改正女性活躍推進法の概要と求められる企業の対応、社内環境整備の5つのステップ

改正女性活躍推進法の概要と求められる企業の対応、社内環境整備の5つのステップ

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が刊行した「データブック国際労働比較2018」の就業者及び管理職に占める女性の割合のデータによると、日本の女性の管理職(課長職級)の割合は12.9%に留まっています。日本政府が「指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%とする」という目標を掲げたにもかかわらず、その進捗は芳しくないのが現状です。そうした背景もあり、2019年に女性活躍推進法が改正されました。

改正女性活躍推進法への対応が求められる企業が増えた影響もあり、社会的にも「女性が働きやすい環境」について目を向ける機会が増えつつあります。しかし、女性が活躍するための明確な基準を設け、具体的な対策を講じられている企業はまだ少ないのが現状です。では実際に、企業は女性活躍推進法に関して具体的にどんな対応が求められているのでしょうか。法律の概要とともに企業のこれからについて考察します。

女性が働きやすい環境を整備する「女性活躍推進法」

女性活躍推進法の正式名称は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。女性が働きやすい環境を整備することを目的に制定されました。近年、企業で働く女性の数は増えましたが、管理職に占める女性の比率は欧米と比べてまだまだ低い傾向にあります。また、厚生労働省が実施する「賃金構造基本統計調査」によると、女性の給与水準は男性の約75%に留まっています。依然として性別による待遇の格差が存在しているのです。

女性が働きやすい環境を整備する「女性活躍推進法」

女性活躍推進法は、職業生活と家庭生活を両立できる環境を整備し、本人の意思を尊重した働き方が実現できる社会を目指すことを基本原則としています。また、地方自治体においても女性活躍推進法に基づいた推進計画を策定することは努力義務です。

女性活躍推進法において、企業が求められている具体的な取り組みとしては、以下の事項があります。

【企業に求められる取り組み】

  • 女性の活躍に関する状況の把握、改善すべき事情についての分析
  • 「事業主行動計画」の策定・公表等(取組実施・目標達成は努力義務)
  • 女性の活躍に関する情報の公表

上記の取り組みが要求されているのは、国や地方自治体、従業員数301名以上の企業が対象です。現在、300名以下の企業については努力義務としています。

女性活躍推進法改正のポイント

日本国内において「女性が働きやすい環境」の整備は、大きな課題だと言えます。そうした状況も踏まえて2019年に改正女性活躍推進法が施行されましたが、具体的にどんな変更点があったのでしょうか。
主な改正内容は以下の3項目です。

ポイント1:一般事業主行動計画の策定義務の対象拡大

事業主行動計画の策定や女性の活躍に関する情報の公表について、これまでは従業員数301名以上の企業に義務付けられていましたが、2022年4月以降は従業員数101名以上の企業への拡大が予定されています。

ポイント2:女性活躍に関する情報公表の強化

従業員数301名以上の企業の場合、2020年6月以降は「職業生活に関する機会の提供に関する実績」「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」について、それぞれ1項目以上を選択し、求職者らが簡単に閲覧できるように情報公表する必要があります。

職業生活に関する機会の提供に関する実績】

  1. 採用した労働者に占める女性労働者の割合
  2. 男女別の採用における競争倍率
  3. 労働者に占める女性労働者の割合
  4. 係長級にある者に占める女性労働者の割合
  5. 管理職に占める女性労働者の割合
  6. 役員に占める女性の割合
  7. 男女別の職種又は雇用形態の転換実績
  8. 男女別の再雇用又は中途採用の実績

職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績】

  1. 男女の平均継続勤務年数の差異
  2. 10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合
  3. 男女別の育児休業取得率
  4. 労働者の一月当たりの平均残業時間
  5. 雇用管理区分ごとの労働者の一月当たりの平均残業時間
  6. 有給休暇取得率

ポイント3:「プラチナえるぼし」認定の創設

女性の活躍推進に力を入れている企業に対して、これまでは「えるぼし認定」が運用されていました。2020年6月以降は「えるぼし認定」を受けた企業の中でも特に優良と認められた企業に対して「プラチナえるぼし認定」が付与されます。社会に対する自社の取り組みを周知するうえでも、「プラチナえるぼし認定」は大きなアピールになり得ます。

企業が女性活躍推進法を遵守するメリットとは

女性が活躍できる社会基盤を整えることの重要性を理解しつつも、「自社が実践する必要はないのでは」と求めに対して懐疑的な企業もあるでしょう。しかし、現在において女性の活躍を推進することは、企業にとってもさまざまなメリットがあります。時代の流れを汲んだ企業として、社内外にアピールするうえで重要な意味を持ちます。

メリット1:優秀な人材の採用・定着につながる

女性の活躍をサポートする企業は、人材を大切にして従業員にとって働きやすい環境を整備しているというイメージ戦略で優位に立てる可能性が高まります。優秀な人材ほど自身の力を存分に発揮できる環境を求め、成長につながる企業を選ぶ傾向にあります。「プラチナえるぼし認定」を取得している企業は、女性はもちろん、すべての従業員を大切にしていることのアピールにもなり、優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。また、採用だけではなく、その後の定着率アップの面でも大きなメリットがあると考えられます。

