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基礎知識

「くるみん・プラチナくるみん認定」とは?認定基準や申請方法を解説

著者:チームスピリット編集部

少子高齢化が進む日本では労働人口の減少が顕著であり、将来的な国の経済力の衰退が危惧されています。そのため、今後いかに労働力を確保するかが重要な命題となります。しかし、同時に労働者のワークライフバランスを考えるならば、子育てとの両立や育児支援の分野にもきちんと目を向けなければいけません。そして、それは国や自治体だけでなく、企業も一緒に取り組むべき課題だと言えるでしょう。

そうした社会的な背景もあり、日本政府は2007年に厚生労働大臣が要件を満たした企業を「子育てサポート企業」として認定する「くるみん認定」を開始しました。一社でも多くの企業が自社の業績とともに従業員の子育て環境について目を向けてもらうことが狙いです。では少子化対策や子育て支援に積極的に取り組む企業が「くるみん認定」を受けるためには、どんな基準をクリアし、どんな手続きが必要なのでしょうか。

子育てサポート企業の証し「くるみん認定」とは

労働人口が減少傾向にある日本は、人手が足りないうえに将来を担うべき子どもの子育て環境も十分とは言えないのが現状です。そこで日本政府が開始したのが「くるみん認定」です。くるみん認定とは、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣(都道府県労働局長へ委任)の認定を受けられる制度。

企業が自社の子育てサポート企業としての行動計画を策定し、その行動計画で定めた目標を達成するなどの一定の要件を満たした場合、必要書類を添えて申請を行うことで認定が得られます。認定基準は10項目あり、すべての項目で基準を満たさなければなりません。くるみん認定を受けると「くるみんマーク」を商品、広告、求人広告などで掲載できるので、"子育てサポート企業"として自社をアピールできます。

企業がくるみん認定を受けるメリット

くるみん認定を受けることは、子育てサポート企業として国から認められたことを意味します。具体的な行動計画はそれぞれの会社の方針によりますが、10項目ある認定要件の中には男女別の育休取得の割合や、時短勤務などの制度の整備も含まれています。

それらの制度がしっかり活用されていることをアピールできるので、採用における人材の確保や従業員の定着率向上も期待できるでしょう。これからの時代はより人材の確保が難しくなることが予想されるだけに、社会から「仕事と育児の両立支援を積極的にしている会社」「ライフステージが変化しても働きやすい会社」という印象を持ってもらえることは、メリット以外の何物でもありません。

また、公共調達が有利になる点も大きなメリットです。各府省などが総合評価落札方式または企画競争による調達によって公共調達を実施する場合は、「次世代育成支援対策推進法」に基づき、厚生労働大臣の認定を受けた企業(くるみん認定企業・プラチナくるみん認定企業)などを加点評価するよう国の指針において定められています。

より優良な子育てサポート企業の証し「プラチナくるみん」

くるみん認定を受けた企業の中から、より高い水準の取り組みを実践した企業が一定の要件を満たした場合、より優良な「子育てサポート」企業として「プラチナくるみん」の認定を受けます。プラチナくるみん認定を受けるには、くるみん認定をすでに受けている必要があります。そして、必要とされる12の要件をすべて満たすことで認定を受けられます。プラチナくるみんマークに関しても、商品や広告、求人広告などへの掲載が可能です。

行動計画策定〜認定までのステップ

行動計画策定〜認定までのステップ

くるみん認定を受けるには、自社の子育てサポートの現状と社員のニーズを把握するのが先決です。仕事と子育てを両立させるうえで、従業員が困っていることやニーズをヒアリングします。具体的には「結婚や出産を機に退職する従業員数」や「子育て中の従業員数」といった実データ、「現状の支援制度の満足度」や「勤務時間の希望」といった意見を集めます。

現状を把握したら、行動計画の策定が必須です。さまざまな課題に対して優先順位をつけて取り組みましょう。その際は経営陣とも相談しながら計画期間や目標を明確にすることが大切です。行動計画が完成したら、社内外に公表し従業員に周知しましょう。行動計画を策定した日からおおむね3ヶ月以内に、「一般事業主行動計画策定・変更届」(様式第一号)を郵送か持参、電子申請のいずかで都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に届け出てください。

