのか、ルール適用の対象範囲はどこまでかなど、明文化して共有しましょう

ルールや制度構築の際には、従業員の意見を聞きながら全員が不公平感を抱くことなく快適に働けるようにルールや制度を整えることが重要です。

セキュリティ対策を万全にする

ハイブリッドワークを導入すると、社内データやPCをオフィス外に持ち出す機会が多くなるため、セキュリティ対策を徹底する必要があります。

重要なデータへのアクセス権限をかける、認証を強化する、キュリティソフトを導入するなど、ハード面での対策を行いましょう。

また、従業員のセキュリティリテラシーを高めるため研修や勉強会の実施も有効です。個人情報や社内機密情報の漏えい、PCのウィルス感染を防ぐためには、従業員が高いセキュリティ意識を持ってテレワークをしなくてはなりません。

従業員のセキュリティ意識を高めるための教育や研修を積極的に実施し、社内全体のセキュリティレベルを上げる取り組みが重要になります。

まとめ

ハイブリッドワークを成功に導くための課題と解決策、注意点について解説しました。

リモートワークとオフィスワークそれぞれのワークスタイルのメリットを持つハイブリッドワークの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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