勤怠と工数管理を同時に管理できないかと考える役職者の方も多いのではないでしょうか。理論上、勤怠と工数は同一になるはずです。しかし実際には、様々な要因※により大きな差異が起こることも少なくありません。また、部下の工数入力を管理することも難しいでしょう。

※チームスピリットによる「勤怠と工数の不一致による課題調査
そこで今回は、勤怠と工数管理の特徴を明らかにしたうえで、両者を連携させるメリットと、新たにシステムを導入する際の注意点を解説していきます。

勤怠管理と工数管理の違い

まずは、勤怠管理と工数管理の概要を説明します。概要を踏まえたうえで、それぞれの違いを確認していきましょう。

勤怠管理とは

勤怠管理とは、従業員の出勤・退勤時刻や、労働時間と休憩時間、休日の取得有無などの労働状況を把握し、適切に管理することです。

「労働基準法」では、「1週間について40時間を超えて、労働させてはならない」、「一週間の各日については、8時間を超えて、労働させてはならない」と定められています。

時間外や休日の労働に対しては、割増賃金を支払わなければならないことが定められているほか、時間外労働時間にも、限度が設けられています。

また、「労働安全衛生法」では、第六十六条において、従業員の健康維持を目的とし、労働時間の状況を把握することが義務化されています。

出典:労働基準法 | e-Gov法令検索
出典:労働安全衛生法 | e-Gov法令検索

このように勤怠管理は、どのような業種業態・規模の企業であれ、必ず適切に行わなければならないものです。

工数管理とは

工数管理とは、業務が完了するのにかかった時間と人数を可視化して把握し、適切に管理することです。

業務に必要な人数と時間を明確にし、実態と照らし合わせながら管理することで、今後のリソース配分を最適化できます。

勤怠管理との違いは、労働時間や休憩時間などの勤怠管理は法律で定められていますが、従業員が勤務日に「どの作業をどれだけ遂行したか」の工数管理は、義務化されていません。工数管理はあくまで企業活動をより良くしていくための管理であるといえます。

勤怠管理と工数管理を連携させるメリット

異なる目的で行われる勤怠管理と工数管理ですが、連携して活用することで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、4つの代表的なメリットを紹介していきます。

原価計算を正確に行える

勤怠管理と工数管理を連携させると、勤務時間実績と工数実績が一致するため、すべての勤務時間が何かしらのプロジェクトや作業と紐づきます。これにより、どのプロジェクトや作業に、会社としてどれだけの人的リソースを費やしたのか可視化できます。そのため、実態に基づいた原価計算が可能になります。

多角的に分析できる

原価計算以外にも、どの時期に労働時間が多くなるのか、どのようなプロジェクトで残業が多く発生しているのか、という分析が可能になります。このような分析結果は、年間の経営計画策定の際などに、役立つでしょう。

また、経営視点だけでなく、個人や役職者まで、さまざまな角度から分析できるため、部署や個人レベルでの業務効率化や業務配分の見直しにも活かすことが可能です。

入力や管理がしやすくなる

工数管理を行うことは非常に効果的である一方、課題があります。情報入力に手間がかかるため、従業員から敬遠されてしまいがちな業務であることです。結果的に正確な情報入力が浸透しないことが考えられます。

そこで、勤怠管理と工数管理を1つのシステムから入力することができれば、入力の手間が減るため、習慣になりやすくなるでしょう。
さらに、情報を管理する側も、データ照合の手間がかからないというメリットがあり、得られた情報を負荷なく効率的に、今後の改善活動に活かしていきやすくなります。

従業員の働き方が可視化できる

収集した勤怠情報と工数情報を活用して、一人ひとりの従業員の働き方の可視化もできるようになります。

データを数値として可視化できるため、今後の事業方針から個々人のフィードバックなどに活用できます。

これまで感覚的で場当たり的な指導を行わなければならない状態だった上司の方もいるのではないでしょうか。システムを利用することで納得感のあるフィードバックも可能になります。

勤怠管理・工数管理システム導入時の注意点

最後に、自社に最適なシステムの選び方、気を付けたいポイントを紹介します。

必要な機能が実装されているか

まずは自社にとって必要な機能が搭載しているかチェックしましょう。そのためには、社内でどのような機能が必要かを明確にしなくてはいけません。自社に何が適切な機能なのかが定まっていない場合は、現場の声を聞きながら洗い出していきましょう。

ポイントは、「余計な機能がないか」を確認することです。不要な機能があると、手間になったりコストがかかったりする可能性があります。

入力や操作はしやすいか

毎日、従業員が円滑に操作できるかも重要なポイントです。操作性の低いシステムは、面倒になり、継続が難しくなってしまうおそれがあります。誰でもすぐに使いこなすことができそうかなど、操作性を細かく確認していきましょう。

また、管理者側の観点からも、導入や運用はスムーズに行えそうか、データの抽出はしやすいのか、利便性を考えましょう。

無料トライアルを利用できるサービスもあるので、実際の使い勝手を確認しておくと安心です。

コストは適切か

管理システムには、大きく分けてクラウド型とオンプレミス型の2種類があり、それぞれコストも異なります。

クラウド型は、インターネットを通じてサービスを利用するタイプです。テレワークで業務に従事している社員でも活用でき、スマートフォンやタブレットなどからでもアクセスできます。導入・運用コストを抑えることが可能です。

一方で、オンプレミス型は、社内にサーバーを設置したりアプリをダウンロードしたりして使用するタイプです。自社の状況に合わせてカスタマイズできますが、保守管理を行う人材が必要になるため、導入と運用コストは、クラウド型よりも高くなりやすい傾向にあります。

また、サービスによって、料金体系も買い切り型、定額制、従量課金制などで異なります。会社の規模、使用する人数などに合わせて、無駄のないプランを選ぶようにしましょう。初期費用と月額費用以外にかかる費用がないかも、注意が必要です。

まとめ

勤怠管理と工数管理を連携させることで、さまざまなメリットがあることを解説してきました。一方で、そのメリットを最大限に享受するには、自社にフィットする優れた管理システムを導入することが大切です。

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