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基礎知識

IT企業の工数管理とは?原価・勤怠管理との連携に役立つ機能も解説

著者:チームスピリット編集部

アプリ・システムの開発やサイト制作など、プロジェクトを計画通りに進めながら収益を出すためには「工数管理」が欠かせません。すでに多くのIT企業で工数管理が実施されており、案件ごとの工数管理は業界の常識になっているといえるでしょう。

一方で、工数管理には手間がかかるため、Excelで簡易的に行っていたり、適当に入力していたりと、しっかりと工数管理ができている会社はまだ多くはないのが現状です。

この記事では、IT企業が工数管理を行う上でのポイントや注意点を解説します。

工数管理システムの選び方についても紹介するので、工数管理に課題を抱える総務や経営管理の担当者の方はぜひ、参考にしてください。

●目次

1.そもそも「工数管理」とは

 プロジェクトなどの作業時間を管理すること

 工数管理を実施するときの基本手順

2. IT企業における工数管理の重要性とは?

 蓄積したデータから開発に必要な人員を割り出せる

 工数管理データをもとに適切な納期を設定できる

 工数管理によりプロジェクトの収益状況を改善できる

3.IT企業における工数管理のポイント

 プロジェクト内の工数を共有できる状態にする

 工数管理にリソースをかけすぎない

 工数だけでなくプロジェクトの原価管理にも気を配る

4.工数管理と勤怠管理を連動させるメリット

 入力の手間の軽減につながる

 正確な工数管理につながる

 より厳密な原価管理ができる

5.プロジェクトの改善が期待できる工数管理システムの特徴

6.まとめ

7.チムスピ勤怠とチムスピ工数の導入で、正確な工数管理を実現

1.そもそも「工数管理」とは

工数管理は、人と時間を管理するマネジメント手法です。工数管理を行うことで、案件の進み具合や収益性を把握でき、プロジェクト運営を円滑に進められます。ここではまず、工数管理の基礎知識を学んでいきましょう。

プロジェクトなどの作業時間を管理すること

工数管理とは、ソフトウェアやシステム開発、ウェブサイト制作などにおいて、工数を設定すること、または設定した工数の状況を確認することです。工数とは、作業を完了させるために要する時間と人数を意味します。

プロジェクトにかかる時間が1時間なのか、5時間なのか、あるいは1カ月かかるのかでは、プロジェクトに必要なコストは大きく異なります。工数管理を適切に行うことで、案件にかかるコストを定量的に把握でき、さらには次に取り組むプロジェクトの改善へとつなげられます。

工数管理を実施するときの基本手順

工数管理は、準備・実践・分析の3つの要素で構成されています。それぞれ、下記の順に対応していくことで、適切な工数管理ができます。

▼工数管理の手順

【1】 準備 : 工数を見積もって、工数表を作成する

【2】 実践 : 工数入力を行い、予定と実績の比較を適宜行う

【3】 分析 : プロジェクト完了後、工数情報を集計し改善につなげる


工数管理が失敗するケースとして、工数表を作って終わりにしてしまう場合が挙げられます。プロジェクト進行中も絶えず入力・比較を行うことが重要であり、プロジェクト完了後には、「工数は当初の予定通りだったか」のレビューも行います。

工数管理のデータが蓄積すれば、より一層精度の高い工数計算ができるようになります。準備から進行中の入力、完了後の分析まで、一連の流れを完遂することが大切です。

2. IT企業における工数管理の重要性とは?

IT企業において、工数管理はプロジェクトの成否を決める大きな要素といっても過言ではありません。続いては、IT領域を主要業務とする企業における工数管理の重要性について解説します。

蓄積したデータから開発に必要な人員を割り出せる

システムやソフトウェア開発といったIT領域では、工数管理を実施することで、開発に必要な人員や工期を割り出すことができます。IT領域はプロジェクトのコストにおいて、人件費の負担割合が大きくなりやすいビジネスである分、利益を追求するためには人員・工数を適切に見積もり、運用することが不可欠です。

