【前提】工数管理ツールとは?簡単解説工数管理ツールを紹介する前に簡単に「工数管理ツールとは何か」を解説します。工数管理ツールとはその名の通り「工数管理」に特化したツールで、エクセルやGoogleスプレッドシートよりも正確かつ効率的に工数を管理できる工夫が盛り込まれたシステムです。プルダウン選択やスライダー入力で直感的に入力できる勤怠管理と連携したツールなら、実労働時間と一致する正確な工数を管理できる入力漏れを知らせるアラート機能などがある誰が何にどれくらい時間を使っているのかなどを可視化できる工数をリアルタイムで確認できるため、赤字プロジェクトが発生する前に対処できる無料で使える簡単な工数管理ツールもあれば、プロジェクト原価管理なども行える高機能な工数管理ツールもあります。全ての企業におすすめの工数管理ツールというものは無く、工数管理の目的や必要な機能、向いている入力方式を選べるか、無料ツールで十分かどうかなどを比較・検討した上で、自社に合う工数管理ツールを選ぶのがおすすめです。工数管理ができる11ツールの比較一覧表|特徴・コストをまとめて比較本記事では工数管理ツールを以下の3タイプにわけて紹介します。正確な原価管理をしたい企業におすすめの工数管理ツールプロジェクトの進捗管理を行いたい企業におすすめの工数管理ツールシンプルに作業時間を記録したい企業におすすめの工数管理ツールタイプによって、解決できる課題や得意とする機能が異なるため、自社の行っている工数管理の目的に合ったものをチェックしてみましょう。▼原価管理を目的としたおすすめ工数管理ツール4選正確な原価管理をしたい企業におすすめTeamSpirit工数勤怠(実労働時間)と工数(工数実績の合計時間)を完全に一致でき、工数レポートも柔軟に出力が可能正確な工数管理やプロジェクト原価管理を行いたい企業におすすめクラウドERP ZAC経費などの関連コストを紐づけられる多様な選択肢から自社で必要な機能をカスタマイズしたい企業におすすめfreee工数管理カレンダー画面UIを使った直感的な入力ができるfreee人事労務で勤怠管理をしている企業におすすめクラウドログドラッグ&ドロップによる簡単入力簡単操作で工数入力とプロジェクト管理を行いたい企業におすすめプロジェクトの進捗管理を行いたい企業におすすめmonday.comExcelと同じ見た目で直感的に使えるカスタマイズ性の高いダッシュボードで、自社の特性にフィットした工数管理を実現したい企業におすすめBacklog使いやすさを考えたプロジェクト管理機能シンプルながらも多機能なプロジェクト管理ツールを探している企業におすすめLychee Redmine直感性に優れたUIにより、プロジェクトの進捗管理が容易に行えるUI・機能の利便性が高く、使いやすさに長けたツールを使いたい企業におすすめJootoプロジェクト横断機能で全タスク・進捗管理が可能カンバン方式でプロジェクト管理をしたい企業におすすめタイムデザイナーシンプルなツールでありながら、タスク管理・工数管理に必要な機能は網羅されているタスク管理、工数管理さえできれば十分で、費用を抑えたい企業におすすめシンプルに作業時間を記録したい企業におすすめTimeCrowdChrome拡張機能を使って、文字入力なしで工数入力メンバーのタスクを「見える化」したい企業におすすめPace日報に入力した情報が自動で工数に反映日報入力と工数入力を一本化したい企業におすすめ正確な原価管理をしたい企業におすすめの工数管理ツール4選はじめに、原価管理を正確に行いたい企業におすすめの工数管理ツールを4つ厳選してご紹介します。いずれも勤怠(実労働時間)と工数実績時間の整合性を取る機能があるため、正確な原価管理を実現したい企業向けの製品となっています。操作の特徴や機能などの違いから、おすすめできる企業は少しずつ異なります。以下で紹介する各情報を比較して、自社に合う製品を探してみましょう。