2020/05/29
チームスピリットのテレワークノウハウ全部公開|マネジメント編

このブログは、2014年からテレワークに積極的に取り組み、また昨今の新型コロナウイルス感染拡大を受け、1月末から原則全社員一斉テレワークを実施している現在も、平時とほぼ変わらない生産性を維持することができている株式会社チームスピリットのテレワークの仕組みやコツ、事例などを全8回でご紹介する連載の第5回です。
テレワークを導入したばかりの企業様では、「社員が本当に仕事をしているのか...」「進捗が分からない」「コミュニケーションがとりづらい」といった課題を感じていらっしゃることがあると聞きます。
チームスピリット社では、テレワークなどのフレキシブルな働き方を進める一方で、成果を意識した就業ルールや仕組みを設け、『成果にコミットした自律的な働き方』を志向しています。
その結果、テレワーク中も社員の仕事ぶりを監視するようなマネジメントを行わずとも、社員は自律的に仕事に取り組み、平時とほぼ変わらない生産性を維持することができています。
そこで第5回のこのブログでは、「マネジメント編」と題して、『成果にコミットした自律的な働き方』を実現するために、これまでどのような就業ルールや仕組みづくりをしてきたか、コロナ禍における全社員一斉テレワークにおいては加えてどのような工夫を行っているかなど、詳しくご紹介していきます!
目次
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4つのマネジメントのポイント
① 目標管理制度の導入
② 適切な目標設定
③ 目標達成のためのアクションプラン設定
④ 定期的なフィードバック機会の設定 -
営業チームで行っているマネジメントの実例
① 営業チームで行っているマネジメントの工夫
② システムを活用したマネジメントの最適化 -
全社員一斉テレワークでのマネジメントの工夫
①家庭の事情への理解と配慮
②マネージャーが行っている工夫
⒈ チームスピリット社のマネジメントの考え方
チームスピリット社のマネジメントの考えの根幹にあるのは、「働いた時間ではなく、いかに質の高いアウトプットをしたか」を重視することです。
これは、チームスピリット社で行われる仕事の多くが、掛けた時間とアウトプットが比例する定型業務ではなく、個人の能力や仕事の仕方などでアウトプットの質が大きく変わる非定型業務であることが大きな理由の1つです。
(※36協定で定めた労働時間以上働くことや、特別な事情がない場合に所定労働時間を下回る勤務をすることは認められていません。)
⒉ 4つのマネジメントのポイント
それでは、このようなマネジメントの考えに基づいて、『成果にコミットした自律的な働き方』を実現するにはどのようなことが必要か。
私たちが考える4つのポイント(①目標管理制度の導入、②適切な目標設定、③目標達成のためのアクションプラン設定、④定期的なフィードバック機会の設定)に沿って、チームスピリット社の事例をご紹介していきます。
① 目標管理制度の導入
チームスピリット社では、「OKR」に則った目標管理制度を導入しており、この制度が『成果にコミットした自律的な働き方』を実現する上でのベースになっています。
OKRとは、「Objectives and Key Results」の略称で、組織が掲げるミッションや目標を達成するために、組織とそこで働く個人の達成目標(Objectives)と主要な成果指標(Key Results)をリンクさせる目標管理手法の1つです。
具体的には、まず社長が会社のミッションに基づいた年間の達成目標/成果指標を設定します。
次に、それを達成するために必要な達成目標/成果指標を事業部が設定し、さらにこれをチームのレベル・個人のレベルで具体化した達成目標/成果指標に落とし込んでそれぞれ設定します。
個人レベルでの設定を行った後は、1つ上の階層のマネージャーと合意形成を行い、中間レビューでは上半期の振り返りと下半期の目標確認を、年度末レビューでは1年間を振り返った実績の確認を行います。
② 適切な目標設定
では、目標管理を行う上での重要な前提となる目標設定はどのように行っているのか。
適切な目標を設定することは、社員が自律的にやりがいを持って仕事を行うためにとても重要です。
チームスピリット社では、以下のような点に注意して目標設定を行っています。
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自身が可能と考える設定値より高い目標を設定する(60~70%の達成度を想定した目標)
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1つの目標につき、成果指標を3個ほど設定する
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成果指標は、極力数値と期限を含め、計測可能となるようにし、実現すれば目標達成に直接結びつくことがわかるような内容にする
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各個人は組織に紐づいた自分の達成目標/成果指標を自ら考え、上司と合意形成する
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各個人が設定する達成目標/成果指標は、会社の目標に紐づいていれば、必ずしも1つ上の階層の達成目標/成果指標を達成するものでなくても良い
こうした目標設定により、以下のようなメリットが生まれます。
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高い目標を達成するためには、現状維持のままでは達成できないので、新しいチャレンジや変革が起こりやすくなる
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完全には達成できなくても予想外の成果を挙げることができる
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他者が設定した目標ではなく、自分が納得して設定した目標なので、主体的に目標達成に向けた行動をしやすくなる
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ゴールが明確になり、何をいつまでにどのようにして行うかが鮮明になりやすい
また、設定した目標は、社長⇒部門長/上司⇒自身といった垂直連携のみならず、他部門や他チームリーダーの目標がどうなっているのかも併せて参照することができ、組織の垣根を超えた目標の共有を図ることで水平連携も可能にしています。
他部門やチームの目標が会社目標にどう作用するのか、また他組織の目標と自身の目標との結節点を知ることで、組織としてシナジーを生み出すことを可能としています。
③ 目標達成のためのアクションプラン設定
次に欠かせないのは、目標を達成するための成果指標に対応したアクションプランで、これも各個人が主体的に考えます。成果指標を満たすために、具体的に自分は何をアクションとして取るのかという自身のコミットメントにもなります。
アクションプランを設定した後は、タスクに分解し、優先順位をつけて、全社導入しているG suiteのカレンダーなどに落とし込み、実行していきます。
④定期的なフィードバック機会の設定