業務に工数管理を導入することで、過去の案件の人員や、かかった工数のデータを蓄積できたり、過去の案件における工数データを検索・閲覧したりできます。過去の類似案件のデータを参考にすることで、最適な人員・工期を設定できます。

なお、工数管理は、「人月(にんげつ)」「人日(にんにち)」「人時(にんじ)」という単位が広く使用されています。それぞれ「その単位時間でできる1人分の作業量」を表し、これをもとにプロジェクトに必要な人員・時間を計算します。

1人月 : 1カ月間でできる1人分の作業量

1人日 : 1日(約8時間)でできる1人分の作業量

1人時 : 1時間でできる1人分の作業量

工数管理データをもとに適切な納期を設定できる

工数管理は、納期管理においても役立つ取り組みです。想定される作業内容をもとに必要な作業時間を割り出し、そこに充てられる人員数から納期を算出します。

例えば、工数が10人月(1人が10カ月でできる作業量)のアプリ開発のプロジェクトを考えてみましょう。1人でその作業をすれば当然、開始後10カ月で完了します。4人で作業をすれば2.5カ月、5人なら2カ月というふうに必要納期を計算できます。

逆に、「10人月の案件を3カ月で納品しなければならない」というように、締め切りが決まっているプロジェクトでも、工数管理は役立ちます。

また、プロジェクト開始時に予定工数表を作っておくことで、予定と実績の乖離をその都度確認できます。

工数管理によりプロジェクトの収益を改善できる

工数管理を適切に行うことで、「どのプロジェクトに、何人が、どれだけの時間を費やしたか」が見える化できます。当初の想定と実績を比較することで、進捗確認だけでなく、プロジェクトの収益状況も逐一チェックできます。万が一、進行中のプロジェクトが不採算となっていても、工数管理によって早期発見ができ、その後の素早い対処につなげられます。

3.IT企業における工数管理のポイント

工数管理を実施する際、ただ漫然と作業時間や作業内容を記録するだけでは不十分です。次に紹介するような点に気を付けながら工数管理を行うことで、効果的かつスムーズにプロジェクト運営ができるでしょう。

プロジェクト内の工数を共有できる状態にする

工数管理によって、各エンジニアが持っているタスクの進捗と予定・実績工数の状況をプロジェクトメンバー間で共有できる仕組みを作ることが重要です。

IT関連のプロジェクトでは、エンジニア各自が、細かいタスクを複数持っているため、特定の期間中や、全体でかかる工数が見えづらくなりがちです。プロジェクトのマネージャーはもちろん、各メンバー同士でタスクの進捗状況や、工数の消化状況を共有し合うことで、より効率的な進行ができるようになります。

例えば、週1回の定例ミーティングを実施したり、進捗表や工数表をクラウドで閲覧できるようにしたりすることで、メンバー各自がその時々に合ったアクションを実行できます。人員が足りていない作業や、進捗が遅れている作業があれば、ヘルプ要請も出しやすくなるでしょう。

工数管理にリソースをかけすぎない

工数管理の精度を求めるあまり、管理工程が複雑になってしまうと、工数管理そのものにリソースが割かれてしまいます。そうすると、本来注力すべき業務に使える時間が減ってしまい、本末転倒となります。

IT企業において恒常的な工数管理は必須である反面、「工数管理の手間」に頭を悩ませる会社は少なくありません。

業務改善に生かせるようなデータを集めようと、あまりに細かな項目までを記録すると入力作業に多くの時間がとられてしまいます。これを回避するためにも、「簡単に入力できるフォーマットにする」「勤怠管理と連動するツールを導入して手間を最小限に抑える」など、スムーズに運用できる工夫が必要です。

