データドリブン経営とは

データドリブン経営とは、データ・情報・分析結果など客観性のある指標を用いて企業の意思決定をする経営手法です。いわゆる「KKD(勘・経験・度胸)」など個人の感覚だけにとらわれない経営判断ができるので、裏付けに基づいた確実な成果を求める企業に向いています。

また、企業全体にデータドリブン思考が定着していなくても、マーケティング・営業・経営企画など特定の部署だけでデータドリブンを実行している企業も増えています。手軽にデータ収集できる時代だからこそ、業種を限定せずさまざまな企業で活用されているのです。

データドリブン経営を行うメリット

まずは、データドリブン経営のメリットを解説します。

なぜ経営者の鋭い勘だけに頼らずデータを活用する必要があるのか、前提となる課題意識から見直していきましょう。

顧客ニーズへの理解度を深められる

的確にデータを収集・分析することで、顧客ニーズへの理解を深められます。近年は、SNSの発達により市場ニーズやトレンドが絶え間なく変化するようになりました。リアルタイムで市場分析することが急務であり、逃すと多大な機会損失を招くことも多いのです。

顧客ニーズを的確に捉えることができれば、魅力的な商品・サービスを効果的なタイミングで打ち出せます。新規顧客の開拓や既存顧客の囲い込みの効果が大きく、収益性を伸ばすことができます。

根拠のある意思決定ができる

客観的なデータに基づいて経営方針を決められるので、根拠のある意思決定をしたいときに最適です。説得力が増すため社内調整にかかる時間を抑えられるうえ、ときには株主や金融機関へのアプローチとしても効果を発揮します。

また、「経営者の勘がなければ意思決定できない」などの属人的な状況から脱しやすいことも、データドリブン経営のメリットです。意思決定を平準化するためにも、早期の段階でデータドリブン経営を浸透させてはいかがでしょうか。

変化対応力が向上する

絶え間なく変化するデータを正確に分析する社内ノウハウを得られれば、スピーディーに意思決定できます。環境が変化しても素早く経営方針を判断したり、採算性の低い事業から速やかに撤退してダメージを最小化したりと、さまざまな効果が期待できるのです。

将来予測も迅速にできるため、新規事業の成否を判断したいときにも役立ちます。

データドリブン経営に必要な要素

ここでは、データドリブン経営に必要な用途やツールを解説します。

社内にノウハウがない企業こそ、プラットフォームやツールを頼り、全従業員がデータ分析できるようになることを第一目標としましょう。

データを管理するプラットフォーム

まずは正確かつスピーディーにデータを収集できる環境を整えるため、データを管理するプラットフォームを導入します。代表的なプラットフォームとして、データウェアハウス(DWH)やデータマネジメントプラットフォーム(DMP)などが挙げられます。

各部門でバラバラに管理されているデータを集約でき、ナレッジとして確立させられるのが特徴です。データバンクとしても活用可能で、早期に導入して情報を増やしていくと幅広い活用を期待できます。

分析ツールの活用

蓄積したデータを分析するため、ツールを導入します。ただし、データ収集に特化した製品もあれば加工・分析・レポーティングに特化した製品もあるので注意しましょう。

前項で導入したプラットフォームにない機能を重視すると、重複なく活用できるのでおすすめです。代表的なツールとして、DMP・MA・SFA・CRMや社内向けの分析ツール「TeamSpirit などが挙げられます。

データを活用する文化の醸成

データドリブン経営を形骸化させないため、データを活用する社内文化の醸成も不可欠です。

まずは、誰でも扱いやすいユーザーインターフェースを重視したツールの選定が重要です。そのほか、定期的にデータ分析研修を開催するなど、手法は多岐に渡ります。

各従業員にデータを活用する意識を根付かせ、社風として確立させましょう。

データドリブン経営を導入する手順

最後に、データドリブン経営を導入する手順を解説します。

必要なデータの定義

自社が経営判断するにあたりどのようなデータが必要か、あらかじめ決定します。必要なデータを定義しておけば、効率良く情報収集できるだけでなく、データの重複を避けられます。

また、後々になって「必要なデータが取れていない」「特定部門のデータだけが抜け落ちている」などのトラブルも防げるでしょう。デ

データの収集・可視化

前述したプラットフォームを活用し、データ収集と可視化を進めます。

まずは、部門ごとにバラバラで管理しているデータを一元管理するよう努めましょう。例えば「従業員の基本情報は人事部」「給与データは経理」「個々の社会保険料徴収額は労務管理部」などデータ所在のバラつきがある場合が想定されます。

関連部門の従業員が権限に応じて幅広く閲覧できる状態でなければ、新しいツールを導入するのもひとつの手です。勤怠管理、工数管理、経費精算などのバックオフィス機能を一元化するなら「TeamSpirit」をご活用ください。全社員が日常的に使用する機能をひとつにまとめることができ、あらゆる情報を可視化できます。

そのほか、ペーパーレスを推奨しクラウド化するなど、データの管理・収集がしやすい環境をつくることもポイントです。

データ分析・意思決定

目的に合わせて収集データを分析し、意思決定に役立てます。同じデータでも月別・人別・地域別・案件別など視点を分けて分析していくことで、違った効果が見えるケースも多いので参考にしてみましょう。

分析した結果をもとに自社の強みや今後の課題を可視化し、最終的な意思決定を行います。より精度の高い分析を求めるときやビッグデータ分析に乗り出したい場合、社外の専門家に依頼するのもひとつの手段です。

データを活用した計画の策定

データ分析は、あくまで手段のひとつです。分析した結果に基づいて、今後の計画を策定することが重要となります。最適な計画を策定・実行して、収益を向上させることを最終的な目的としましょう。

データドリブン経営ばかりに目がいくとどうしても「データを収集・分析すること」に意識が集中してしまうので、定期的に本来の目的を確認することをおすすめします。

データをもとにした計画の実行

前項で策定した計画を実行に移します。その後も定期的にPDCAサイクルを回せるよう、実行後の結果をデータで残し、更なる分析に役立てましょう。結果に応じて計画を修正・改善するなど工夫していけば、より精度の高いデータ活用が可能になります。

繰り返すうちに社内にデータ活用のノウハウが蓄積していくため、従業員に共有・周知しながら教育に役立てる視点も重要です。

まとめ

ニーズやトレンドの変化が激しい現代において、リアルタイムかつスピーディーな意思決定と正確なデータ分析は必要不可欠な要素になりつつあります。

まずは自社の強み・弱みを知るためにデータ収集を行い、目的に合わせて分析しましょう。そのうえで最適な行動計画に落とし込み、計画の実行・PDCAサイクルの確立までできればデータ活用のノウハウが蓄積されていきます。

データドリブン経営実現のためには、自社に合ったプラットフォーム及びツールの活用も重要です。誰でも扱いやすいユーザーインターフェースであることや既存ツールとの連携性が高いことをチェックしながら、使いやすいツールを選定してみてください。