メリット2:企業ブランディングの一環となる

女性が活躍できる労働環境の整備は、働き方改革の根幹にも直結する取り組みと言えるでしょう。働き方改革は単に残業時間を削減したり、有給休暇を取得しやすくしたりすることが目的ではなく、その前段には業務効率化による生産性の向上が挙げられます。業務のムダをなくし、従業員にとって働きやすい環境を整備することは企業のブランドイメージの向上にも直結します。また、「女性が活躍する会社」として世間に認知されれば、企業価値はさらに高まり、競合他社との差別化も図りやすくなるでしょう。

女性が活躍する社内環境整備における5つのステップ

女性活躍推進法に基づき職場環境を整備するためには、どんな取り組みが求められるのでしょうか。これから社内環境の整備やルールの見直しを検討している企業は、以下の5つのステップを踏まえたうえで、自社の改革に取り組みましょう。

ステップ 1:自社の状況の把握、課題分析

厚生労働省では、女性活躍推進法に基づく具体的な対応のための「行動計画策定支援ツール」を提供しています。まずは以下の4つの基礎項目についてタイプを分類し、自社の状況を確認しましょう。

  1. 採用した労働者に占める女性労働者の割合
  2. 男女の平均継続勤務年数の差異
  3. 労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況
  4. 管理職に占める女性労働者の割合

分類されたタイプに応じて「採用」「育成」「定着」「登用」「職場風土改革」「多様なキャリアコース」「賃金格差」から成る選択項目を定めており、これに入力することで目標設定や取組内容の具体的な事例を確認できます。

ステップ 2:計画の策定、社内周知、外部公表

支援ツールによって導き出された目標設定や取り組みの事例を参考にしつつ、自社で実際に取り組むべき内容の計画を立て、社内および外部に対しても公表します。行動計画の内容はできるだけ具体的に記載し、数値化できる目標は数値化し、期限も定めることが重要です。従業員向けにはメールや書面、ポスター、社内イントラなど複数の方法を活用して目に留まるような工夫が求められます。また、外部への公表手段としては、厚生労働省が運営している「女性の活躍推進企業データベース」を活用したり、自社が運営しているホームページへ掲載したりするなどの方法もあります。

ステップ 3:都道府県労働局への届出

策定した行動計画は都道府県労働局へ届け出る必要があります。厚生労働省では労働局へ提出するための専用フォーマットを用意しているため、そちらに記載のうえ、電子申請または郵送、労働局への持参による申請を行います。

ステップ 4:取り組みの実施、効果の測定

行動計画に沿って自社での取り組みを一定期間継続し、目標達成率の確認や効果測定を実施しましょう。当初設定した目標に届かなかった、または期待していた効果が現れなかった場合には、あらためてステップ1から検討し直し、PDCAを回していくことが求められます。

ステップ 5:女性の活躍に関する情報の公表

女性活躍推進法の改正のポイント「女性活躍に関する情報公表の強化」で紹介したように、「職業生活に関する機会の提供に関する実績」の8項目、「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」の6項目からそれぞれ1項目以上を公表しましょう。行動計画の外部公表と同様、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」または自社のホームページなどを活用する方法もあります。

女性の活躍に積極的に取り組む企業の成功事例5選

女性が働きやすい環境を整備し、実際に成果を挙げている企業も数多く存在します。そうした時代の先を行く企業が実際にどんな取り組みをしているのか、成功事例を5つ紹介しましょう。

その1:花王株式会社

「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進し、1800人以上の女性従業員を抱える花王では、仕事と育児の両立の取り組みに加え、2008年からは介護問題にも着手。仕事と介護を両立する従業員へのアンケートとヒアリングで徹底した実態把握を実施しています。介護は誰の身にも起こり得ることを社内での共通認識としたうえで、家族の介護を行っている事実を隠さなくて良い職場風土の醸成に注力しました。介護を行う従業員の「時間的負担」「心理的負担」「経済的負担」に対して支援しています。

その2:丸紅株式会社

仕事と介護の両立支援に力を入れる丸紅では、介護休暇やファミリーサポート休暇、特別傷病休暇などの介護の準備段階から利用できる有給休暇制度が豊富な点が特徴です。また、介護サポート専門のNPO法人「海を越えるケアの手」と法人契約しているので、海外赴任などで直接家族のケアができない従業員の場合でも専門職による見守りや各種手続きの代行委託も実施。ご家族の介護に関する手厚いサポートを行っています。