おすすめ1.TeamSpirit 工数(実労働時間と工数を完全一致させたい企業におすすめ)※引用:TeamSpirit公式サイト主な機能・多彩な工数登録方法・外部カレンダー連携・勤怠(実労働時間)との整合性チェック・外部マスタ連携(取り込み・出力)・ダッシュボード・ワークフロー(申請・承認)・レポート・ダッシュボード・英語対応など初期費用150,000円月額費用1人あたり月額300円(50IDから利用可能)工数管理機能の特徴多彩な工数入力機能があり、工数入力の負担を減らすことができる実労働時間と工数時間が常に一致し、どんな勤務形態でもプロジェクト毎の正確な工数を取得できるプロジェクト毎に承認プロセスを設定することができる利用している給与ソフト・会計ソフトに合わせたレイアウトで給与レポートと工数レポートを作成することができる工数データを可視化して「組織の働き方」を分析することができるリアルタイムな労務費計算と予実管理を実施できる※オプションTeamSpirit 工数は勤怠機能と組み合わせることで、正確な工数管理と高度な労務管理が同時に実現できるクラウドサービスです。労務費を原価とするシステム開発業やITサービス業、広告・制作業などの「プロジェクト型ビジネス企業」の間で多く利用されています。TeamSpirit 工数と勤怠を連携させれば、勤怠打刻と工数入力を同時に行うことができます。日々の勤怠管理業務と連動して、正確な工数管理を行っていくための仕組みや取得した工数を効果的に活用していくための機能が備わっているため、詳細を見ていきましょう。▼実労働時間の範囲内で、各タスクやプロジェクトに使った時間の割合を指定して入力できるTeamSpirit 工数では、上の画像のようにスライダーを使って直感的に工数入力を行えます。スライダー操作で稼働割合を入力する方法だけでなく、直接稼働時間を入力することでも工数の登録が可能です。どの登録方法を使っても、作業時間の合計は常に実労働時間の中で登録されるため、原価管理に求められるプロジェクト毎の正確な工数を日々取得することができるようになります。▼工数レポートを自由にレイアウトして会計ソフトへ連携できるTeamSpirit 工数はレポート作成機能を備えており、項目名や並び順、項目内の数式など出力フォーマットを柔軟にカスタマイズして工数レポートを作成することができます。データ加工処理の負担を削減し、月次の締め作業における業務プロセスを簡略化できるようになります。▼プロジェクト別の収益状況をリアルタイムに可視化できるTeamSpiritにはオプションで「プロジェクト原価管理機能」が用意されています。この機能を利用すると、TeamSpirit 工数で取得した工数データを元に労務費を算出して、リアルタイムなプロジェクト原価管理が実施できるようになります。月締を待たずに損益の早期把握を行いたい場合に有効活用できます。▼工数データを活用して「組織の働き方」を可視化TeamSpirit 工数のダッシュボード機能では、「誰が・どんな働き方をしているのか」といった組織運営に欠かせないデータを定量的に可視化できます。原価管理や生産性向上を目的に正確な工数管理を行っていく必要がある場合、ぜひTeamSpirit 工数(TeamSpirit)を検討してみてください。まずはTeamSpirit 工数の詳細を見てみるおすすめ2.クラウドERP ZAC(必要な機能をカスタマイズしたい企業におすすめ)※引用:クラウドERP ZAC公式サイト主な機能・勤怠・工数管理・予定表からの一括引用入力・CSVデータ出力・ワークフロー/電子申請・承認・監査証跡/ログ管理・承認フロー設定初期費用100,000円~月額費用要見積り工数管理機能の特徴1つのプロジェクトの売上に対して外注費や仕入費、労務費、経費などの関連コストを紐づけられるプロジェクト別の収支を一目で把握できる各部署で入力したデータを他部門とも共有・連携することが可能必要な機能を選択・カスタマイズできるシステム業や広告業、コンサルティング業などといった、プロジェクト型ビジネスに特化した工数管理ツールです。必要な機能を組み合わせることで、業種に合わせたソリューションを実現できます。タイムリーな損益管理や利益予測など、プロジェクト業務が抱えるさまざまな課題を解決できるシステムです。おすすめ3.freee工数管理(freeeシリーズで統一したい企業におすすめ)※引用:freee工数管理公式サイト主な機能・工数入力・カレンダー自動連携・工数一括登録・工数データ分析・従業員のプロジェクト割り当て初期費用0円月額費用1ユーザーあたり600円~2,400円工数管理機能の特徴カレンダーのようなUIで直感的に工数入力ができるfreee人事労務との自動連携に対応しており、工数画面に勤怠時間を表示できるGoogleカレンダーなどと連携して工数入力をサポート実績レポート機能でメンバーの稼働状況が一目で分かるfreee工数管理は、freee会計をはじめとしたfreeeシリーズのうち「工数管理」に特化したシステムです。