導入前の課題

電通デジタルは、2016年にデジタル領域における成長戦略を加速させるため、当時電通グループ内のデジタル領域のグループ会社2社と電通本社のデジタルマーケティング専門部隊が統合して誕生した。会社設立の準備を進めるなかで、経費精算や労務管理など管理業務の分野については、外部のソリューションの活用を想定していた。要望は、「設定等は最小限でとにかくすぐに運用開始でき、中長期的にはカスタマイズも柔軟にできるシステムを超短時間で導入すること」だった。

導入効果とTeamSpiritへの評価

約3ヶ月で導入・運用開始ができただけでなく、レポート機能で社員の労務管理の徹底を可能にした。また、最近はコミュニケーションツールの一元化を目指し、TeamSpiritとSlackの連携も行なっている。現在は、管理部門もデジタルシフトをさらに推進するべく、社内業務の洗い出しを行っているとのことだ。

グループ内でデジタル領域をリードすべく設立された電通デジタルが選んだソリューション

急激なデジタルテクノロジーの進化は、私たちの生活様式や消費行動のみならず、企業側のマーケティング戦略や施策をも大きく変えているのは周知の通りだ。例えば、日本の広告費では、ついにインターネット広告費がテレビメディア広告費を超えた。(「2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」より)

インターネットメディアがマーケティングの主要な舞台になっている理由には、広告を出すことだけでなく、データの取得やそれを元にした次なる施策の検討といった副次的なメリットが得られる点が挙げられるだろう。そして、それを可能にするテクノロジーも、目新しく魅力的に映る。

だが、それらの恩恵を十分に受けるためには、専門性の高いコンサルティングや緻密なデータの分析、施策の立案など、デジタルマーケティングを支える「人の創造性」が欠かせない。そのため、地道でアナログな業務も少なくない。それを完遂するにあたり、仕事量や労働時間など労務環境の管理が必要となってくる。

そうした状況で、電通デジタルが「TeamSpirit」導入を決めた理由と、現在はどのように活用しているのかを、情報システム部の山之内氏と加藤氏に聞いた。

なお、今回の取材はコロナウイルス感染拡大防止のため、オンライン取材にもかかわらずご対応いただいた。

今後、どんな要望が出てきても柔軟に対応できるソリューションを

株式会社電通デジタルは、2016年7月1日に国内電通グループのデジタルマーケティング専門会社として設立し、デジタルマーケティングの全領域に対して、「コンサルティング」、「開発・実装」、「運用・実行」の機能を持ち、統合的で最先端のマーケティングサービスを提供している。「ワクワクするデジタルへ」というスローガンを掲げ、AI・データ・システム開発・デジタル媒体など、ありとあらゆるデジタルテクノロジーを横断的に活用した統合的なデジタルマーケティングを行い、クライアント企業の事業成長を支えるパートナーとして事業展開をしている。

「まだ若い会社ではありますが、業界全体の成長スピードが早く、私たちも急成長しています。社員数も、当初は600人程度でしたが、最近は1400人超にまで増えています」と言うのは、同社の情報システム部グループマネージャー、山之内 淳史氏だ。

同社が会社設立にあたって直面した問題のひとつが、各会社で利用していた管理業務のソリューション等の統合だったそうだ。

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「統合にあたり、管理業務について確認したところ、やはりそれぞれが別々のパッケージを利用していたり、一部では所定の用紙に記入してアナログに管理していたり、といったことが分かりました。そこで、まずはプロジェクトごとの原価管理にも関係する経費精算の部分を共通化しようと『TeamSpirit』の導入を決定しました。

それと同時に、勤怠や労務管理についても正しく見れるようにしよう、ということで、こちらもTeamSpiritを利用することになったのです」と、情報システム部の加藤 泰三氏は導入の経緯について聞かせてくれた。

先述した通り、デジタルマーケティング業界は、デジタルとはいえども人のチカラがまだまだ不可欠だ。そのため「管理部門としては、適正な勤怠管理でスタッフをフォローしなければならない、と考えました」とは、山之内氏の言葉だ。



まずはすぐに使えること。中長期的にはカスタマイズもしたい!

