【面接指導制度】長時間労働による医師との面談の必要性

【面接指導制度】長時間労働による医師との面談の必要性

恒常的な長時間労働が健康へ悪影響を及ぼすことは、多くの方が容易に想像できるでしょう。実際に長時間労働と脳や心臓疾患との関連性が医学的知見からも確認されています。しかし、「働き過ぎは体に良くない」ということを重々承知しつつも、業務量からやむを得ず長時間働かざるを得ないというケースも珍しくありません。

そのため、労働安全衛生法第66条の8によって長時間労働による疲労の蓄積が懸念される従業員に対して、事業者は医師による面接指導を実施することが義務づけられています。それは企業の規模に限らず、常時50人未満の中小企業でも実施しなければなりません。では従業員の健康を守るためにも、企業では面接指導制度において、どんな対応が求められるのでしょうか。長時間労働による健康的リスクや企業としての面接指導の対応について触れていきます。

長時間労働を強いることの経営的なリスク

先述したように、長時間労働は従業員の健康面に害を及ぼす危険性があることはもちろん、そのリスクが一個人の健康被害だけに留まらない点を理解すべきでしょう。ひいては経営に打撃を与えるリスクすら孕んでいるのです。

たとえば、長時間労働が原因でケガや事故、自殺する従業員が出た場合にはニュースとして報道されるケースもあるでしょう。世間に過酷な労働環境が白日のもとに晒されれば、企業のイメージダウンは避けられません。営業に悪影響が出るのはもちろん、人材の採用も難しくなるでしょう。

また、事件にまで発展しなかったとしても、恒常的に長時間労働が行われていれば従業員の疲労が溜まり、生産性の低下にもつながります。従業員の生産性が落ちることで、会社の業績に悪影響を及ぼすは明らかです。このように従業員の健康管理を個人の問題として捉えるのではなく、経営的な視点でリスクヘッジのための策を講じることが不可欠だと言えます。

長時間労働によって引き起こされる疾病

長時間労働における経営的なリスクを回避することは経営者に求められますが、労務担当者は従業員1人ひとりが健康に安心して働ける環境を整備する必要があります。従業員の健康維持・促進に関する対応を疎かにしてしまうと、労働環境が原因で病気に罹ってしまうリスクが増大します。実際に長時間労働によって脳の異常や心臓疾患、メンタルヘルスなどを引き起こす危険性があるので注意が必要です。

注意すべき疾病1:脳疾患

英国・ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)のミカ・キビマキ氏が発表した「長時間労働と脳・心臓疾患との関連についてのシステマティックレビュー」によると、1週間あたり55時間以上の長時間労働の人は、通常勤務の人に比べて脳卒中リスクが33%上昇するようです。また、週に41~48時間の比較的ゆるやかなオーバーワークでもリスクは10%増という結果が出ています。

注意すべき疾病1:脳疾患

加えて長時間労働によるストレスによって飲酒の量や喫煙の頻度が増加することで、脳卒中のリスクがより上昇する傾向にあります。働く時間が長くなるほど運動する時間や頻度が減ることも、脳卒中のリスクを高める1つの要因と言えるでしょう。

注意すべき疾病2:心臓疾患

長時間労働は、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患)の発症リスクも高めます。心臓周りのトラブルは長時間労働によるストレスが引き金になると考えられており、こちらも飲酒・喫煙量が増えることでよりリスクが増大します。さらに運動不足も加わるとLDL(悪玉)コレステロール値が上昇。脂質異常症が危惧される状況になると、動脈硬化や心筋梗塞を引き起こす恐れがあります。

注意すべき疾病2:心臓疾患

このように長時間労働は、労働時間自体が疾患のリスクを増やすだけでなく、副次的に飲酒や喫煙の量を増やし、さらに運動量が減ってしまう傾向にあります。さまざまな疾病の引き金になることを肝に銘じておきましょう。

