テレワークの導入でマネジメントに変化が求められている

テレワークは多様な働き方を支える一方、急速に浸透したことでさまざまな課題が顕在化しています。

なかでも、特に下記のようなマネジメント上の課題が発生するようになりました。

・いつ上司に声をかけていいかわからない
・認識の相違や業務の重複が起きやすくなった
・社員間で心理的に距離ができてしまった など

こうした課題は業務だけでなく、評価・昇進に影響する場合もあります。従来のマネジメント方法を100%当てはめるのは難しく、テレワークに合った組織運営が必要です。

【テレワーク】マネジメントで生じる3つの課題

ここでは、テレワーク下のマネジメントで生じる課題を具体的に解説します。

企業や部署によってはすでに顕在化している課題もあれば、今後生じるおそれがある課題もあります。対策を練るためにも把握しておきましょう。

1.業務の進捗管理が困難

テレワーク中はお互いの作業環境が見えず、業務の進捗管理が難しくなります。個々のタスクやスケジュールが可視化されず、「今、誰が、何をやっているか」が把握しにくくなるためです。

結果的に業務の抜けや漏れが起きて、納期遅延などのトラブルが発生したり、業務の重複が起きたりするおそれも否定できません。

特に進捗管理の責任を負うマネージャーにとっては深刻な悩みであり、適切な業務指示ができないと感じるケースもあります。

また、従業員も「適切な業務指示が届かない」と不満を抱えやすくなります。チームパフォーマンスが著しく下がることもあるので、注意が必要です。

2.コミュニケーション不足

テレワーク中ではチャットやオンラインミーティングツールを使ってやりとりを行うものの、コミュニケーションの総量が圧倒的に減少します。

何気ない会話や勤務中の声かけができず、「必要最低限のコミュニケーション」になることも少なくありません。そのため、いつの間にか従業員同士の距離感が開いてしまい気軽に会話ができなくなったり、ちょっとした相談がしにくくなったりすることも考えられます。

マネージャーの立場では、「部下の悩みを拾い上げられない」「勤務態度や表情を見てモチベーションを判断できない」など悩みが生じます。お互いに顔色を伺うようなコミュニケーションになりやすく、なんとなくやりづらさを感じるかもしれません。

3.評価基準が不明瞭

従来の人事評価がテレワークに対応しておらず、評価者によって基準にバラつきが生じると、従業員に不平・不満を与える原因になってしまいます。

また、「勤務態度など定性的な評価ができない」「正確な勤怠管理ができず給与に反映できない」など、適正な評価がしづらくなることもあります。

オフィスワークとテレワークの従業員で評価に差が生まれれば、離職につながることも考えられます。

テレワーク下のマネジメントに必要な環境整備

ここからは、テレワーク下におけるマネジメントを最適化するために必要な環境整備について解説します。

自社に下記の要素が整っているかチェックし、不足していれば導入を検討してみましょう。

コミュニケーションツールを導入する

まずは、オンラインコミュニケーションツールを導入することが重要です。

例えば、リアルタイムかつスピーディーなやりとりには、チャットツールが欠かせません。ドキュメント・タスク・スケジュールの共有もできるツールであれば、一元管理にも役立ちます。

また、テキストでは伝わりづらい指示や相談を円滑にするためには、ビデオ通話ツールがおすすめです。オンラインミーティングツールを導入したり、複数人で同時作業できるワークスペースを活用したりする選択肢もあります。

インナーコミュニケーションを活性化する社内報、エンゲージメントを可視化するパルスサーベイなども施策のひとつです。

労務管理を適切に実施する

正確な勤怠管理をするため、労務管理のルールを見直しましょう。

始業時の情報共有を円滑にするオンライン朝礼(終礼)、ボタンひとつで切り替えられる在席・離席ステータス、進捗を可視化するガントチャートの導入など、手法はさまざまです。

オンライン上でタイムカードを打刻できるシステムを整備すれば、電話やメールでの確認も不要になります。

また、社内グループウェアなどを活用してお互いのスケジュールを共有しておけば、空き時間に連絡でき、業務効率改善の面でも効果的です。

テレワークに対応したセキュリティ対策を施す

テレワークに対応したセキュリティ対策を実施し、安心して働ける環境づくりをすることも重要です。

例えば、ウイルス対策ソフトのインストール、社用PCやスマートフォンの使用ルール策定などは、事前に済ませておきましょう。

ほかにも、定期的にITリテラシー講習会を実施したり、管理部門が遠隔でシャットダウンできるリモートデバイス管理ツールを導入したり、環境にあわせたセキュリティ対策もおすすめです。

