2017/05/15
どうすれば「生産性の向上」は実現できる? 〜IT利用で「今の働きぶり」を把握してみよう

みなさんは自社の「働き方改革」を実施するにあたって、どのようなことから取り組みを始められる、または始められたでしょうか?
「長時間労働の是正」が世間で話題になったこともあり、「長時間労働の是正から着手した」という企業も多いかもしれませんね。株式会社チームスピリットが今春実施した「働き方改革に関する緊急アンケート」でも、やはり「長時間労働の是正」は「働き方改革」の具体的な施策として実施している(または実施を予定している)項目のトップにあがっていました。
それと同時に選ばれたことはというと、「有給休暇消化率の向上」と「社員の生産性の向上」です。そこで、この記事では「社員の生産性の向上」について、ITを活用する場合の可能性について取り上げたいと思います。
今回の記事のあらすじ
・日本のホワイトカラーの生産性はOECD諸国と比べて低い、と言われている。
また、実際に働く人たちもそうだと感じているようだ・生産性について改善すべき点はさまざまに挙げられるが、それはITのチカラを活用すれば改善することが可能であると考えられる
・TeamSpiritは「ホワイトカラーの生産性を"見える化"させ、より付加価値の高い仕事に注力できる環境を創出する」ことに寄与する
・TeamSpiritが具体的にどのように使えるかというと...詳しくは記事をお読みください!
今の仕事ぶり、本当に「生産性が低い」?
「日本のホワイトカラーの生産性が低い」という指摘は、日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較 2016 年版」に詳しく紹介されていますが、この資料の中でも以下の2点についてはニュースとしても取り上げられ、「働き方改革」の議論と相まって大いに話題になりました。ご記憶の方も多いことでしょう。
<「労働生産性の国際比較 2016 年版」の指摘>
- OECD データに基づく 2015 年の日本の時間当たり労働生産性は、2015年の日本の労働生産性(就業1時間当たり)は42.1ドル、OECD加盟35カ国の中では第20位。前年より順位は1つ上昇。
- 就業者1人当たり労働生産性は、74,315ドル(783万円)。OECD加盟35か国中22位。
これだけを見ると、「海外と日本では仕事の仕方が違うから」と考えてしまうかもしれません。そこで、日本国内で働く人に対して、前述のアンケートで「日本のホワイトカラーはOECD加盟国の中でも生産性が低いと言われていますが、貴社社員の生産性に関して改善すべき点はあると思いますか?」と質問をしてみました。
その結果は以下の通りです。
- 大いに改善すべき点がある(33.3%)
- 改善すべき点がある(47.1%)
- 多少改善すべき点がある(14.7%)
- 特に課題とは考えていない(4.9%)
※小数点第2位を四捨五入
上記の通り、8割の企業で「社員の生産性に関して大小は別として改善すべき点がある」と認識されていることがわかりました。
明確か漠然とかはさておき、やはり「生産性を向上させないといけない。今の仕事の仕方を改善すれば生産性を向上できる可能性がある」と考えるビジネスパーソンは多いようです。
では、実際に「生産性を向上させるにあたっての具体的にどのような課題を改善するべきか」というと?
先のアンケートでは、次のような結果が見られました。
- 無駄な会議が多い(12.9%)
- 紙やエクセルを使った管理業務が多い(15.6%)
- 生産性(時間)に対する社員の意識が低い(43.6%)
- 無駄な残業が多い(9.8%)
- 成果ではなく働いた時間で評価される仕組みやカルチャー(9.3%)
- その他(8.9%)
※小数点第2位を四捨五入
生産性を阻害する要因について、多くの方が「無駄な残業が多い」「無駄な会議が多い」「紙やエクセルを使った管理業務が多い」といったよく槍玉に挙げられる点ではなく、「生産性(時間)に対する社員の意識が低い」という点を挙げているところに少し意外さを感じられたかもしれませんね。
この結果からは、作業の内容ややり方を改善する以前に「意識を変えなければならない」というのが、大方の問題意識なのだとうかがい知ることができるかと思います。
ちなみに、回答で「その他」を選ばれた方のうちフリーアンサーに記入してくださった方の意見の一部をご紹介すると、次のようなものが見られました。
- 要件以上の性能を提供している
- 業務分掌が効率的にできていない
- 仕事量が多くて、集中力を高い状態で維持することが難しい
- 社員各人の得意分野、興味、能力、仕事量に合わせたアサインが十分できているとは言えない
- 小さな組織で(業務が)属人化してしまっている
- 意思決定のプロセスが冗長
- 管理側の長時間労働 始まりの時間には厳しいが、終わりの時間が過ぎても問題視されない点(会議や打ち合わせが長引く)
- 社内向きの仕事が多い。クオリティを抑えても許される社会であるべき
この中には「うちの社内でも抱えている課題だ」と感じられるものがあるかもしれません。みなさんの会社ではいかがでしょうか?
では、生産性を向上させるためには?
先のアンケート結果から見ると、「生産性の向上」のためには「時間に対する意識」を高める必要がありそうだとご理解いただけることでしょう。今までの時間に対する考え方を変える「意識改革が不可欠」とも言えます。
さて、このことは言うだけなら簡単なことですが、実際に実行しようとするとなかなか難しいものです。また、強く心に決めたとしても、繁忙期や長期の休みなどを挟むと決心がトーンダウンしてしまう、というのはよくあることです。
「だから働き方改革は難しいんだよ」という声も聞こえてきそうですが、決してそんなことはありません。ポイントは「誰が見ても、どんな時に見ても、『生産性がよくない』と判断できる指標を持つ」ことです。これは「時間に対するコスト意識を明確に持つ」と言い換えることもできるでしょう。
そのためにはどうすればいいのか...?