工数だけでなくプロジェクトの原価管理にも気を配る

プロジェクトの収益を確保するためには、工数管理に加えて原価管理も必要です。ソフトウェアやシステム、アプリなどの開発には、人件費に加えて、サーバーの調達やインフラ整備といったコストがかかります。

工数管理だけ実施し、原価と併せたコスト管理ができていなければ、収益を計画的に生み出せません。

プロジェクトメンバーの工数管理とプロジェクトにかかる原価管理を連動させられる工数管理ツールもあるので、使いやすいシステムを導入することが大切です。

4.工数管理と勤怠管理を連動させるメリット

最近は、プロジェクトにかかった作業時間を可視化できる「工数管理」に、勤怠情報を可視化する「勤怠管理」を連動させる手法が主流になっています。両者をセットで運用することで、管理の「無理・無駄・ムラ」を減らすことができます。ここでは工数管理と勤怠管理を連動させるメリットを見ていきましょう。

入力の手間の軽減につながる

工数管理と勤怠管理を別々で運用している場合、作業者は両方のシステムにデータを入力しなくてはならず、本来の業務以外に余計な時間をかけてしまっている状況です。そこで、工数管理と勤怠管理を連携させることができれば、システムへの入力の手間が省け、バックオフィス側でもデータ照合の労力を削減できます。

正確な工数管理につながる

工数管理に勤怠管理を紐づけることで、従業員の働き方の可視化にもつながり、プロジェクトマネージャーが適切なタイミングで作業者に対しフィードバックや注意喚起をしやすくなります。工数管理システムだけでは見えない勤怠時間をチェックできる仕組みを取り入れることで、特定のメンバーにかかる負担を軽減し、組織として無理なく効率的にプロジェクトを進行できます。

より厳密な原価管理ができる

工数管理と勤怠管理が連動していれば、作業ごとの原価が可視化され、より厳格な原価管理が可能となります。例えば、特定のプロジェクトに数週間、数カ月にわたって取り組む場合は、工数管理と勤怠管理を連動させることで勤怠時間と作業時間の整合性がとれるため、1つのデータで「誰が何にどのくらいの時間をかけたのか」を把握できるようになります。

5.プロジェクトの改善が期待できる工数管理システムの特徴

工数管理はプロジェクト管理だけでなく、勤怠管理や売上・原価管理、各種ソフトウェアなどと結びつけることで、さらに効果を発揮します。

また、工数管理システムを選ぶときには、工数管理に伴うタスクによって通常業務が圧迫されないよう、システム自体の使い勝手の良さを重視しましょう。機能面だけでなく、以下のような視点でシステムを選ぶと、工数管理がしやすくなり、プロジェクトの改善がさらに期待できます。

ユーザーインターフェースがシンプルで使いやすいか

工数の集計が簡単で管理しやすいか

モバイル端末での工数管理ができるか

勤怠管理システムとしても併用可能か

6.まとめ

IT企業のように複数のメンバーで一つのプロジェクトの開発に取り組む組織では、採算や作業の最適化を図る上で工数管理の考え方がよく取り入れられています。IT企業にとって工数管理システムはプロジェクト遂行のために必要なツールとなっています。

さらに、工数管理を行う場合、「勤怠管理と連動させる」ことも重要なポイントです。勤怠管理との連動により、作業入力やデータ照合の手間が省け、さらには正確な原価計算ができるようになるので、プロジェクトごとの収益性把握にも役立ちます。

7.チムスピ勤怠とチムスピ工数の導入で、正確な工数管理を実現

「チームスピリット」は、「チムスピ勤怠」と「チムスピ工数」とを併用いただくことで、ストレスフリーな工数登録を実現し、勤務実績と一致した正確な工数情報を取得することが可能です。

さらに有償アドオンの「プロジェクト原価管理」を追加することで、プロジェクトごとのリアルタイムな原価計算と予実管理が実現します。

プロジェクトの収益性アップをお考えの企業様は、ぜひチムスピシリーズの導入をご検討ください。