工数管理とは工数管理は、プロジェクトにかかった時間を明確にして原価(労務費)を計算し、利益率の改善や業務の見直しに役立てるために行われます。工数管理では、どの作業にどのくらいの人数と時間を費やしたのか(=工数)という情報を取得・分析します。工数は、以下の計算式で求めることができます。工数=業務にかかる時間×必要な人数詳しくは後述しますが、工数管理は以下の流れで行われます。責任者が事前に工数を見積もる現場のメンバーが実際にかかった作業工数を入力する工数を集計して分析する会社全体の利益を把握するには、同時に走っているプロジェクトそれぞれの情報をリアルタイムで把握することが重要です。工数管理を適切に行えば、プロジェクトそれぞれの収支を可視化することができます。例えば、売上が100万円のプロジェクトに時給2,000円の従業員が500時間かけていたら、労務費が100万円かかり、会社には利益が残らないことになります。このとき工数管理をしていなければ「100万円の売上になった」ことしか把握できませんが、工数管理をしていれば「労務費が100万円かかったので利益が出なかった」ことまで分かります。それにより、今後同様の案件が発生した際には「メンバーを変える」「ボトルネックを改善する」「そもそも案件を断る」などといった経営判断が可能になるのです。工数管理のメリット工数管理の必要性・メリットを把握することで、「なぜ適切な工数管理が大切なのか」を理解することができます。工数管理には、以下4つのメリットがあります。工数管理4つのメリットプロジェクトの赤字回避や軌道修正に役立つ利益率の改善を図れるコスト削減につながる生産性を可視化し、人材育成に活用できるそれぞれの内容を解説します。プロジェクトの赤字回避や軌道修正に役立つ毎日こまめに工数入力を行えば、プロジェクトの進捗をリアルタイムで把握することが可能になります。そのため「このままのペースでは赤字になってしまう」という状態に早めに気づくことができ、軌道修正を行えます。プロジェクト完了までにあとどれくらいの期間があるのかそれぞれのタスクの進捗はどの程度か誰がどのポイントで停滞しているのかこのような点が可視化されるため、プロジェクトが滞っている原因をいち早く特定して対策を打つことも可能です。またメンバー全員が一つのダッシュボードを見ることで、常に全体像を把握してプロジェクトを進めていくことができます。例えば以下のように、事前に設定した時間単価とメンバーごとの工数をかけた労務費(人件費)と予算をリアルタイムで比較し、赤字が発生しているかをリアルタイムで確認できるからです。労務費が想定以上にかかっている場合は、早期に調整することで、赤字の増大を防げます。複数プロジェクトの一元管理も可能なので、会社全体の赤字削減にもつながります。利益率の改善を図れる工数を記録すれば、今まで行ってきたプロジェクトのタスク内容・作業時間・作業人数の情報を参照・分析できるようになります。プロジェクト単位の原価を把握できるようになるため、赤字のプロジェクトが明確になります。また過去の工数実績を参照することでボトルネックを解消し、より短期間でプロジェクトを完了するための人員配置を行ったり、見積もり額を調整したりすることが可能です。それにより、利益率の向上を見込めます。工数管理により蓄積した過去の工数データは、新規プロジェクトの予算や収支計画を策定する際にも活用可能です。このように、工数データはプロジェクト管理を行う部署で活用されるだけでなく、財務会計の観点でも活用できることが多いのです。コスト削減につながる工数管理はリソース管理・コスト管理とも密接に関係しており、正しい工数管理がリソース配分の最適化やコスト削減につながります。リソース管理とは、プロジェクトに必要な「ヒト・モノ・カネ・時間」などのリソース(資源)を管理することを指します。必要なリソースを見積もって、空き状況を確認し、人員を配置(アサイン)し、進捗状況を確認するところまでを含みます。一方、コスト管理とは、プロジェクトに必要なコスト(費用)を管理することをいいます。プロジェクト型ビジネスの場合の大きなコストは人件費なので、リソース管理と似たような管理が必要となります。