管理部門が適切な勤怠・経費精算の実現を検討するのと同様に、情報システム部は別の角度からクラウド型のサービス導入の必要性を考えていたと言う。

「サービスとしてきちんと利用できることが大前提ではありますが、情報システム部門としては『サーバーを持たないようにしたい』という要望を早くから挙げていました。会社設立に合わせて導入するため、設備等の準備のコスト・リソースを省きたいということもありますが、今後、マーケットの成長にあわせてスタッフの数も増えていくと想定できたので、『それに合わせて環境を整え、保守管理をするとなると余計にコストがかかってしまう。それは避けたい』という意向があったためです」と、加藤氏。

汎用性の高いソリューションは、確かに「すぐに導入できる」というメリットがあり、電通デジタルのように「一刻も早く利用したい」と考える場合、非常にリーズナブルだ。ただ、導入後に「ここはこのようにカスタマイズしたい」という希望を受け入れきれない場合もある。

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電通デジタルもこの点は懸念していたことだったそうだが、加藤氏は、「確かに、導入当初は標準の設定のなかでシステムに合わせるようにして活用していました。下手にカスタマイズを入れてしまうと、システムがバージョンアップした時に障害に結びつく、といったことも考えられたからです。しかし、長い期間で見ると、拡張性やカスタマイズがどうしても必要になることもあります。そうしたカスタマイズも吸収できることはあらかじめ聞いていて、それがTeamSpirit導入の最後の決め手ともなりました」と、教えてくれた。


実際に、同社では、TeamSpiritのレポート機能を活用して労務管理を徹底したり、コミュニケーションツールとして活用しているSlackと連携させたりするなどのカスタマイズを進めていると言う。

管理部門のデジタルシフトには技術と社内ルールを熟知したサポーターが不可欠

同社のTeamSpiritのカスタマイズは、先述のSlackとの連携に限らない。変化が激しい業界にありがちな組織改編等も含めると、定期的に何かしらの手を加える機会があるそうだ。だが、その都度、社内のリソースで対応できるとは限らない。そうしたこともあり、同社ではTeamSpiritのプレミアサポートを利用している。

「チームスピリット社側で、当社の勤怠や経理など、運用ルールを理解してくれているので、相談がスムーズに進みます。たとえば、組織改編に伴う設定変更についても、これまでのことを分かってくれているので、作業依頼や調整がしやすいと感じます。

Slack連携など、『すぐにやりたい!』と言うカスタマイズについて、それを実現するための知識や技術を持つスタッフを必要に応じてアサインしてくれるのも、ありがたいです」と、加藤氏。

同社の管理部門におけるデジタルシフトについて、ソリューションとしてのTeamSpiritとリソースとしてのチームスピリットが合わせ技で貢献している、とした。


新しい生活・労働様式に合わせるために管理部門もデジタルシフトする

最後に、昨今の働き方の変化、特に在宅勤務が中心のワークスタイルに変化している点について、同社ではどのように対応していくのか?そして、そのなかでTeamSpiritをどのように活用していくか?構想を聞いてみた。

「いま、電通デジタルでは、在宅勤務を実施しています。今後もこの働き方がメインになっていくと考えるなら、様々な部分を見直す必要があるでしょう。ちょうど今、一部残っていた紙での申請・承認フローについてどのように改善できるか、検討しているところです。また、これまでは『在宅勤務』がメインの働き方ではなかったため、申請を上げてもらっていましたが、今後はどうするのか、再検討が必要だと思っています。

そうした中で、業務だけでなく承認・申請といった部分のコミュニケーションも全て集約することは、作業負担を減らすことにつながると考えています。これからは、このコミュニケーション基盤にどのような情報をインプットするか、考えて実現していこうと思っています。

同様に、スタッフの管理についても見直すべき点は多い。たとえば、これまでは入退室のログとTeamSpiritの打刻データを突き合わせて勤務時間を正確に把握するようにしてきましたが、テレワークに適した手段を見つけていかなければなりません」と、現状の問題意識を示した山之内氏。続けて、次のように語ってくれた。

「実際のところ、私たちもまだまだTeamSpiritの機能をフル活用できていないと考えております。勤怠等で得られたデータを活用して、ロジックベースではなくデータが示す何らかの兆候から傾向分析して何か懸念されることがあれば改善したり、といった活用方法もあるのでは、と想像しています。そうした新しい方法を模索することで、従業員にとって働きやすい職場環境を下支えしていきたいと考えています」。

株式会社電通デジタル Dentsu Digital Inc.

株式会社電通デジタルDentsu Digital Inc.

設立:
2016年7月1日
事業内容:

デジタルマーケティングの全ての領域に対する、コンサルティング、開発・実装、運用・実行の提供

URL:
https://www.dentsudigital.co.jp/
取材年月:
2020年4月

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