【セミナーレポート】2020を前に、改めて働き方改革関連法令を学ぶ

【セミナーレポート】2020を前に、改めて働き方改革関連法令を学ぶ

令和元年10月28日(月)「働き方改革の成果が問われるフェーズに 〜2020を前に、改めて働き方改革関連法令を学ぶ〜」と題してセミナーを開催しました。

「働き方改革関連法」が順次施行されています。罰則付きとなった「時間外労働の上限規制」に関しては2019年4月1日から大企業に適用され、2020年4月1日には中小企業にも規制が適用されます。法の施行を間近に迎えるなかで、中小企業各社・各個人が新時代の人的資源管理(HR)への備えを万全にしていくことが求められています。

今回のセミナーではTMI総合法律事務所より近藤圭介弁護士をお招きし、「中小企業における働き方改革時代の労務対策」と題して、働き方改革関連法令を改めて理解したうえで、いますぐ取り組むべき働き方改革の取り組み等についてディスカッションいたしました。

<働き方改革の加速が求められる中小企業>

2019年8月16日付の日本経済新聞では、中小企業で働き方改革が十分に普及・浸透していない様子が示されました。記事では、高度プロフェッショナル制度は60%超、同一労働同一賃金は50%、時間外労働条件については40%の中小企業が「内容を知らない」と回答している実態に触れられています。実際に導入された施策についても「大幅な残業の規制」は30%弱に留まり、「労働時間の短縮」は25%、在宅ワークや副業は10%程度に留まるという調査データも紹介されています。

<長時間労働の是正は必須! 放置すると「刑事罰」「労災認定」「損害賠償義務」、さらには上司個人への賠償請求や刑事責任も!?>

 法令上、長時間労働は「労働基準法(労基法)の規制」と「労働者に対する安全配慮義務」の2つの視点で捉える必要があります。

労基法上の時間外労働の上限として「月45時間/年360時間」が明確化され、36協定における特別条項を適用する場合でも「月100時間未満/年720時間」などの上限が設けられています。規制に違反した場合、是正勧告や刑事罰(6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)の対象になります。

そして、長時間労働による健康被害が発生し、労基署による労災認定がされた場合に、結果的に安全配慮義務違反に基づく使用者の損害賠償義務が課される可能性が高くなります。この場合の労災認定については厚生労働省が定める基準によって、長時間労働の事実があると事実上ほぼそのまま労災認定されることになります。

「厚生労働省ウェブサイト」脳・心臓疾患の労災認定
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/040325-11.html

「厚生労働省ウェブサイト」精神障害の労災認定
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/120427.html

会社側(使用者)には労働者の労働時間を把握する「安全配慮義務」(労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務)がありますので、長時間労働を放置した状態で従業員が健康を害すると安全配慮義務違反を認定され、損害賠償義務も認定されることになります。

もっとも、労働者が健康を害したり不幸にして自殺をしてしまう場合、必ずしも過重労働だけが原因でなく、職場とは直接関係がない人間関係の問題や金銭問題といった別の原因を抱えているケースもあります。ですが、そうした事象との因果関係を立証し、労基署に認めてもらうことは一般的に困難であるため、長時間労働の事実があれば労災認定がされ、使用者は責任を課されることになると考える必要があります。

つまり、会社としては、従業員の労働時間を把握し、長時間労働を防ぐ手立てを講じることが例外なく必須です。

近藤様からは長時間労働を止める方策として、下記のような方策の検討が有効であるとのお話をいただきました。

  • ① 変形労働時間制、フレックスタイム制、裁量労働制、高プロなど多様な労働時間制度の活用
  • ② 生産性の向上を促す施策やシステムの導入
  • ③ 勤務間インターバル制度の活用や、人事評価制度の変更
  • ③ 意識改革(長時間労働を絶対に許容しない、長時間労働につながる指示は行わない、暗黙の意識を捨てる 等)

<日本版同一労働同一賃金>

 同一労働同一賃金の推進に向けた「パート有期法」が、大企業には2020年4月から、中小企業には2021年4月から適用されます。

現行法でも正社員(無期雇用フルタイム労働者)とパートタイム・有期雇用労働者との間の不合理な労働条件の差は認められないこととなっていますが、新法では「あらゆる待遇(基本給、賞与、手当等)について不合理な待遇差が禁止」されることと「待遇差の内容や理由について事業主に説明を求めることができる」ことが明確化します。事業主と当該労働者の間で紛争が生じた場合は都道府県労働局で紛争解決援助を利用することもできます。

厚生労働省は昨年12月に「同一労働同一賃金ガイドライン」を公表し、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保を推進しています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190591.html

実務対応としては、まず無期雇用社員と有期雇用社員との間に、基本給、賞与、手当、休暇付与、福利厚生サービスなどの点で待遇差があるか否かを確認し、差がある場合には、待遇差を設けている理由を確認することが求められます。

有期雇用・無期雇用を問わず人材確保に真剣な企業や、生産性向上に向けて従業員のキャリアアップを促進している企業では、正社員以外にも退職金を支給する制度の導入、賃金単価の統一、慶弔休暇の統一など、待遇差を是正する動きが進んでいます。

政策の変更をチャンスと捉え、人事制度の見直しを通して従業員が能力を存分に発揮できる職場づくりに取り組む企業は、社会の信頼を高めることができ、より大きな事業にトライすることができるようになります。

 

以上

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