リソース管理やコスト管理を最適化して無駄を省くためには、「現時点で、プロジェクトに対してどれだけ時間がかかっているか」を知る工数管理がとても重要となります。正しく工数を管理することが、正しいリソース管理・コスト管理につながるからです。生産性を可視化し、人材育成に活用できる工数管理をすると、従業員の働き方に関する以下のような情報を可視化できます。従業員が各タスクにどのくらいの時間をかけているか同じタスクで比較したとき、どの従業員の作業時間が一番短いか従業員の一日の作業内容が、どのような内訳になっているか などトッププレイヤーの働き方を分析して社員教育の参考にしたり、業務効率の良い従業員を評価するための資料として使ったりと、従業員の育成や評価のために活用することができます。普段から自分や他の従業員の工数を見られる環境にしておけば、生産性への意識を高める役割も果たします。工数管理の基本工数管理がとりわけ有効なのは、原価のうち「労務費」の割合が大きい業種です。プロジェクト単位で業務を行う業種(システム開発・IT業、広告業など)受注生産する業種(製造業、建設業など)専門知識を有する人材が資本となる業種(士業、コンサルティング業など)これらの業種に工数管理が有効なのは、従業員の稼働時間が利益に直結するからです。個人の稼働時間は工数管理をすることで初めて「見える化」できます。そのため工数管理をしないことには正確な原価を把握するのが難しく、プロジェクトごとの利益率が不透明になってしまいます。もちろん上記の業種以外であっても「作業ごとの労務費を把握したい」という目的がある場合、工数管理は有効な手段になります。工数管理で使う単位工数管理を行う際は、「人時」「人日」「人月」という単位を用います。それぞれの意味や使い方は以下のとおりです。単位意味使用例人月(にんげつ)1人が1カ月働いた作業量を「1」とする単位のこと・1人で1カ月かかるプロジェクト=1人×1カ月=1人月・3人がかりで1カ月かかるプロジェクト=3人×1カ月=3人月人日(にんにち)1人が1日働いた作業量を「1」とする単位のこと・1人で1日かかるプロジェクト=1人×1日=1人日・3人がかりで2日かかるプロジェクト=3人×2日=6人日人時(にんじ)1人が1時間働いた作業量を「1」とする単位のこと・1人で2時間かかる作業=1人×2時間=2人時・3人がかりで5時間かかる作業=3人×5時間=15人時工数管理の目的工数管理は、プロジェクトや特定の事業ごとの利益を把握するために行われます。具体的には、以下4つの項目を管理するのが目的です。プロジェクトに携わっている人員プロジェクトに必要な時間実際にプロジェクトに費やした時間(プロジェクト全体、従業員個別)メンバー個別の作業時間これらの項目を把握・管理することで、会社内で複数のプロジェクトや事業が進行していてもそれぞれの利益やかかっているコストを可視化することができるようになります。各プロジェクトの利益やコストを正確に把握できれば、会社全体の利益の向上につなげることができるようになるのです。工数管理と勤怠管理の違い工数管理と似た業務に「勤怠管理」があります。両者の違いを簡単にまとめると以下のようになります。工数管理勤怠管理・どの作業にどのくらい人数と時間を費やしたかを管理すること・行う義務はない・従業員の出退勤時刻を記録して、企業が従業員の勤務状況を管理すること・適切に勤怠管理を実施する義務がある勤怠管理は「従業員の出退勤時刻を記録して、企業が従業員の勤務状況を管理すること」です。企業は法律に則った形で、適切に勤怠管理を実施する義務があり、企業は必ず行わなければなりません。一方、今回説明している「工数管理」は義務ではないため、工数管理を行わない企業もあります。義務はなくとも、工数管理を適切に行うことでプロジェクトを進める上での大きなメリットがあるため、工数管理を実施している企業が多いのです。なお、勤怠管理と工数管理は、時間を記録するという同じような作業が発生するため、一元管理することで大幅に業務効率化を図れます。導入する際には、当社の「チムスピMix」のように、一回の入力で勤怠管理も工数管理も同時に行えるツールがおすすめです。