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株式会社シーエムプラス

高度プロフェッショナル集団の働き方を支えるクラウドシステム

事例ポイント

課題

  • 勤怠管理や経費精算の脱Excelを進めたかった
  • 案件ごとの採算を把握し、全体の利益管理をしたいという経営層の意向があった
  • 社内外で働く社員にとって、入力負担が少なく利便性の良いシステムが必要だった

決め手

  • Salesforceを基盤としており、セキュリティレベルが高い
  • 案件ごとの原価管理、英語対応などの要件を満たし、コストも低く抑えられる

効果

  • 案件ごとの工数実績や経費情報がリアルタイムに可視化できるようになった
  • 工数実績や経費情報の一元化により、案件単位の原価管理精度が向上した
  • 遠隔地とも円滑にコミュニケーションできるより、生産性が向上した

事例概要

機能 勤怠管理, 工数管理, 経費精算, プロジェクト原価管理, レポート・ダッシュボード
業種 システム開発, コンサル・士業
従業員数 1~99人
特徴 ペーパーレス・脱エクセル, コストパフォーマンスの向上, プロジェクト原価や利益の見える化, セキュリティ強化, システム運用負荷の軽減, ERPや他システムとの連携

柔軟さを生かして自社にフィットするソリューションに

近年、医薬品や医療機器製造といった業界への異業種参入が活発だ。これは世界的潮流であり、日本企業も例に漏れない。製菓や化粧品メーカーなどが相次いで新たな製品を打ち出しているところを目にする機会も多いことだろう。

本来、こうした業界への参入障壁は高いものだ。製品そのものはもちろん、製造過程や工場の設備・設置基準にも厳格な世界的レギュレーションが存在するため、一朝一夕での対応は難しい。
だが、そうした業界の世界標準を熟知するプロフェッショナル集団が、アドバイスやコンサルティングを行ってくれるとしたら、話は別だろう。株式会社シーエムプラス(以下、シーエムプラス)は、まさにそうしたニーズに応えてきた会社だ。

日本を基点に、現在市場が活発なシンガポールやベトナム、インドネシアに中国などアジアを中心としたエリアで活躍する同社。独自性の高いこの会社において、プロジェクト原価管理をしたり、工数を管理するソリューションとして2014年から利用されているのが、TeamSpiritとTeamSpirit Leadersだ。

では、彼らがなぜ、このTeamSpiritファミリーを導入することになったのか?グループ管理部TeamOne担当の菅田氏と、グループIT部の深池部長に話を聞いた。

プロジェクトベースで採算を見るために、システム選定を開始

とにかく高い専門性と深い知識が要求される業界において、顧客のビジネスを成功に導くために尽力する彼らは、近年、年間では200件超の相談を受けているという。

「私達は医薬品製造施設、医療機器製造施設をはじめとし、データセンター、半導体製造施設及び洗剤製造施設などのハイテク製造施設に特化し、お客様側の立場になって、施設創りから製品品質まで継続的に支援するサービスを提供しています。
多種多様なプロジェクトを抱える中、プロジェクトごとに採算を把握し、会社全体としての利益管理をしたいという会長や社長の意向がありました。それが、ERP系のソリューションを探すきっかけでした」とは、菅田氏の言葉だ。

ここで少しERPとはなにか、解説しておこう。Enterprise Resources Planning の略称であり、ヒト・モノ・カネといった経営を支える要素を最適にアロケーションして有効に活用する計画のことを指す。多くの場合「基幹系情報システム」を意味し、企業において非常に重要なものだと認識されている。

そのため、ERP系のシステムを外部のサービスに移行させること、さらにはクラウドサービスを活用することについて、難色を示す経営層も存在するようだ。これを読まれている方の中にも、このことに同意される方は少なくないだろう。
そうした事情を垣間見たことがある方なら、「なぜ、シーエムプラスではクラウドサービス利用を決断できたのか」という点が気になるはずだ。

これについて、2014年のTeamSpirit導入以前の状況を踏まえて、次のように菅田氏は振り返る。

もともとはACCESSベースに自社で開発したシステムを利用してプロジェクト採算管理をしていました。実際に業務時間や経費を記録する際にはその入力情報をExcelに書き出して使う、入力し終わったExcelを再度インポートする、という流れでした。これでは作業をする際には出社する必要があります。
また、Excelはバージョン違いによって表示崩れなどの不具合も起こってしまいます。

当社はオーナーズエンジニアリングという立場上、社内で勤務することもありますが、客先の事務所、工場、建設現場に出向くこともあり、時には駐在してお客様をサポートすることも多く、また、それが海外である場合もあります。
こうした、多様な働き方をするエンジニアにとって、入力の負担が少なく、使い勝手の良いシステムが求められておりました

こうした背景から、開発コスト、メンテナンス費用も含めいくつかのシステムを検討した結果、クラウドサービスが有力な候補になりました」。

プロジェクトベースで採算を見るために、システム選定を開始
グループ管理部 TeamOne担当 菅田 礼子氏

状況としてはクラウドサービスを使う必要に迫られていたと見てとれる。では、社内での議論はどうだったのだろうか?