シンプルな機能と操作性が最大の特徴で、ストレスなく工数入力するための見やすいUIが強みと言えます。初めて工数管理を実施する場合や、工数管理以外の機能は不要だと考えている場合にもおすすめです。おすすめ4.クラウドログ(シンプルな操作感を求める企業におすすめ)主な機能・工数登録・カレンダー連携・勤務時間との整合性チェック・グラフ・カスタムレポート・承認ワークフロー・プロジェクト管理初期費用要見積り月額費用要見積り工数管理機能の特徴ドラッグ&ドロップで簡単に工数入力ができるGoogleカレンダー、Outlookカレンダーと同期させて工数入力の手間を削減できるタスクの期限や進捗などを把握しやすいガントチャート機能がある複数のグラフに対応した多様なレポート機能でプロジェクトの現状が分かる勤怠管理との連動機能や工数との不一致を知らせるアラート機能がある分かりやすくシンプルなUIながらもガントチャートやタスク管理といった基本的なプロジェクト管理機能がそろっており、幅広い企業での導入実績があるツールです。工数管理、勤怠管理、プロジェクト管理を一つのシステムで完結させ、メンバー・マネージャー双方が働きやすい環境を提供できるツールになっています。プロジェクトの進捗管理を行いたい企業におすすめの工数管理ツール5選次に紹介するのは、プロジェクトの進捗管理を主な目的とした工数管理ツールです。「タスク管理機能」「ガントチャート機能」などを重視する企業におすすめしたいツールを5種類厳選しました。おすすめ1.monday.com(エクセルと同じように使いたい企業におすすめ)※引用:monday.com主な機能・プロジェクト管理・タスク管理・ダッシュボード・カスタムワークフロー初期費用要見積もり月額費用1ユーザーあたり1,530~3,890円工数管理機能の特徴Excelと同じ見た目で直感的に使えるワンクリックでガントチャート作成ができるタスク毎のコミュニケーションを可視化できるmonday.com は、プロジェクトの細やかなタスクからビジネスの全体像まで、わかりやすく整理・可視化できることに長けた、プロジェクト管理・工数管理ツールです。用途に応じてさまざまな種類のタスク管理ボードが用意されており、カスタマイズ性も高いため、プロジェクトごとにダッシュボードを最適化可能です。その他、各タスクに費やしている時間を個人・チーム単位で可視化できたり、多種多様な外部ツールに連携していたりするなどの強みもあります。柔軟にプロジェクト管理を行いたい企業におすすめです。おすすめ2.Backlog(多機能なプロジェクト管理をしたい企業におすすめ)※引用:Backlog公式サイト主な機能・ガントチャート・カンバンボード・ファイル共有・Wiki・バーンダウンチャート初期費用0円月額費用17,600円~82,500円(ユーザー数無制限)工数管理機能の特徴課題の進捗を一目で確認できるカンバンボードやガントチャートがあるタスク管理機能で、TODOリスト作成や進捗確認が簡単にできるWiki(ウィキ)機能を使って、議事録や作業マニュアルを作成・共有できるバグ管理・バージョン管理機能など、IT開発向けの機能が搭載されているBacklogは、プロジェクトやチームのタスクを分かりやすく管理する機能に優れています。コストの計算よりも、プロジェクト管理に特化したツールです。プロジェクトに使う資料やタスク、メンバー間のやりとりの履歴などを一元管理できるため、チームの円滑なコミュニケーションを実現することができます。おすすめ3.Lychee Redmine(直感的にプロジェクト管理を行いたい企業におすすめ)※引用:Lychee Redmine主な機能・進捗管理(ガントチャート/カンバン/バックログ/ダッシュボード)・工数管理・タイムマネジメント・EVM(出来高管理)・コストマネジメント・プロジェクトレポート※プランによって利用できる機能が異なります。初期費用要見積もり月額費用クラウド版:1ユーザーあたり0円~2,100円工数管理機能の特徴直感性に優れたUIにより、プロジェクトの進捗管理が容易に行える各タスクの労働時間を把握しやすいデザインにより、負荷状況を確認しやすい予算管理機能があり、プロジェクトの予算に対する消化率を把握できるLychee Redmineは、使いやすさに秀でたガントチャートを存分に活用できるプロジェクト管理・工数管理ツールです。