注意すべき疾病3:鬱(メンタルヘルス)

長時間労働の影響は身体的なリスクだけではありません。精神的な疾患のリスクも高める要因にもなり得ます。特に働き盛りであり、結婚や出産、昇進などによってライフステージにおいて責任を負う場面が増える30代は精神疾患の発症率が高いと言われています。子どもの進学や重役昇進などさらに責任が重くなる40・50代は自殺者の割合が特に高い年代です。

日本人の社会人の多くが仕事にストレスを抱えているとも言われており、そうした状況を放置してしまうと、精神不安を抱えたり、最終的には鬱になってしまったりする恐れがあります。労働者の誰もが精神疾患になるリスクがあるだけに、企業においてもメンタルヘルス対策が不可欠だと言えるでしょう。

上記の「脳疾患」「心臓疾患」「鬱(メンタルヘルス)」などの心身におけるリスクを回避する目的で、企業には医師による面接指導制度が設けられています。

長時間労働者への医師による面接指導制度とは

労働安全衛生法第66条の8で規定されている医師による面接指導とは、長時間労働によって発症リスクが高まる脳・心臓疾患やメンタルヘルスを予防するための制度です。長時間の労働により疲労の蓄積が危惧される従業員を対象に、医師が面接指導を行います。面接指導を受けることは従業員の権利ではなく、「事業者に対する義務」です。対象となる従業員がいる事業者は、必ず実施する必要があります。

面接指導の対象

医師による面接指導の対象となるのは、時間外・休日労働時間が月に100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる従業員です。それ以外にも、月に時間外労働が80時間を超え、事業者において定められた基準に該当する従業員も面接を受けられます。

時間外・休日労働時間の算定

該当する従業員がいるかどうかは、時間外・休日労働時間の以下の算定方法で調べられます。

1ヶ月の時間外・休日労働時間数=1ヶ月の総労働時間数ー(計算期間1ヶ月の総暦日数/7)×40

※1ヶ月の総労働時間数=所定労働時間数+延長時間数+休日労働時間数

労働時間の算定には毎月1回以上、一定の期日を定めて行わなければなりません。裁量労働制を採用している従業員は、使用者が健康・福祉確保措置を行うために把握している「労働時間の状況」をもとに事業場ごとに取り決めた方法により算定します。管理・監督者については、従業員自らが「時間外・休日労働時間が月100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる」と判断し、申し出があった場合に面接指導を実施します。

所定労働時間超えの通知義務

労働時間の算定をした結果、80時間を超えた場合には、該当する従業員にその結果を通知しなければなりません。時間外労働が100時間に満たなかった場合でも80時間を超え、労働者からの申し出があった場合には医師の面接が受けられます。通知義務があるため、事業者側はきちんと勤怠管理を行い、さらに労働時間を算定することが求められます。

長時間労働者を出さないためには勤怠記録が重要

「長時間労働者がいたので医師に面接指導してもらおう」という結果ありきの運用では、いずれ体調不良の従業員が出て、さらには大きな事故の発生にもつながりかねません。重要なのは、「そもそも長時間労働をさせない」という意識を会社全体で共通認識として持つことです。そのために、労働時間の算定で初めて長時間労働を認識しているようでは不十分です。リアルタイムで労働時間を把握し、80時間に達する前に注意喚起できる環境を整える必要があります。

また、医師による面接指導の申し出を行うためには、そもそもの勤怠データが正確であることが重要になります。適正な勤怠管理ができていなければ、申し出の機会を逸する恐れもあるので、そうなると事業者としての義務を果たせません。従業員に長時間労働を意識してもらい、規定に達した場合に申し出を行ってもらうためにも、企業が勤怠管理のベースを構築することが重要になります。