工数管理の方法|エクセルまたは工数管理ツールが一般的工数を把握するには、プロジェクトのタスク別に担当者を割り振り、作業期間や作業時間など日々の作業実績を記録していく必要があります。記録する方法は「エクセル(Excel)」または「工数管理ツール(工数管理システム)」を使用するのが一般的です。それぞれの方法のメリット・デメリットは以下のとおりです。エクセルによる工数管理工数管理ツールによる工数管理メリット・従業員が使い慣れている・導入費用がかからない・好きなようにカスタマイズできる・入力ミスを最小限にできる・入力漏れを防ぐための機能がある・グラフ集計や分析機能などが使える・製品によっては複数プロジェクトの管理を同時に行える・製品によっては勤怠と整合性がとれる・従業員に工数入力をしてもらうだけで管理ができるデメリット・入力漏れや入力ミスのリスクが高い・集計や分析がしづらい・原価なども含めた複雑な項目を管理するのは難しい・複数人で同時に入力しづらい・導入に時間がかかる・費用がかかる・製品によってできることが異なるため、比較検討が必要それぞれの方法について、詳細を解説していきます。エクセルで工数管理をする方法エクセルの工数管理を行う場合、まずはテンプレートなどを用いて管理表を自作する必要があります。エクセルでの工数管理には、WBSとガントチャートの2種類の形式がよく使用されます。WBSタスクを細分化してまとめた構成図ガントチャートプロジェクトの進捗を視覚的に確認できる表以下のボタンから、WBSとガントチャートが一体化した工数管理のテンプレートをダウンロードすることができるので、ぜひ利用してみてください。※CTAボタン※本ファイルの内容についての保証、利用に関して弊社は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。エクセルを使った工数管理は、次のステップで進めていきます。タスクを洗い出してWBSに割り当てる計画や進捗状況を日々入力する各タスクにかかった時間や進捗状況を分析するピポットテーブルなどを使って、グラフ等に集計する入力された作業実績を参照することで、各タスクにかかった時間やステータスを把握することができます。ガントチャートを参照すれば、どの段階でどのくらいの遅れが生じているのかを確認することも可能です。テンプレートの詳しい使い方や、オリジナルの工数管理表の作り方などの詳細は、以下の記事をご覧ください。「工数管理をエクセルで!表の作成方法や使い方・テンプレートを紹介 | 業務改善」工数管理ツールで工数管理をする方法工数管理ツールにははじめから工数管理に必要な機能が備わっているため、プロジェクトやタスクの入力など必要な設定を済ませるだけで日々の工数管理をミスや漏れなく行うことができます。製品にもよりますが、システムを使用する場合は主に以下の手順で工数管理を行います。管理者メニューから、プロジェクトの情報やメンバーのアサイン設定を行う各担当者が、日々作業内容や時間を入力するレポート・ダッシュボード機能などを使って集計・分析を行う▼プロジェクト情報の設定画面の例▼工数管理ツール(TeamSpirit 工数)の工数入力画面の例上記画像は、工数管理ツール「TeamSpirit 工数」の工数入力画面です。その日の作業割合をスライダーで入力すると、実労働時間から自動的に各タスクの工数を算出できる仕組みになっています。▼工数管理ツールの工数集計画面の例上記画像は、工数管理ツール「TeamSpirit 工数」の工数集計画面です。確認したい項目を選択するだけで、「担当者別」「プロジェクト別」などで工数を集計し、グラフ化ができます。※工数管理ツールの入力や集計の操作は、製品によって異なります。工数管理の進め方では、工数管理は具体的にどのように行うのか、手順を見ていきます。やり方主に作業を行う人1工数を見積もる責任者2作業の工数を入力する担当者・責任者3工数を集計して分析する責任者手順1.工数を見積もるプロジェクトマネージャーなどの責任者が、これから着手するプロジェクトの工数を見積もります。以下の流れで業務の工程表を作成しましょう。プロジェクト全体をタスクに細分化するタスクごとに担当者を設定する過去の実績やメンバーのスキルを考慮し、余裕を持った作業期間を設定する工数表とは、プロジェクト内の全タスクに関する実施計画と、その進捗状況を一元管理するための表です。