テレワークにおけるマネジメントを成功させる5つの方法

次に、テレワークにおけるマネジメントを成功させる方法を紹介します。

テレワーク下のマネジメントは最低限の環境を整えるだけでなく、従業員が効率良く働けるように工夫しましょう。

目標と仕事内容を明確化する

チームの目標や個人の仕事内容は、定期的かつ高頻度で確認します。

会社全体に共通するミッション・ビジョン・バリューはもちろん、部署に共通する課題意識や今月の目標を明確にして、意識を統一しましょう。同時にタスクを振り分け、個人単位の目標にまで落とし込んでいくことが重要です。

社員一人ひとりが「チームに貢献するためには自分がこれをやらなくてはいけない」と意識をもてるようになれば、テレワーク下であっても、効果的にパフォーマンスを発揮できます。

適切な業務をアサインする

個人の能力・適性・スキル・知識・経験を可視化し、適切な業務を振り分けることも重要です。社員のスキルや能力、経験に応じて任せる業務を変動させていけば、テレワーク環境下でも効率良く業務を進められます。

従業員も「自分が強みを持つ仕事を担当できている」と実感でき、満足度が高くなる可能性が高いです。

また、適性だけでなく業務スピードに合わせたアサインも重視していきましょう。単独で任せる業務と複数で同時進行する業務を分けたり、目的・制約条件を確認して適宜アドバイスしたりすることもマネージャーの仕事です。

進捗状況を可視化する

従業員の業務を可視化するため、進捗状況はこまめに報告し合いましょう。とはいえ電話やメールでマネージャーに集約するだけではマネージャーの負担が重くなりやすく、個人間の情報共有が不足するおそれがあるので注意が必要です。

具体的な施策として、プロジェクト管理ツールやガントチャートを導入して進捗が一目でわかるよう工夫する方法が挙げられます。業務の見直しのためのセルフマネジメントや生産性向上のためのチームマネジメントに役立つ工数管理ツールとして、「TeamSpirit」 が効果的です。

「TeamSpirit」は、勤怠管理・工数管理・経費精算などのバックオフィス機能を一元化した「働くを効率化する」ツールです。勤怠管理システムと連動した工数管理機能で、正確な進捗状況を簡単に把握できます。

達成度や業務負担量が明確になれば、前項の「適切な業務をアサインする」も達成しやすくなります。

報連相の体制を見直す

テレワークではオフィスワーク以上に積極的なコミュニケーションを心がけ、報告・連絡・相談の体制を見直しましょう。

とはいえ、意識するだけでコミュニケーションが抜本的に改善できるとは限りません。朝礼・終礼など毎日定例で行うコミュニケーションの場を用意したり、決められた時間に報告するルールを徹底したりするのがおすすめです。

また、オンラインでできる社内イベントを設けるなど、業務を離れたフランクなコミュニケーションができる場を設ける方法もあります。雑談からイノベーションが生まれることも多いので、生産性を重視したい会社にこそおすすめです。

1on1を活用する

1on1とは、マネージャーと従業員が定期的かつ高頻度に実施する個人面談のことです。頻度の目安として、週1回から月2回程度をイメージしておきましょう。

話す内容は、業務の進捗・社内の人間関係に関する困りごと・今後のキャリア形成・人事評価のフィードバックなど多岐に渡ります。マネージャーから個人に対する業務指示の場というよりは、従業員の悩み・心配事を吸い上げて個別にマネジメントする場として捉えるのが理想です。

1on1はオンラインでも完結できるので、コミュニケーションの場として活用しましょう。

まとめ

テレワークは時間・場所を選ばず働ける新しい就業形態ですが、マネジメント上の課題も多くあります。

しかし、オンラインでもできる効果的な工数管理や情報共有ができれば、マネージャーの負担を軽減しながら働きやすさを実現できます。

工数管理に役立つツールの導入をご検討の方は、ぜひ「TeamSpirit」をご活用ください。