ワークエンゲージメントとは、仕事に対して充実感があり、前向きな気持ちで取り組める状態のことです。従業員のワークエンゲージメントを高められれば、組織全体の生産性を向上させられるでしょう。
今回は、ワークエンゲージメントのメリットや、効果的に高める方法を紹介します。
この記事の目次
ワークエンゲージメントとは
ワークエンゲージメントとは、従業員が仕事に対してポジティブな感情をもち充実している状態のことです。ワークエンゲージメントが高い従業員は、主体的に仕事に取り組む姿勢が見られ、会社に貢献したい気持ちが高い傾向にあります。
ワークエンゲージメントと関連して覚えておきたい言葉を、あわせて確認しておきましょう。
ワークエンゲージメントと関連して覚えておきたい言葉 | |
バーンアウト | ・仕事に対する意欲や情熱を失った状態のこと
・ワークエンゲージメントとは反対の状態 |
ワーカホリズム | ・仕事をしなければならないという追い立てられた心理状態から、仕事に打ち込む状態
・ワークエンゲージメントと異なり心理的な負担が大きい |
・自分が担当する仕事内容や立場などに満足している状態
・仕事の結果に満足している心理状態 |
参照:「第3章 「働きがい」をもって働くことのできる環境の実現に向けて」(厚生労働省)
ワークエンゲージメントに必要な3つの要素
ワークエンゲージメントを高めるためには、構成する3つの要素を把握して、これらをどう向上させるかが大切です。ワークエンゲージメントに欠かせない3要素は、以下が該当します。
◆ワークエンゲージメントに必要な3つの要素
2.熱意
3.没頭
それぞれどのようなものなのか、以下で詳しく確認してみましょう。
活力
ワークエンゲージメントが高い従業員は、仕事から活力を得ている状態にあります。活力(Vigor)とは、心身のバイタリティのことで継続的に努力したり粘り強く課題に向き合ったりするための原動力のことです。
活力が増すほど継続力・精神力が向上するので、困難な状況や課題の多い業務でも着実にこなせるでしょう。また、活力が満ちている状態だとストレスを感じづらくなります。
熱意
仕事に熱意をもって取り組むことができる点も、ワークエンゲージメントが高い要素のひとつです。
「仕事に対する熱意(Dedication)がある」とは、自分の仕事に対して誇りや思い入れ、やりがいを感じている状態のことです。仕事への熱意が増すと、業務への興味や探究心が向上します。
没頭
ワークエンゲージメントが高い従業員は、仕事に没頭することができます。
没頭(Absorption)とは、高い集中力で仕事に取り組んでいる状態のことです。仕事に没頭していると、いつの間にか時間が経っている、業務をこなすことに高揚感を覚えることがあります。没頭する状態が長く続くほど、丁寧に業務を行えるでしょう。
ワークエンゲージメントを高めるメリット
従業員のワークエンゲージメントを高めることで、主に3つのメリットがあります。
◆ワークエンゲージメントを高める3つのメリット
2.離職率が低下する
3.生産性が向上する
それぞれのメリットについて、以下で解説します。
メンタルヘルスが改善する
ワークエンゲージメントが高くなると、メンタルヘルスが改善します。ストレスに対する耐性が高まり、仕事に対して苦痛を感じにくくなるためです。
ストレスが減ることで睡眠の質の向上や疲労感の減少など、従業員の健康状態の改善につながるでしょう。健康な状態にあることで、さらにストレスに強くなるという好循環も期待できます。
離職率が低下する
ワークエンゲージメントが高まると、離職率が低下するメリットも期待できます。
仕事から充足感を得たり、業務の中で高揚感を得られたりする結果、組織に対する印象が良くなるからです。愛着のある組織から離れようとする従業員は少ないので離職率も低下します。
さらに、新しく採用した従業員の定着率とワークエンゲージメントの高さには、相関性があります。採用コストをかけて獲得した従業員を確実に組織に根付かせるうえでも、ワークエンゲージメントの向上は欠かせません。
生産性が向上する
従業員のワークエンゲージメントが高い組織は、生産性が向上する傾向にあります。ワークエンゲージメントが向上すると、新しいことへの学習意欲が高まり、的意識をもって積極的に行動するようになるからです。
また、自分の可能性を広げるために、難しい業務にもチャレンジするようにもなります。従業員同士が刺激し合うことで、組織全体の活性化も期待できるでしょう。
ワークエンゲージメントを高める方法
企業全体にさまざまなメリットをもたらすワークエンゲージメントを高めるには、以下のような方法が有効です。
◆ワークエンゲージメントを高める方法
2.円滑なコミュニケーションが取れる機会を作る
3.仕事の目的を明確化する
それぞれのポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
仕事が適切に評価される体制を作る
従業員のワークエンゲージメントを高めるには、仕事が適切に評価される体制を作る必要があります。
職場の仕事内容に対して、日々の取り組みや努力が正当に評価されることでモチベーションアップにつながるからです。自信をもって、新たな業務や難しい課題にも取り組んでいけるようになるでしょう。
適切に評価される体制を作るには、従業員一人ひとりが自分の強みやスキルを十分発揮できる環境を整えることが大切です。
円滑なコミュニケーションが取れる機会を作る
普段から十分なコミュニケーションを取る機会を設けて、円滑なコミュニケーションが取れるようにすることも重要です。
コミュニケーションがスムーズに取れると、職場の人間関係を良好な状態に保てます。上司や同僚が信頼でき、困ったときも頼れる存在だと感じられれば、仕事へも前向きに取り組めるでしょう。
特に、上司が建設的で前向きな言動を心がけ、いつでも気軽に意見交換がしやすい職場の雰囲気を作るようにすることがポイントとなります。
仕事の目的を明確化する
仕事の目的を明確化することも、ワークエンゲージメントを高める方法として有効です。
従業員が与えられた仕事の意味や目的を見出すことで、やりがいや達成感を感じやすくなります。達成感があれば、新たな業務にも積極的に挑戦する原動力となるでしょう。
目標管理制度を設けると、自己や部門の目標を明確にすることが可能です。また、上司が従業員をフォローしながら、一緒に目標達成に向けての計画立案をサポートするのも良いでしょう。
ワークエンゲージメントを高めるための環境づくり
ワークエンゲージメントを高めるためには、社内制度の見直しやリフレッシュスペースの設置といった、職場の環境づくりも欠かせません。
バックオフィス機能を一元化できる「TeamSpirit」を活用すれば、時間と場所を超えたコーチングが実現します。組織パフォーマンスを可視化し「生産性」を分析でき、ワークエンゲージメントを高める環境を整えられるためです。効果的なワークエンゲージメント向上として、「TeamSpirit」のご利用を検討ください。
まとめ
ワークエンゲージメントとは、仕事に対して充実感があり前向きな気持ちで取り組める状態のことです。組織の生産性向上や離職率を下げる対策として、欠かせない要素といえます。
今回紹介したワークエンゲージメントを高める方法を参考に、積極性の高い従業員が定着する組織づくりを進めてみてください。