定期的にフィードバックの機会を設けることもとても重要です。
会社全体としてオフィシャルな形式で実施する中間レビューや年度末レビュー、日々の業務の中でのフィードバックだけでなく、必要に応じて上司と本人で行うチェックイン(目標に対する進捗状況や目標の変更是非を確認するための機会)や1on1(目標達成の支援や育成などを目的としたミーディング)の機会を設けることで、目標管理の形骸化を防ぐことや、素早い軌道修正を行うことができます。
また上記以外にも、経営メンバーも含めた定例ミーティングを実施しているチームも多く、これらの定期的なフィードバックがあることにより、健全な緊張感が生まれ、成果へのコミットと自律的な働き方の両立ができる要因の1つとなっています。
お役立ち情報
Google re:Work OKRを設定する
⒊ 営業チームで行っているマネジメントの実例
では続いて、これまでご紹介したマネジメントのポイントをチーム単位ではどのように運用しているのか、主に新規のお客様に向けた提案〜契約締結を担う営業チーム(ソリューションセールスチーム)の事例をご紹介します。
① 営業チームで行っているマネジメントの工夫
営業チームでは、これまでご紹介したポイントに加えて以下のようなマネジメントを行うことによって『成果にコミットした自律的な働き方』を実現しています。
▼目標管理制度に基づいた目標の設定
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マネージャーが会社の達成目標/成果指標に基づいて、大枠の戦略を示すとともにチームの達成目標/成果指標を定める(各メンバーの営業の数値目標は、等級に応じて定める)
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- 各メンバーは、チームの達成目標/成果指標に基づいた、各個人の達成目標/成果指標を定める
- 各メンバーは、チームの達成目標/成果指標に基づいた、各個人の達成目標/成果指標を定める
▼目標達成のためのアクションプラン設定
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困ったときには、随時メンバーやマネージャーに相談し、軌道修正を行う
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▼定期的なフィードバック機会の設定
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マネージャーとチームメンバー全員が参加する月例のミーティングで、成果や進捗、成功事例・失敗事例や課題などを報告する
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それに対し、マネージャーは営業実績と本人からの報告内容、工数実績等を見てアドバイスを行う
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② システムを活用したマネジメントの最適化
アクションプランの見直しやフィードバックの場では、営業支援や顧客管理のために社内で利用している「Salesforce(Sales Cloud)」と当社サービスの「TeamSpirit」をシームレスに連携させて活用しています。
具体的には、各営業メンバーは日々Salesforce上でお客様の情報や営業の進捗状況を登録し、振り返りを行えるようにするためTeamSpirit上で工数実績を登録しています。
登録された情報は、Salesforce上で以下のようにダッシュボード化されます。
ダッシュボード化することで、営業の現在の進捗状況が可視化されるだけでなく、その進捗に至るまでにどのような業務にどのくらいの時間をかけたかも可視化できるようになります。
これにより、個人の振り返りもマネージャーが行うアドバイスも精度を高めることができます。
また、日々の業務の中で、特定のお客様や商談に関する情報共有や相談を行う場合には、Salesforce上の社内SNS機能を利用してコミュニケーションをとっています。
⒋ 全社員一斉テレワークでのマネジメントの工夫
では最後に、今回のコロナウイルス感染拡大防止を目的とした全社員一斉テレワークでは、これまでの運用に加えてどのようなマネジメントの工夫を行っているか、ご紹介していきます。
①家庭の事情への理解と配慮
チームスピリット社には育児をしながらテレワークをしている社員も多く、休校・休園中の学校や保育施設が多い現在は、通常通りの時間帯に働くことが難しい社員もいます。
そのような場合にも、家庭と仕事を無理なく両立し、結果として仕事のパフォーマンスも上がるように、以下のような対応をしています。
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日中働けずに深夜早朝に働く必要がある場合は、申請する
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コアタイムに働けない場合は、無理してコアタイムに働かなくてOK
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働けない日がある場合は、欠勤とする
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⒈~⒊の結果、当月所定時間に不足した場合、会社判断で所定時間並み(固定残業代対象者は固定残業も)の給与を支給する
② マネージャーが行っている工夫
続いて、これまでの内容に加えてテレワークの中でどのようなマネジメントの工夫を行っているか、一部のマネージャーにヒアリングをした内容もご紹介します。
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話しかけやすい雰囲気をつくる(誰でも閲覧できるG suiteのカレンダーに予定を入れても良い時間を作る、ミーティングの場などで気軽に話しかけて良いことを伝えるなど)
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オンラインイベントなどを行い、コラボレーションの機会をつくる
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データの変化に敏感になる
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出来る限りレスポンスを早くする
※実際のテレワーク中のマネジメントやチーム運営の様子については、6/9(金)公開予定の「チームスピリット社員に聞く、テレワークのコツ テレワーク座談会 vol.4:チーム運営編」でも詳しくご紹介します!
⒌ テレワークブログの連載スケジュール
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6/5(金)公開予定 |
チームスピリット社員に聞く、テレワークのコツ テレワーク座談会 vol.3:各職種編 |
6/9(火)公開予定 |
チームスピリット社員に聞く、テレワークのコツ テレワーク座談会 vol.4:チーム運営編 |
※内容や掲載日は変更になる可能性があります。
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