株式会社GABA
- 利用機能
- 勤怠管理, 経費精算, 電子稟議, レポート・ダッシュボード
- 業種
- IT・インターネット, 学校・教育
- 従業員規模
- 500〜999人
社員のパフォーマンスを引き出す「多様で柔軟な働き方」と、法令・36協定に則った「正確な労務管理」を実現
東京ガスiネット株式会社は、東京ガスグループ全体のIT戦略からシステム開発・運用までを一手に担う企業だ。2017年のガスの小売全面自由化を背景に、東京ガスグループはデジタルトランスフォーメーションを積極的に推進し、新たなビジネスモデルの構築や新規事業創出に取り組んでいる。ITのプロフェッショナル集団としてその挑戦に貢献すべく、社員が創造的に働くことのできる環境づくりに力を注ぐ同社。
働き方改革を実現するツールのひとつとしてTeamSpiritを選んだ理由は何だったのか。また、その導入効果をどう感じているのか。人事・総務部 長尾氏と喜古氏に話を聞いた。
「世の中で働き方改革の機運が高まるなか、当社でも『働き方改革プロジェクト』がスタートしました。創造的な働き方を目指すうえでは正確な勤怠管理が大前提ですが、そのためには改善しなければならないことがたくさんありました」と長尾氏は振り返る。
当時、勤怠管理にはエクセルが使われており、社員は月末に勤務表をプリントアウトし、上長が押印して人事・総務部へと提出していた。人事・総務部は、5ヶ所の事業所から700人を超える社員の紙の勤務表を正確に集め、翌月第3営業日までに給与計算に回さなければならなかったという。
「内容の不備や間違いも多く、タイトなスケジュールのなかで作業をこなすことが非常に大変でした」(長尾氏)。
すべての集計が終わって勤怠状況が把握できるのは翌月。社員の働き方をリアルタイムで把握することができず、生産性や過重労働について事前にケアをすることも難しい状況だった。
さらに、勤怠管理とは別に自社開発のシステムでプロジェクトの工数管理を行っており、社員は勤怠と工数を二重入力しなければならなかった。勤怠管理システムと工数管理システムは連動しておらず、勤務時間と工数時間に不整合があっても確認する仕組みがなかったという。
勤怠管理にまつわるさまざまな課題を解決すべく、新システム導入を決めた同社。システム選定の条件としては、実績と先進性があること、勤怠と工数を一気通貫で管理できること、柔軟な働き方に対応できること、クラウドサービスであることなどが挙げられた。
長尾氏はTeamSpiritについて、「モバイルで簡単に出退勤の打刻や経費精算、稟議申請などができることが、とても魅力的でした」と語る。同社には勤務場所を自由に選べる「どこでもワーク」という制度や、コアタイムあり・なしを選択できるフレックスタイム制度などがある。どこでどのような働き方をしていても正確に勤怠情報を記録できることに、大きな魅力を感じたという。
「役員陣からは、デザイン性を高く評価する声が多く聞かれました」と長尾氏。同社のシステム開発では、顧客のユーザビリティを非常に大切にしているという。マニュアルを見なくても直感的に操作できるTeamSpiritのデザインは、同社のシステム開発理念にも合致するものだった。
さらにSalesforceが基盤であることにも、安心感があったという。エネルギーサービスを提供する企業の子会社として、システムの可用性は絶対条件である。東京ガスグループには既にSalesforceが導入されており、Salesforceのクラウド基盤に対する信頼が構築されていたこともTeamSpiritが選ばれた理由のひとつとなった。
「TeamSpiritを導入してから、社員の業務量が目に見えて減りました」と喜古氏は語る。以前は出社・退社の時間を毎日どこかにメモし、月末にまとめてエクセルに転記する社員が多かったという。今では毎日PCやスマートフォンで打刻をし、月末に申請ボタンを押すだけで、勤務表が作成できてしまう。また、工数も同じTeamSpirit内で簡単に入力できるため、心理的負担も軽減されているという。旧システムでは時間単位で登録していた工数も、TeamSpiritでは勤務時間の何割をどの仕事に費やしたかという割合をスライダーで入れるだけだ。
「併せて導入しているPCログ管理ツールとTeamSpiritを連携させて、PCのログオン・ログオフの記録と勤怠打刻記録の乖離を把握できる点も非常に便利です。労働基準法では、労働時間の客観的な把握が義務化されています。社員の打刻はあくまでも自己申告なので、客観的な記録であるPCログと照らし合わせて管理できるというのは非常に便利で、監査でも高く評価されました」(喜古氏)。
管理部門のメンバーも紙の勤務表に振り回されることなく、より本質的で前向きな仕事ができるようになっているという。
「働き方が可視化され、時間の使い方を意識するようになった結果、社員の無駄な残業が減っているように感じます」と長尾氏。
チームメンバーの休暇種別ごとの残日数、時間外労働の状況、勤怠の打刻率などは、ダッシュボード機能を使って、マネージャーが一目で把握できるようになっている。これまで、月末に集計しないとわからなかった労働時間がリアルタイムに把握できるようになったことで、チーム内に新たなコミュニケーションも生まれているそうだ。
「これまでは残業申請も月末にまとめて事後報告するような状況でした。何時間働いたのかも翌月にならなければわからない状態でしたが、今は、月の半ばで残業が40時間を超えそうな社員には、上長が声をかけたりするなど、事前に対応できるようになりました。残業も事前申請することが当たり前になったことで、一人ひとりが『本当に必要な残業か』ということを考えられるようになったと思います」と喜古氏も語る。
もうひとつ大きな変化があったのが、さまざまな申請業務だ。同社では住宅手当などの総務関連の申請業務に、電子稟議を活用している。TeamSpirit導入にあたって、本当に稟議申請が必要な項目は何かということをゼロから見直し、不要な申請書は廃止するなどして、申請書類を当初の半分程度にまで減らすことができたという。
「当社では、リモートワーク時に社外でプリントアウトすることを原則禁止しています。もしこれまで通り、申請業務が紙で行われていたら、コロナ禍であっても、社員はもっと頻繁に出社しなければならなかったはずです。稟議申請だけではなく、さまざまな業務が電子化されていたおかげで、必要最低限の出社で済んでいます」(長尾氏)。
コロナ禍では、育児や介護中の社員がコアタイムなしのフレックスタイム制で在宅勤務を行うケースも増えたが、特別な対応なくスムーズに働き方を切り替えることができたという。
ここまでの働き方改革への取り組みの一つである総務関連業務の見直しについて、長尾氏は「TeamSpirit導入当初からさまざまな機能を段階的にリリースしてきましたが、コロナ禍の現在において早い段階で電子稟議まで実現でき、ほっとしています」と語る。また、各部署からメンバーが集まって活動している「働き方改革委員会」においても、日々自分の働き方を見直し改善する意識が一人ひとりの社員に根付いてきているという。
もちろん同社はこれで満足しているわけではない。既に次の構想を頭に描いているという長尾氏。東京ガスグループをITで牽引していく存在として、先進的なシステム活用や業務プロセス改革への挑戦は、これからも続いていく。
主に東京ガスと東京ガスグループに対する、システムインテグレーション