エクセルや工数管理ツールで作成できます。手順2.作業の工数を入力する担当者は、「取り組んだタスク」と「各タスクの作業時間」を日々入力していきます。以下のポイントを意識して、日々の工数を管理しましょう。可能な限り、実労働時間と工数を紐づけて管理する責任者が定期的に工数の入力状況をチェックする一日の労働時間と作業時間の合計が等しくなることを前提とすると、実労働時間と工数が一致するように管理すると、より正確な工数を把握できます。管理者が勤怠データと工数を突き合わせてチェックしたり、実労働時間の範囲内で工数入力することをルール付けしたりして、勤怠との整合性を図りましょう。工数管理ツールを使用する場合は、以下の機能によって担当者の負担を軽減し、日々の入力を習慣化できます。カレンダーアプリと連携し、参照しながら入力できる機能勤怠と紐付けて工数入力ができる機能スマートフォンからも入力できる機能入力漏れや数値ミスがあった際にアラートを出せる機能手順3.工数を集計して分析する責任者は定期的に工数の集計・分析を行います。▼工数管理ツールを使用した場合の工数管理データの出力例工数の集計・分析は、以下のタイミングで実施するのがおすすめです。プロジェクトの最中に複数回プロジェクト完了後「プロジェクト別」「タスク別」「部門別」「担当者別」など幅広い切り口で分析することで、効率のよい業務の進め方や成功パターンのメンバー構成、各担当者が苦手としているタスクなど、業務改善につながる多くの情報を得られるようになります。分析した工数データはプロジェクトの担当者に適宜共有し、生産性の向上に役立てましょう。工数管理の注意点工数管理を行う際は、以下のポイントに注意しましょう。工数の入力は溜め込まずに毎日行うこと担当者の入力負担が重くなりすぎないようにすること集計・分析をこまめに行うこと工数管理はプロジェクトごとの利益率を向上させたり、ボトルネックを把握するために行うものです。そのため最も大事なのが、最新の工数データをリアルタイムで把握・分析することになります。リアルタイムかつ精確な工数を把握するためには、担当者が工数を毎日入力することが非常に重要になります。工数の入力を後回しにすると、工数情報をリアルタイムで取得できなくなる上、作業の記憶が薄れて工数が不正確になるからです。工数の入力や分析を後回しにしないためには、日々の入力が負担にならないような工夫が必要です。タスクを細分化しすぎないことや、工数入力が手軽に行えるツールを導入することが有効な手段になります。これから工数管理を導入する場合の3つのステップ工数管理を導入する際は、次のような準備を行います。工数管理を導入する3ステップ工数管理の目的を明確にし、社内に周知する工数管理を行うツールを準備する工数管理の運用ルールや責任者を決めるそれぞれ確認していきましょう。ステップ1.工数管理の目的を明確にし、社内に周知する工数は毎日入力してこそ正確な情報を取得できるものなので、実施にあたっては従業員の協力が必須となります。工数管理を行う前には全従業員に以下の内容を周知し、工数管理の目的や意義を理解してもらうように努めましょう。なぜ工数管理をするのか工数管理を活用することで会社は何を実現したいと考えているのか工数管理をすることで、会社や従業員にどのようなメリットがあるのか従業員に「面倒な作業が増えた」と思われてしまうと、工数入力を後回しにされたり、適当に入力されたりといった問題が発生しやすくなってしまいます。従業員が一丸となって工数管理に取り組めるよう、理念を浸透させることが大切です。ステップ2.工数管理を行うツールを準備する次にどのツールで工数管理を行うかを決めます。エクセルを使用した場合と工数管理ツールを使用した場合、それぞれの特徴を比較します。エクセル工数管理ツール導入のしやすさ簡単時間がかかる誤入力・改ざんのリスク高い低い入力漏れの起こりやすさ発生しやすい発生しづらい※アラート機能や勤怠との紐付け機能がある製品の場合共有のしやすさ共有しづらい共有し同時入力できる出先からの入力入力しづらいスマートフォンなどで出先から入力できる※モバイル対応している製品の場合分析のしやすさピボットテーブルなどで集計しなおす必要がある項目を選ぶだけで簡単に集計・分析できる費用無料初期費用や月額費用がかかるプロジェクトの進捗やタスクの管理を行うだけであれば、エクセルを利用するのがおすすめです。