それらが完了した後は、行動計画に沿って施策を実施します。計画で定めた目標の達成を目指しましょう。行動期間が終了後、基準を満たした場合は都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ、くるみんの認定申請を行います。無事、申請が認められれば子育てサポート企業としてくるみんマークが付与されます。

くるみん認定にて満たすべき認定基準

企業がくるみん認定を受けるため、満たすべき認定基準は次の10項目です。

【くるみん認定の認定基準】

  1. 雇用環境の整備について、適切な行動計画を策定したか
  2. 行動計画の計画期間が、2~5年以下であるか
  3. 策定した行動計画を実施し、目標を達成したか
  4. 策定した行動計画について、従業員などに向け、周知を行ったか
  5. 次の①または②を満たしているか
    ①計画期間内で、男性の育児休暇取得者の割合が7%以上か
    ②計画期間内で、男性の育児休業および企業独自の育児休暇の取得者の割合が、合わせて15%以上であり、かつ育児休業等の取得者が1人以上いるか
  6. 計画期間において、女性の育児休業などの取得率が75%以上か
  7. 3歳から小学校就学前の子供を育てる労働者について、時短勤務制度などの実施をしているか
  8. 次の①と②両方を満たしているか満たしているか
    ①フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満か
    ②月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者が以内か
  9. 所定外労働の削減、年次有給休暇の取得促進、テレワークなど多様な働き方の整備のいずれかの措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施しているか
  10. 法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないか

ちなみにプラチナくるみん認定においても、上記の1~4、6~8、10の項目はまったく同じです。異なるのは4点あります。

1つは5の「男性社員の育児休業等の取得割合」。プラチナくるみんでは下記のようにより高い取得目標を満たす必要があります。

次の①または②を満たしているか
①計画期間内で、男性の育児休暇取得者の割合が13%以上か
②計画期間内で、男性の育児休業および企業独自の育児休暇の取得者の割合が、合わせて30%以上であり、かつ育児休業等の取得者が1人以上いるか

2つ目は9の代わりに「所定外労働の削減」「年次有給休暇の取得促進」「テレワークなど多様な働き方」すべてに取り組み、最初の2つについて少なくとも1つは定量的な目標を定めて実施。目標を達成する必要があります。

3つ目は下記のいずれか満たすことが条件です。

  1. 子どもを出産した女性従業員のうち、子どもの1歳の誕生日まで継続して在職している者(育休中の者を含む)の割合が「90%以上」
  2. 子どもを出産した女性従業員、および出産予定だったが退職した女性従業員のうち、子どもの1歳の誕生日まで継続して在職している者(育休中の者などを含む)の割合が「55%以上」

そして、最後は「育児休業等を取得し、あるいは、子育てをする女性従業員が就業を継続して活躍できるように能力の向上やキャリア形成に向けた支援などについて行動計画を策定し、実施していること」が挙げられます。プラチナくるみんの認定には、くるみん認定の8つの条件に加え、上記4つの条件をクリアすることが必要です。

くるみん認定の申請手続き

くるみん認定の申請手続き

10項目の認定基準をすべてみたしたら、下記の書類を用意して申請を行いましょう。申請方法は郵送、持参、電子申請いずれでも可能です。

【くるみん認定の申請に必要な書類】

  1. 策定・実施した一般事業主行動計画
  2. 行動計画に定めた目標が達成されたことを明らかにする書類
  3. 公表および労働者への周知を行っていることを明らかにする書類
  4. 育児休業または企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者の氏名、これらの制度を利用した期間および取得の対象となった子の年齢が記載されている書類
  5. 育児休業等をした女性労働者の氏名、育児休業等をした期間および取得の対象となった子の年齢が記載されている書類
  6. 認定基準7における取組の実施状況を明らかにする書類
  7. 認定基準9における取組の実施状況を明らかにする書類および当該取組に係る目標について明らかにする書類であって、その内容および目標を定めた日付が分かるもの
  8. 関係法令遵守状況報告書

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その1:長時間労働の是正

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その2:有給休暇の取得促進

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その3:フレックスタイム制度の導入

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