進捗管理機能では、ガントチャートを使ってプロジェクトの全体像を可視化でき、チーム全員で進捗状況を共有できるため、プロジェクト管理を円滑に行えます。WBSやスケジュール、課題管理、バグ管理などの情報をエクセルからLychee Redmineにスムーズに移行できる点も強みです。その他にも、工数管理や予算管理、レポート作成など、プロジェクト管理に必要な機能が網羅的に盛り込まれているツールです。コストパフォーマンスの優れたプロジェクト管理ツールを導入したい企業におすすめです。おすすめ4.Jooto(付箋のようなプロジェクト管理を行いたい企業におすすめ)※引用:Jooto公式サイト主な機能・タスク管理・進捗管理機能・ガントチャート・予定と実績の数値管理機能・プロジェクト横断管理機能・外部連携機能初期費用要相談月額費用1ユーザーあたり417円~980円工数管理機能の特徴視覚的に把握しやすいカンバン方式のタスク管理機能があるガントチャート機能では、ドラッグ&ドロップでタスクの期限変更や並べ替えができる「プロジェクト単体」「プロジェクト全体」で進捗を確認できるGoogleカレンダーやSlack、Chatworkと連携した入力支援・アラート機能があるタスクに紐づいた予実管理機能があるJootoはふせん感覚で使える、直感的なカンバン方式のタスク・プロジェクト管理ツールです。一目でプロジェクトに必要なタスクや納期を把握でき、「誰が見ても分かりやすいプロジェクト管理」ができる点を強みとしています。全てのタスク機能を使えば、複数プロジェクトを管理している場合も作業の抜け漏れを防ぐことができます。おすすめ5.タイムデザイナー(費用を抑えてプロジェクト管理を行いたい企業におすすめ)※引用:タイムデザイナー主な機能・プロジェクト・タスク管理・作業時間の記録・カンバンボードガントチャート・作業時間分析初期費用無料月額費用1ユーザーあたり0円~980円工数管理機能の特徴プロジェクトのタスク管理と工数管理に特化したツールシンプルなツールでありながら、タスク管理・工数管理に必要な機能は網羅されている工数登録にかかる時間を月間600時間以上削減できた事例があるタイムデザイナーは、タスク管理ツールと工数管理ツールがシームレスに統合されたプロジェクト管理ツールです。タスク管理・工数管理に特化したシンプルなツールであるため、多機能型のツールに比べて費用が安く、操作性もシンプルです。それでいて、タスク管理・工数管理に必要な機能は揃えており、タスクの作業時間記録や、ダッシュボードを通じたチームの作業状況・工数・プロジェクトの進捗把握、グラフ付きの工数レポート作成ができます。比較的シンプルなツールなので、小規模なプロジェクト管理を行いたい企業におすすめといえます。シンプルに作業時間を記録したい企業におすすめの工数管理ツール2選作業時間の計測に特化した、シンプルな工数管理ツールのおすすめ製品を2つ紹介します。おすすめ1.TimeCrowd(文字入力なしで工数管理をしたい企業におすすめ)※引用:TimeCrowd公式サイト主な機能・作業時間記録・稼働中メンバー確認・単価計算・CSVエクスポート機能・レポート機能初期費用要見積もり月額費用要見積もり工数管理機能の特徴タスクごとの作業時間をワンクリック打刻によって計測できるChrome(クローム)拡張機能やChatwork(チャットワーク)連携によって、文字入力なしでタスク登録ができるチーム、ユーザー、期間ごとのデータを出力できるレポート機能がある「タスクごとの時間計測」に特化した、シンプルな工数管理ツールです。「誰が何にどれぐらい時間をかけているか」をリアルタイムで確認できます。Chromeの拡張機能を使ってTrello(トレロ)などのビジネス管理ソフトと連携できたり、SlackやGoogleカレンダー連携で記録したタスクを表示させたりと、他のサービスとの連携にも優れています。パーソナルプランは無料なので、個人の場合は費用をかけずに始めることができます。おすすめ2.Pace(日報と工数を一元管理したい企業におすすめ)※引用:Pace公式サイト主な機能・日報・作業分析・集計機能・利益シミュレーション初期費用0円月額費用1メンバーあたり550円工数管理機能の特徴工数入力が日報入力と連動しているので、工数の入力漏れを防げるホーム機能により、メンバーが案件の利益状況をリアルタイムで把握できる改善アプローチを見つけるのに役立つ利益シミュレーション機能がある日報入力により工数管理を行える、他にはないスタイルの工数管理ツールです。