ここで私たちは、ITのチカラで業務に関わるすべてのことを"見える化"させ、連携させて考える、という方法をご紹介したいと思います。
TeamSpiritを活用して、リアルタイムに成果を確認する
私たちが提供しているTeamSpiritは、勤怠管理や工数管理、経費精算など、働くときに必要な機能が一体化しているわけですが、具体的には次のような機能を活用していただくことができます。
<TeamSpiritの機能一例>
勤怠管理:場所を選ばず出退勤の打刻ができる。その情報はリアルタイムで上長も確認することができる
工数管理:勤怠情報に登録された稼働時間を100%として、アサインされているジョブ(案件)と紐付け1日にどのジョブにどのくらいの時間をかけたのか把握することができる
経費精算:入力が簡単なうえ、どのジョブに紐づく経費なのかを登録することもできる
これらの情報が一括して管理・閲覧ができるうえ、上記のような機能があるからこそ、ジョブごとに「そのジョブから得られるもの(収益や予算、達成度など)」を「そのジョブにかかった時間(企画書を作成したり、要件定義の打ち合わせをしたり、製品を作る、などなど)」で割った数値(=生産性)を確認することもできるようになります。
スケジュール、勤怠情報、経費情報、工数情報が一体となったタイムレポート画面
こうすれば、どのような業務だったとしても、ジョブに対して「その工数をかけることが適切か」を判断しやすくなり、それに携わる人自身も「この仕事にはこんなに価値があるんだ」と感じたり「もう少し工夫ができないか」と考えるきっかけを得ることができるはずですね。また、改善の成果を目に見えて感じることもできるでしょう。
もちろん、たとえば企画職の場合「すごく時間がかかって作った資料はこの案件では生産性が低いものと判断されてしまうけれど、別のチームに転用できるから無駄じゃない」といったことも起こり得るでしょう。
しかし、それこそマネジメント層のチカラの見せ所。
とにかく、「これまで『いまそこにある仕事を果たす』ことに注力していた働く人たちが『時間の使い方』にも目を向けるきっかけを持つ」ことを第一歩として考えるなら、こうして「予算や収益と労働時間を分けて考えるのではなく、一体として考えること」で、「仕事の時間と広い意味でのコストの意識が高まる」ことになり、仕事をすることへの意識改革につながるはず。
たとえば、
「出社の時間が遅れることは厳しいのに、退社の時間が遅れることには無頓着だ」という指摘に対しては、「残業して進めるジョブの予算を考えると、明日に回していい」と判断ができるかもしれません。
また、「要件以上のサービスを提供することが常態化している」という場合は、「そのサービスが会社にとってどの程度までなら許容されるのか」「最悪の場合、要件以上のサービスを辞めて受託関係を解消するのと、現状維持だったらどちらの方がより会社のためになるか」を考え直すきっかけになることでしょう。
このように、具体的に数値として「input(得られる利益やそのジョブの予算)の割にoutputが多くなりすぎている(=生産性が低い、採算が合わない)」ということが"見える化"されれば、「どう改善するべきか」「どう現状を適正化させるべきか」を考えることも容易になるものです。
工夫をして改善すればよい状態のジョブか、取引先に協力を仰いで改善すべき状態か、新しい方法を探したりドラスティックに対応したりするべきか、と区分けすれば事業改善にも役立てられるはずですね。
実際に、TeamSpiritで「生産性の向上」はできるの?
実は、TeamSpiritのユーザー様の中にも、そうして事業改善を行ったり、プロジェクト原価管理を迅速化させて売り上げを伸ばすきっかけをつかんだ企業様がいらっしゃいます。
日経就職ガイドの販売代理業務を皮切りに、現在は採用アウトソーシングの最大手として活躍されている株式会社ディスコ様。紙での業務からTeamSpiritを活用した業務への"変化"によって、社内業務の煩雑さと業務時間が激減。
とにかく新しいこと、本質的にどうあるべきか、を考えて変化することに挑戦した企業の担当者の生の声をお聞きください。
CMSインテグレーションとSKYARC Web Platformによって、数多くのウェブサイトを構築されている株式会社スカイアーク。プロジェクトごとの原価管理がタイムリーに実現できると知り、トライアルから1時間で正式導入を決定。
「このプロジェクトは儲けている、と素早く把握できることは経営判断の速さにもつながり、実際に売り上げも上がっている」と同社。詳しくはこちらをごらんください。
最後に
上記のように「時間に対しての意識改革を行うことで『生産性の向上』を目指す」こと自体は、「あるべき仕事の仕方、より効率的な仕事の仕方」に近づけるためのアプローチであり、IT 技術はあくまでもそれを実現するために使える手段でしかありません。
可視化された情報をどう読み解き、どのように活用するかーー。
これは働く人それぞれが議論をしたり、アイデアを出し合っていくべきことだといえるでしょう。
そのきっかけともなるよう、TeamSpiritにはChatter機能というコミュニケーション機能が装備されています。フランクにアイデアを交換したり、困っていることを気軽に相談し合ったりできる空間があることは、格式張ったミーティングよりも活発で楽しい議論が交わせるもの。これも仕事の効率を高めてくれる機能と言えますね。
実際にどのようにしてその可視化ができるのか、デモを行ったり実際に体感していただくこともできます。
ご興味があればぜひ、試してみませんか?
TeamSpiritについて、より詳しい機能をチェックするならこちらの資料もオススメです。
私たちはこれからも、TeamSpiritシリーズのサービスを通じて、働く人の創造的な時間を生み出しチームの力を引き出すサービスで、変化に挑戦する人と企業に貢献します。