企業価値を向上させるメリット
企業価値を向上させた場合、下記のメリットを得られます。
・M&Aを有利に進められる
・優秀な人材が獲得しやすくなる
キャッシュフローが優秀で収益力がある企業と評価されれば、金融機関からの融資を受けやすくなります。設備や人材に投資できる額が増え、更なる事業拡大も狙えます。株価が上がったり、M&Aを有利に進められたりする点もメリットです。
また、対外的な評価も高まるため、優秀な人材を確保しやすくなります。多額のコストをかけずとも母集団形成ができるようになるので、短期間で効率よく採用活動が進められるでしょう。
上記のようなメリットがある反面、デメリットへの不安をもつ方も多いのではないでしょうか。企業価値を上げることによるデメリットは、ほとんどありません。中長期的な利益獲得のためにも、企業価値を向上させる施策を考えていきましょう。
企業価値を評価する3つの方法
企業価値を評価する方法には、「マーケットアプローチ」「インカムアプローチ」「コストアプローチ」の3つがあります。また、それぞれに適する算定方法は異なります。
下記でひとつずつ特徴を解説するので、自社の企業価値はどの分野で強みを発揮するか理解していきましょう。
マーケットアプローチ
マーケットアプローチとは、同規模・同地域で活動している同業他社を参考に企業価値を測る手法です。相対評価なので経済情勢などのトレンドを考慮せずに数値化でき、将来的な期待値もわかります。
また、マーケットアプローチの手法は「株式市価法」「類似企業比較法」「類似取引比較法」の3つに細分化されるので覚えておきましょう。
証券取引所などに上場している同業他社を基準にする方法。
■類似企業比較法
自社と類似する企業の業績・株価を基準にする方法。
■類似取引比較法
類似のM&A取引における売買価格を参考に自社の価値を可視化する方法。
一般的にマーケットアプローチと表現したときは「類似企業比較法」を指すことが多いですが、活用する指標次第で企業価値の見方が変化するので注意しましょう。
インカムアプローチ
インカムアプローチとは、キャッシュフローに基づいて企業価値を測る方法です。M&Aや設備投資への投資判断に使用されることが多く、将来的な不確実性があることを前提に算出します。
将来に得る利益を視野に入れながら企業価値を測るため、現在のキャッシュフローが安定しない場合も将来性や収益性を判断することができます。
一方、恣意性が介入しやすい特徴があります。現実的な試算ができているか、公平な判断基準が設けられているかに着目しましょう。
インカムアプローチは、「DCF法」「配当還元法」「収益還元法」の3つに細分化されます。
フリーキャッシュフローを活用した最も代表的な評価手法。
■配当還元法
株式を長期的に保管した場合に受けられる配当金の額で評価する方法。
■収益還元法
会計上の純利益を割り引いたうえで算定する株主価値で評価する方法。
コストアプローチ
コストアプローチとは、貸借対照表上の純資産額に応じて企業価値を測る方法です。公平性・客観性が確保できるため、中小企業のM&Aで利用されることが多いです。コストアプローチを利用する手法は、主に「時価純資産法」と「簿価純資産法」のふたつに分かれます。
資産・負債を時価で評価した場合の純資産額を見て企業価値を算出する方法。帳簿上の金額ではなく時価に換算するので「修正簿価純資産法」と呼ばれることもあります。
■簿価純資産法
貸借対照表上に形状されている純資産額を、そのまま企業価値としてみなす方法。
企業価値を向上させるための4ステップ
ここでは、企業価値を向上させるための有効な施策を解説します。
着目したのは、企業価値における4つの評価軸です。
・事業の収益性
・投資効率
・財務状況
・無形資産の活用
上記を実行することで、企業価値の向上を目指せます。それぞれ詳しく解説しましょう。
事業の収益性を高める
民間企業として経済活動している以上、事業の収益性を高めるのが最も確実です。市場の新たなニーズを探ったり、既存顧客の単価およびリピート率を上げたりする手法を考え、解像度の高い事業計画を用意しましょう。
説得力の高い内容であれば、特に金融機関からの評価が上がりやすくなるので資金調達に便利です。
投資効率を最適化する
投資効率を最適化するため、資金の流れを見直します。一般的には、ニーズが高まりそうな部分に投資したり、設備投資する内容を考えたりします。運用案がなく、ただ所有しているだけの固定資産を売却するのも、ひとつの方法です。
固定資産税に毎年どれくらいの額を支払っているかなどを可視化し、維持にかかるコストと、得られている利益が釣り合っているか確認しましょう。
財務状況を見直す
財務状況を見直し、健全化に向けて改善を進めます。資金調達・資金運用の状況を可視化し、計画通りに予算消化できているかなどもチェックしてみましょう。
また、銀行からの借入金など、他人資本も含めて見直すことが大切です。
無形資産を把握・活用する
自社が保有する無形資産を正しく数値で把握し、活用します。開発ノウハウに長けていれば、新たにコンサルタント部門を立ち上げたり、請負を始めたりする方法もあります。
また、人気商材を改善・改良できる方法がないか、自社が雇用している優秀な人材を活用できる道がないかを探っていくのも良いでしょう。
近年、投資市場においては「人的資本」とその「情報開示」が注目されるようになりました。企業は、「人的資本」を可視化するための基盤づくりも考えていく必要があります。
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企業価値の向上につながる施策例
最後に、企業価値の向上につながる施策例を紹介します。
ひとつは、ブランディングです。自社の商品・サービスの認知を直接的に広める「宣伝」とは異なり、製造のバックストーリーや自社の思いなどを可視化して消費者に伝えることができます。
ブランドコンセプトやストーリーに高い共感を得られれば自社の「ファン」を獲得でき、口コミやSNSによるユーザー発の情報拡散も期待できます。
また、SDGs推進のための施策を導入したり、健康経営など従業員向けの施策を始めたりする方法もあります。
健康経営については、以下の記事でも詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
企業価値を向上させることができれば、金融機関や株式市場からの評価が上がり、安定した資金調達が可能になります。他にも、M&Aへの障壁が下がったり、採用市場における注目が高まったりとメリットが多いです。業種・規模を問わず、企業価値を向上させる施策を実行していきましょう。
今後の施策を考えている方は、ブランディング・SDGs・健康経営など、今回ご紹介したアイデアを参考にしてはいかがでしょうか。
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