「メンバーの時間単価と案件の情報を登録する」「日報で作業時間や内容を登録する」というシンプルな工程で、工数を管理できます。工数の内容をプロジェクトのボトルネック改善に役立てることができる、多角的な分析・集計機能も搭載されています。工数管理ツールとエクセルの比較ここまで工数管理ツールの具体的な製品を見てきましたが、ツールとエクセル Excel(エクセル)ではどういった点が異なるのでしょうか。両者を比較してみました。工数管理ツールでの工数管理エクセルでの工数管理入力操作プルダウン選択やスライダー入力などによってストレスなく入力できる(勤怠管理システムやカレンダーなどと連携できる製品もある)工数入力に手間がかかる(勤怠システムやカレンダーなどを別で開く必要がある)入力漏れ入力漏れをメールで知らせるアラート機能などがあるアラート機能がないため入力漏れが起きやすい数値の整合性勤怠管理と連携したツールなら、労働時間との整合性を確認できる労働時間と工数時間の整合性確認ができない工数の分析見やすい表・グラフの作成機能があり、誰が何にどれくらい時間を使っているのかなどを可視化できる分析しづらく、知りたい情報を得られないプロジェクト管理リアルタイムで進捗を確認でき、赤字になる前に対処できるリアルタイムでの進捗確認が難しいエクセルと比べたときのツールのメリットについてまとめると、以下のようになります。従業員にこまめに入力してもらいやすくなり、かつミスが減るため正確な工数情報を取得しやすい簡単に集計してグラフ化できるため、細かく分析してプロジェクト改善(利益率の向上)に活かせる工数管理ツールでできることとは?2つの機能と無料・有料の違いを解説工数管理ツールを使ってできることは、大きく2つあります。正確な工数情報を取得し、原価の把握や利益率の分析・改善に活用できるプロジェクト進捗を可視化できるただし工数管理ツールは、製品のタイプによって搭載されている機能が異なります。「原価管理目的」のツールか「進捗管理目的」のツールかで、できることとできないことが変わってくるという点を押さえておきましょう。例えば、「原価管理目的の工数管理ツール」の多くは、勤怠と工数を一致させることができ、正確な工数情報を取得する機能に優れています。また、プロジェクトごとのリアルタイムな原価の集計や分析を行えるものもあります。一方「プロジェクトの進捗管理目的の工数管理ツール」の多くには、勤怠と工数を一致させる機能は含まれていません。ガントチャートやタスク管理機能、プロジェクトの進捗をわかりやすく共有できるカンバンボード機能など、プロジェクト全体の管理を行うための機能が搭載されています。ただし製品によっては、原価管理目的の機能とプロジェクト進捗管理目的の機能両方が備わっているものもあります。以下を参考に、ツールによってどんな効果が期待できるのか、自社にはどんな機能が必要なのかを具体的にイメージしてみましょう。できること1.正確な工数情報を取得し、原価の把握や利益率の分析・改善に活用できる原価の把握や利益率改善に活用できる工数管理機能(例)メンバーごとの作業時間、作業内容を入力することで、工数を管理する機能カレンダーアプリとの連携で、工数入力をサポートする機能勤怠との連携で、労働時間と工数を一致させる機能ワンクリックで工数データをレポート出力する機能工数の入力漏れや数値の不整合があったときに、アラートで通知する機能作業メンバーごとの単価を設定し、プロジェクトの原価を計算する機能工数管理ツールには、毎日の工数入力を効率化し、取得したデータをグラフや表で分かりやすく集計する機能があります。集計されたグラフや表をもとに「誰がどの工程にどれくらいの時間を使ったのか」「それは全体の何%を占めるのか」など、さまざまな角度から分析を行えます。工数はプロジェクト型ビジネスの原価を算出するために必要不可欠なものです。各プロジェクト・各メンバーの工数をリアルタイムで集計できるため、システムや機能によっては、以下のように原価や利益率などをこまめに確認できるようになります。