TeamSpirit で面接指導制度に対応した勤怠管理を実現

従業員の勤怠管理を適正に行うためには、働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」の活用をおすすめします。個々の就業状況などのミクロな視点はもちろん、従業員全体の勤務実態のトレンドというマクロな視点での勤怠管理が可能です。長時間労働をしている従業員の勤怠状況をリアルタイムに数値で可視化できるので、状況に応じた適切な対応に役立てられます。

機能1:さまざまな打刻に対応

従来のアナログな勤怠管理は、出勤してタイムカードで打刻するなどオフィスに出社することが大前提でした。しかし、近年はリモートワークなどさまざまな働き方が日本社会に浸透し始めているので、新たなワークスタイルに対応した勤怠管理が求められています。

「TeamSpirit」ならスマホでどこでも簡単に打刻できるため、リモートワークをしている従業員でも簡単に適正な勤怠管理が行えます。1日に複数回打刻することも可能で、仕事の途中で抜け出して再び業務に戻ることも可能です。たとえば、子どものお迎えや介護で仕事を中抜けしなければならない場合でも、正確な業務時間を記録できます。仕事において時間や場所に制約がある従業員に対しても、ワークライフバランスに配慮した働きやすい環境を整えられるでしょう。

機能2:長時間労働の前のアラート

TeamSpiritではリアルタイムで労働時間を把握できるだけでなく、長時間労働など勤怠状況が芳しくない従業員がいる場合にはアラート通知してくれます。数十人、数百人規模で従業員がいる事業者では、1人ひとりの労働時間を常に把握するのは至難の業です。アラート機能があることで通常業務に集中しながらも、リスクが高まった時に状況を即座に察知できるので、適切な対策を講じることができます。

機能3:リアルタイムで労働時間が把握できるダッシュボード

機能3:リアルタイムで労働時間が把握できるダッシュボード

従来のアナログな勤怠管理の場合、事業者が月に一度算出するまで個々の従業員の労働時間を把握できていないケースも珍しくないでしょう。気づいたら長時間労働になっていたという事態は避けなければなりません。「TeamSpirit」を導入することで、算出のタイミングでなくてもダッシュボードを通して全体の状況を把握できます。ダッシュボードによる勤怠状況の見える化によって、未然に長時間労働のリスクを把握し、回避するための指導を行うことも可能です。

機能4:定期レポートで状況把握

ダッシュボードによってリアルタイムに個々のメンバーの労働時間を把握できますが、逐一ダッシュボードを確認するのも手間にはなります。「TeamSpirit」のレポート機能を活用すれば、定期的に労働時間の概略を把握できます。たとえば、週に1回の定期レポートを出力してメールで通知することも可能です。

機能5:従業員の健康に関する情報を一元管理する「Carely」と連携

「TeamSpirit」は健康診断やストレスチェック、産業医の面談内容など従業員の健康に関する記録を一元管理するRPA「Carely」と連携しています。「TeamSpirit」に蓄積された勤怠情報をもとに、「Carely」上に残業時間の一覧を表示することで過重労働リスクを一目で把握できます。

長時間労働者に対する疲労蓄積度チェックも「Carely」上で実施できるため、従業員とのやり取りの簡素化も期待できるでしょう。チェックの結果も自動収集され、特定の産業医へ面談手配を行えるため、労務担当者の作業工数の大幅な削減にも寄与します。

従業員・企業に有益な勤怠管理で長時間労働の解消を

従業員の就業状況を正しく把握することは、疾病リスクを回避するのはもちろん、生産性向上など個々のパフォーマンスを高めるためにも重要な施策となります。ただし、従来のアナログな勤怠管理のやり方では、労務担当者の負担が増えるばかりで、余計な長時間労働を生み出すことにもなりかねません。だからこそ、デジタルの勤怠管理システムを上手く活用して賢い勤怠管理に移行することが求められます。

「TeamSpirit」は急成長企業から大手優良企業まで、業種を問わず多くの企業様にご活用いただいています。資料請求製品・導入に関するご相談はいつでも受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。

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