深池氏は次のように解説してくれた。
クラウドを利用することについての心配は一部ではありました。しかし、Salesforceのプラットフォームを活用している、という点を考えれば自社でサーバを管理するよりもはるかに安全性が高いと考えています。自社でシステムメンテナンスなどの工数を割かなくていいこともメリットです」。

サブスクリプションベースだから、スモールスタートできる!

選定の際、もうひとつ課題になった点があったという。導入コストの問題だ。
当初からERP系のサービス、特に会計系やプロジェクト管理ができる機能があって、英語にも対応しているというサービスを探していたのですが、どれも高額でスモールスタートで使えるものが見つかりませんでした......。そうして探すと、サブスクリプションベースで利用できるのは『TeamSpirit』しかなかった、というわけです」と深池氏。

サブスクリプションベースとは、ソフトウェアの導入方式のひとつだ。
1ヶ月や1年間といった期間の間「利用権を借りる」というイメージとなる。そのため、"使う分だけ支払えばいい"となり、導入コストを少なくすることができる。そのため、ベンチャー企業や少数精鋭の企業でも高品質のサービスが利用しやすい、というわけだ。
TeamSpiritも、この方式を採用している。

仕組みを整備し、利用率もグッと向上

さて、2014年の導入後に改善されたポイントのひとつに、「全ての情報(経費、業務時間など)が集約され、プロジェクト単位で把握できるようになった」という点が挙げられるという。これについて、菅田氏は、次のように導入前後の変化を振り返る。

それまではプロジェクト毎の経費や業務時間の登録などは大雑把になされていました。そうしたこともあり、TeamSpirit導入後すぐの頃は、『入力をきっちりやらないといけなくなった。メンドウな作業が増えた』といった声も挙がっていました。しかし、今ではすべてのスタッフが通常業務として入力をしてくれるようになり、結果としてプロジェクト毎の採算管理が容易になりました」。

管理部門からすると、理想的な変化だと言えよう。では、そのヒケツは?
答えは徹底した仕組み作りにあるという。

たとえば、経費についてはTeamSpiritに入力しなくては精算処理ができないようになっており、プロジェクトの採算管理にも欠かせない必須作業となっているそうだ。

また、現在、シーエムプラスの"社員"は70名程度であるがTeamSpiritの利用者は100名を超え、中には海外現地法人で採用したスタッフや専門性の高い人材との業務委託のスタッフなども存在する。
そうした個々人には、それぞれのバックボーンがある。働く場所が遠く離れているだけでなく、子育てや家庭の事情で働く時間が一般的な就労スタイルと違ってくることも当然だといえよう。

自社開発のツールと融合させた『TeamOne』がすべての業務の入り口!

冒頭に掲げている【Our Mission】の中に「無駄を一切排除してプロジェクト遂行のすべてに対してスピードを持って対応しよう。」とあるが、TeamSpiritはそれを実現するべくツールであるという。

自社開発のツールと融合させた『TeamOne』がすべての業務の入り口!

Our Mission

  • 顧客が求めるValueとは何か?
  • Value創造への挑戦!
  • ValueはInnovationから生まれる!
  • スピードが命!
  • 多様性を許容しよう!
  • Open InnovationでSurvival
  • 今を全力で生きよう!

そのために、毎年、「自社が使いやすいように、TeamSpiritと組合せる自社開発ツールに、どのような追加の開発をかけるか」を議論し、実行しているそうだ。

こうした取り組みは、TeamSpiritがSalesforceのPaaS(Platform as a Service の略)ベースで作られているからこそ実現できることだ。Salesforce Platformをフル活用することでアプリケーションの開発機能を使った独自の機能を持たせることができる

そのために、毎年、「自社が使いやすいように、TeamSpiritと組合せる自社開発ツールに、どのような追加の開発をかけるか」を議論し、実行しているそうだ。
グループIT部 部長 & CIO 深池 敏光氏

今後の開発面での取り組みを聞いてみたところ、深池氏は、次のように構想を披露した。

「理想としては、自社で開発したツールとTeamSpiritやTeamSpirit Leadersを融合させて『TeamOne』とし、すべての業務の入り口として活用できるようにしていきたいと考えています。
そうした自由度の高い使い方ができるのも、TeamSpiritを導入したメリットと言えるでしょう。現在、会社で使うシステムのベースになるのはTeamSpiritです。柔軟性が高く、長く使い続けているので、もうTeamSpiritなしには成り立たなくなっていますね(笑)」。

今後も高度プロフェッショナル集団がさらにチカラを発揮し、ビジネスを加速させていくために、TeamSpiritとともに『TeamOne』は進化を続けることになりそうだ。

株式会社シーエムプラス

設立
2007年8月
事業内容
医薬品をはじめとしたライフサイエンス全般及び半導体施設など「高度環境制御型施設」のプロジェクト遂行と施設運営・品質管理のエキスパート集団
URL
https://cm-plus.co.jp/
取材年月
2017年9月