「特定のタスクに予定以上の工数(原価)がかかっている」といったことをすぐに発見できるため、プロジェクトが赤字になってしまう前に、すぐに対処することができるようになるのです。その他にも、プロジェクトに必要な人数やかかった時間などを正確に把握できるため、見積りの作成やリソース管理に活かすことができるでしょう。工数管理ツールは、工数入力を行う従業員が使いやすいように、機能やUIなどに工夫が施されていることが多いです。例えば以下のような機能を活用すれば、より正確な工数情報を取得できるでしょう。スライダーを用いて直感的に入力できる機能カレンダーアプリとの連携で、工数入力をサポートできる機能稼働時間をもとに工数を按分する機能入力忘れがあった際にアラートを出せる機能▼スライダーを用いた工数入力の例(TeamSpiritの場合)▼カレンダーアプリを参照しながら工数入力を行うイメージ▼稼働時間をもとに工数を按分するイメージ勤怠と工数を連携させて労働時間と工数を一致させることができる製品もあり、その場合はより正確な工数情報を得られます。できること2.プロジェクトの進捗を可視化できるプロジェクトの進捗管理が行える機能(例)ガントチャートで全体の作業進捗や納期などを「見える化」できる機能プロジェクトを作業単位でタスク一覧にして、納期やステータスなどを把握できるWBS機能プロジェクトのタスク・納期・メンバーが一目で分かるカンバンボード機能プロジェクトメンバーのコミュニケーションを円滑にする、チャット・コメントといった社内SNS機能プロジェクトに必要なファイルやマニュアルを共有できる機能製品やプランなどによっては、プロジェクト管理ができる機能が搭載されていることもあります。その場合はプロジェクトにかかわるメンバーの作業ステータスを「見える化」し、プロジェクトの進行を円滑にすることが可能です。具体的には、各タスクの納期や着手日などを一覧で確認できるタスク管理機能(WBS)や、そのタスクの進捗をカレンダー形式で表したガントチャートなどです。また、それらのデータをチームで共有することもできるため「今誰がどんな作業をしていて、プロジェクトがどこまで進んでいるのか」「これから何をすべきなのか」が一目で分かるようになります。複数のプロジェクトを同時に進めているような場合に、積極的に活用したい機能です。無料の工数管理ツールと有料の工数管理ツールの違い「無料の工数管理ツールと有料の工数管理ツールの違いがわからない」「無料のツールだと良くないの?」と疑問に思う方も多いかもしれませんので、詳しく解説します。無料の工数管理ツールでも自社の目的を果たせるのであれば全く問題はありません。ただし無料の場合、機能・期間が限定されている、もしくは小規模企業向けというケースが多いと考えられます。無料の工数管理ツールの例無料プランでは一部機能のみ利用でき、アップグレードすると全機能を使える一定の人数までは無料で使えるが、超えると費用がかかる契約後1カ月の間は無料で使うことができるタスク管理のようなシンプルな機能に絞られている一方で、有料の工数管理ツールの場合には、大人数でも使うことができ、高機能のものが主流です。工数管理だけでなく「プロジェクトごとの原価管理も行いたい」「勤怠データと工数を完全に一致させたい」「アサイン管理も同時に行いたい」など、複数の機能を一元管理でき業務効率化を図りたい企業には、有料の工数管理ツールが向いているケースが多いでしょう。まずは工数管理ツールに何を求めるかを整理してみることをおすすめします。工数管理ツールの導入がおすすめな企業ここまでの内容を確認したうえで、本当に自社に工数管理ツールを導入すべきかどうかを判断してみましょう。以下のポイントにあてはまるものがあれば、工数管理ツールを導入することで業務効率の改善や生産性の向上につながる可能性が高いです。工数管理を導入するかどうかのチェックポイント収支を把握できていないプロジェクトがあるプロジェクトの原価や進捗が正しく把握できず、利益が低くなってしまう(もしくは赤字になってしまう)ことが多い業務のボトルネックが把握できていないメンバーの作業ステータスを共有できておらず、急なトラブルに対応できないことが多いプロジェクトの見積もり作成やリソース配分を「なんとなく」で行っているすでにエクセル等で工数管理を行っているが、業務改善の効果が表れていない社員からエクセルでの工数管理に関する不満の声が上がっている工数管理ツールを導入した企業の成功事例2つここからは工数管理ツールを導入して業務効率の改善や生産性の向上につながった実際の事例を見ていきましょう。