その3:アフラック生命保険株式会社

約5000人の従業員の半数が女性のアフラック生命保険では、「生きる」 を創るリーディングカンパニーとして 「新たな価値」 を創造し続ける企業風土を醸成。「ダイバーシティ」と「働き方の変革」を経営基本戦略の重点領域として定め、組織・人材基盤を強化しています。課長代理以上に占める女性社員の割合を2020年末時点で30%にするなど「女性の活躍推進プログラム」の KPIを設定し、改革に着手。また、男性の配偶者出産休暇の取得推進も行っており、2017年の取得率は100%を記録しました。

その4:株式会社千葉銀行

千葉銀行では産休・育休明けの女性の復職のための充実したサポートと男性職員の積極的な育児参画の呼びかけを行っています。女性が活躍できる職域を拡大するための諸施策に取り組むのと同時に、男性管理職向け研修や介護セミナーなどを実施。従業員の仕事と家庭の両立に係る意識啓発を行うことで、女性のキャリア意識啓発を促しています。2016年度以降は、女性管理職向けメンター制度(キャリアサポート制度)を導入。

その5:日本アイ・ビー・エム株式会社

1960年代に四年制大学卒業の女性の積極的な採用を開始し、男女同一賃金を実現するなど、いち早く女性従業員の活躍推進を行ってきた日本IBM。結婚や育児といった理由で女性がキャリアを断念しなくてもいいように、1985年に育児休職制度を導入するなど法令よりも早い対応を実践してきました。1998年には"女性のさらなる活躍支援"を改めて宣言し、"Japan Women's Council(JWC)"の活動をスタート。女性を応援する歴史がある企業としての立ち位置を確立しています。

TeamSpiritなら女性の活躍にも最適な勤怠管理が可能

少子高齢化によって多くの企業では深刻な人手不足に陥っており、女性も含めた多様な人材の登用と活躍が不可欠な社会が到来しています。一方で家庭環境にフォーカスしてみると、共働き世帯が増えたことにより、「育児や家事は分担する」という価値観が一般的になりつつあります。

男女を問わず仕事と家庭環境を両立できる働き方を整備するためには、企業も含めてすべての従業員にとって働きやすい環境を整備しなければなりません。そこで、企業における具体的な取り組みのヒントになるのが多様な働き方に対応できる勤怠管理システムです。TeamSpiritなら勤怠管理によって、女性の活躍のサポートを実現できます。

ポイント1:多様で柔軟な勤務形態に対応可能

クラウド勤怠管理システムのTeamSpiritは、多様化する働き方をサポートするため、ほぼすべての勤務体系に対応しています。フレックスや時短勤務はもちろん、半休取得時の休憩時間変更や、基本の勤務体系を日毎に変更するなど、設定次第で複雑な勤務パターンにも対応できます。

ポイント2:クラウド勤怠管理でテレワークにも対応

在宅勤務の申請や承認はもちろん、PCやスマホでの勤怠打刻、工数管理機能や日報機能で業務内容報告までをTeamSpirit内で完結できます。TeamSpiritのダッシュボード機能を活用すれば、従業員の勤務状況を一覧で可視化でき、勤務日や勤務状況、勤怠打刻時間を一覧で確認できます。テレワークなど物理的に目が届かない離れた場所で仕事をしている環境でも勤務状況を確認でき、円滑なコミュニケーションにも役立ちます。

ポイント3:工数管理機能や日報搭載で、成果での評価をサポート

テレワークが定着することによって、従来のような時間管理型の評価方法ではなく、成果型の評価方法が求められるようになります。しかし、これまでは誰がどの業務にどの程度の時間をかけているのかが分かりづらく、客観的に成果を評価することも簡単ではありませんでした。しかし、TeamSpiritでは働いた時間の中での業務の内訳や進捗状況などを、工数管理機能や日報機能で可視化することができ、働いた時間ではなく成果で評価することをサポートできます。

ポイント4:複雑な労務管理を多彩な自動化機能で効率的に

TeamSpiritには以下のようなさまざまな自動化機能が搭載されています。多様で柔軟な働き方と効率的な労務管理が両立できる点も強みです。

【TeamSpiritの自動化機能の一例】

  • 打刻や申請漏れ、申請内容とのズレを自動で検知/通知
  • 時間外労働の当月合計、複数月平均、年度合計を集計/可視化。超過しそうな従業員・上長へアラート通知
  • 有給休暇の取得済+取得予定の日数の集計/可視化。取得目標未達となりそうな従業員へアラート通知
  • 勤務体系に合わせた勤務間インターバル時間の計算/可視化など

TeamSpiritで女性が活躍できる社内環境の整備を

女性が活躍できる環境を整備することは、女性従業員はもちろん企業にとっても多くのメリットがあります。そのための第一歩として、TeamSpiritを導入して多様な働き方に向けた勤怠管理や労務管理に役立ててみてはいかがでしょうか。

具体的に自社にとってどのような使い方が検討できるのか、導入前の疑問や不安を解消するための相談も随時承っています。まずは資料のダウンロードや「オンライン製品説明会」へご参加いただき、TeamSpiritの詳細な機能や導入事例を参考にしていただき、不明点などがあればお気軽にお問い合わせください。

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