当社のTeamSpiritシリーズを導入した、株式会社ウフルと株式会社ISパートナーズの成功事例を紹介します。事例1.工数管理ツール導入で赤字案件が大幅に減少(株式会社ウフル)顧客管理アプリケーションなどの導入支援を行う株式会社ウフルは、自社システムによる工数管理が不徹底であったことが原因で、収益悪化のリスクが高い状態となっていました。そこで、プロジェクト管理の方法を根本から見直すべく、勤怠管理や工数管理、経費精算などの機能を提供する工数管理ツール(TeamSpiritシリーズ)を導入しました。ツールでの工数管理によって、原価の予実状況や着地予測を可視化できるようになり、赤字案件を大幅に減少させることに成功しました。また、プロジェクトごとの粗利率やメンバーごとのアサイン率もチェックして「メンバーのアサイン率が低い場合には新規案件獲得に力を入れる」といったことができるようになったため、案件獲得量を計画できるようになりました。※参考:株式会社ウフル 導入事例|チームスピリットこのように、自社に適した工数管理ツールを利用することで、エクセルなどでは行えない正確な原価管理や、プロジェクト改善が可能になります。事例2.工数管理ツールの導入で不明瞭だった工数を可視化(株式会社ISパートナーズ)株式会社ISパートナーズは、国内最大級の美容ポータルサイト「@cosme」を運営するアイスタイルグループのひとつです。社員が100%女性であることもあり、子供の病気や習い事の送迎などによる突発的な休みや中抜けが多く、労務管理が正確にしづらい状況がありました。そこで導入したのが、TeamSpiritシリーズの勤怠管理ツールと工数管理ツールです。細かい出退社管理を共有しやすいのが導入の決め手となったそうです。労務管理の観点から正確な管理ができるようになったことはもちろん、社員の働き方を可視化できるようになったことでさまざまな効果がありました。同社では「部署をまたいだ適材適所で仕事をするマルチタスク」のスタイルを行っています。TeamSpirit 工数を活用することで、8時間の勤務時間をどの部署のどのジョブに何時間使ったのか、業務配分を可視化できるようになりました。上司との面談でも工数データを活用できるようになり、特定のジョブへの偏りや不明瞭だった時間の使い方を見直せるようになった効果を感じているそうです。※参考:株式会社ISパートナーズ 導入事例|チームスピリットまずはTeamSpirit 工数の詳細を見てみる工数管理ツールの選び方!製品ごとの違いと3つの比較ポイント続いては、工数管理ツールの選び方を解説します。工数管理ツールには製品によって違いがあるため、以下のようなポイントに基づいて比較検討するのがおすすめです。工数管理ツールを選ぶ際のポイント工数管理の目的に合った機能があるか工数の入力方式が自社に合っているか自社に必要なプロジェクト管理・分析機能が備わっているかそれぞれ解説していきます。製品比較のポイント1.工数管理の目的に合った機能があるか工数管理を行う目的によって、重視する機能は変わってきます。工数管理の目的別に、重視すべき機能を以下の表にまとめました。工数管理の目的重視すべき機能正確な原価管理・原価の分析・勤怠時間を参照しながら工数を入力できる機能・カレンダーアプリと連携して工数を登録できる機能・実際の労働時間を元に工数を按分できる機能・予実が合わない場合に事前にアラートを出せる機能・工数に関する情報を様々な切り口からレポート化できる機能プロジェクトの進捗管理・ガントチャート機能・カンバンボード・タスク管理機能・複数プロジェクトの進捗管理機能労務費を原価とするシステム開発業やIT業などにおいては、プロジェクトの原価を把握するために工数管理を行う必要があります。リアルタイムに正確な原価管理を行うには、勤怠と工数を一致させる機能を持った工数管理ツールを選ぶことが重要です。というのも、本来、各工数の合計時間と労働時間は一致するはずだからです。しかし「勤怠は勤怠管理システムで」「工数はエクセルや自社独自の工数管理ツールで」といった形で別々のシステムを利用していると、正確な工数や原価を算出するのが困難になります。勤怠管理と工数管理を連動させられる工数管理ツールであれば、労働時間と工数時間の不整合がなくなり、より正確な工数情報を取得することができるようになるのです。勤怠と工数を連動させて、プロジェクトの正確な原価管理を行いたい場合は、以下の記事も合わせて参考にしてみてください。工数と紐づけできる勤怠管理システム5選|機能やメリット・おすすめ比較製品比較のポイント2.工数の入力方式が自社に合っているか工数入力のしやすさは、工数管理ツールを社内に定着させられるかどうかにつながります。工数管理ツールの入力画面は製品ごとに個性があるので、Webサイトや資料から得られる情報だけではなく、製品トライアルやデモを活用して、実際の操作感を確かめたうえで自社に合った製品を選びましょう。操作性を確認する際は、以下のポイントをチェックしてみてください。直感的な操作ができるか:スライダー入力など、簡単に操作できるか使いやすいUIか:実際に操作する従業員が使いやすいと感じるUIになっているか複数デバイスに対応しているか:スマートフォンやタブレットなど、パソコン以外のデバイスから入力できるかカレンダー連携できるか:カレンダーなどと連携し、かつ工数入力を同じ画面上で行えるか工数入力においては次のような問題がよく起こります。カレンダーと連携しているものの、参照するには別々の画面を行ったり来たりしなければならず不便入力がしづらい結果、毎日こまめに入力する習慣がつかないこれにより、正確な工数情報が得られないということが発生します。そのため、ストレスなく入力できるかをよく確認しておくことが大切です。また、「入力忘れがあった際にアラートを出せる機能」など、工数入力を習慣化するためにどのような工夫が施されているかも確認すると良いでしょう。製品の比較ポイント3.自社に必要なプロジェクト管理・分析機能が備わっているか工数管理ツールは従業員にとっての使いやすさだけでなく、プロジェクトマネージャーがプロジェクトの管理・分析をしやすいかどうかも重要です。そのために、以下のポイントも確認しましょう。レポート機能の使いやすさ:レポート機能が使いやすく、分析に活かせるか。アラート機能の充実度:納期遅れを通知するなどのアラート機能が充実しているか。複数プロジェクトの管理:複数のプロジェクトを管理しやすい操作画面になっているか。予実管理機能:自社にとって必要な管理機能(予実管理など)が過不足なくそろっているか。エクセルと比較して、工数管理ツールは管理・分析がリアルタイムで簡単に行える点がメリットです。プロジェクトの課題を解決し、利益を向上ができるよう、各機能や使用感を確かめてみてください。課題課題解決におすすめのプロジェクト管理機能チームのプロジェクト進捗を共有したい場合ガントチャート機能タスクごとに共有管理をしたい場合タスク管理機能プロジェクトごとの収支を正確に把握したい場合プロジェクト原価管理機能複数のプロジェクトを一元管理したい場合複数のプロジェクト管理に対応した機能プロジェクトメンバーの認識をあわせ、コミュニケーションを円滑にしたい場合社内SNS機能工数管理ツール導入の注意点せっかく工数管理ツールを導入しても、社内から「入力が手間」「正確な数値を把握できず無駄」といったマイナスの意見が出てしまうことがあります。工数管理ツールを社内にスムーズに浸透させるために、導入の前には以下のような問題点や課題が残ることのないよう十分に注意しましょう。問題点課題勤怠管理・スケジュール・工数管理をバラバラのツールで運用結局工数入力の負担が軽減されていない工数管理の目的を従業員に説明しないまま運用社員が工数の入力に消極的になってしまうこのような問題点や課題を解決するためには、できる限り重複入力が不要になるツールを選ぶことと、工数管理の目的や活用方法を従業員に周知することが重要です。工数管理でよくある問題点や、その対処法を確認するには「工数管理は意味がないと感じる理由|やめた時の弊害と解決策」もあわせてご覧ください。まとめ|工数管理をプロジェクト改善に活かすならツールを活用しよう工数管理ツールには、工数入力を習慣化し、プロジェクト改善(赤字回避)に活かすための機能が搭載されています。ただし工数管理ツールは「原価管理目的のツール」なのか「プロジェクト進捗管理目的のツール」なのかによって機能や特色に差があるため、以下のポイントに着目して自社に合った製品を選ぶことが重要です。工数管理の目的に合った機能があるか工数の入力方式が自社に合っているか自社に必要なプロジェクト管理・分析機能が備わっているか