一方で、以下のような企業は工数管理ツールを活用するのが良いでしょう。中規模以上の企業リモートワーク(テレワーク)や外回りが多い企業工数を多角的な視点で分析したい企業工数データをリアルタイムで活用したい企業工数を正確に把握したい企業工数管理ツールの詳細については、以下の記事をご覧ください。【2024年】工数管理ツール13選比較|エクセルとの違いや選び方も解説ステップ3.工数管理の運用ルールや責任者を決める工数を正確に把握するためには、全社共通の運用ルールと、正しく運用できているかを管理監督する責任者が必要です。以下のポイントが明確になるように、工数管理の運用ルールを定めましょう。工数入力を行うタイミングはいつか作業時間をどのように計測するかタスクの内容をどのように入力するか工数を集計するタイミングはいつか重要なのは「工数入力を毎日の習慣として定着させられる」ルールにすることです。日報や勤怠の入力と紐づけて管理できる工数管理ツールを使うと、入力漏れや入力の後回しを最小限にでき、習慣化させやすくなります。また工数管理が定着するまでは、ルール通り入力できているか定期的なモニタリングが必要です。責任者がこまめに入力状況をチェックして、入力漏れやルール外の運用が無いか確認しましょう。工数管理を活用する企業の事例工数管理が実際にどのような企業で行われ、どのような成果を上げているのかを、工数管理ツールを導入している企業の事例をもとに紹介していきます。事例1.株式会社イー・ステート・オンライン(業種:システム開発,広告・メディア,人材・派遣)株式会社イー・ステート・オンラインは、インターネットを活用した不動産関連のプロモーション広告やサイト制作などを幅広く請け負う企業です。サービス領域が多岐にわたるため、各案件の工数管理をどのように行えばよいか分からないという課題がありました。導入目的実感した効果誰が何をやっているのかを明確にし、プロジェクトの実態を把握する・従業員の入力負担を最小限に抑えつつ、案件ごとの工数を把握できるようになった・経営会議などでも、工数データをもとに案件の課題などを判断できるようになった※参考:「TMK(たまにはみんな早く帰ろう)!」トップの号令で現場の"当たり前"が変わった事例2.株式会社ISパートナーズ(業種:IT・インターネット,広告・メディア)「テレワーク先駆者百選」にも選出された株式会社ISパートナーズは、美容ポータルサイト「@cosme」を運営するアイスタイルグループの企業です。育児中の女性従業員が多く、突発的な休暇や業務中の中抜けが頻繁に発生する状況下でも適切に労務やプロジェクトを管理できるよう、勤怠管理と工数管理の両方が行えるツールを導入しました。導入目的実感した効果どんな仕事に何時間使ったのかという業務配分を可視化する・部署を横断する業務でも、業務配分を可視化できるようになった・工数データを見ながら従業員と面談することで、働き方の見直しをしやすくなった・もともと「その他」として一括りにしていた工数を細分化して記録することで、実態が見えるようになった※参考:女性社員100%のBeauty✕ITのスペシャリスト集団を支える勤怠&工数管理事例3.一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)(業種:コンサルティング,マーケティング・調査)一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC/ジャスラック)は、音楽使用料の設定に大きく影響する「労務費」を正しく把握する必要がありました。同社は、音楽利用者が支払う著作物使用料から事業運営の実費に基づく管理手数料を控除し、権利者へと分配するというビジネスモデルを採用しているため、常に業務を見直して無駄なコストは省き、適正な管理手数料率を設定することを重要視しています。従来もエクセルで工数管理を行っていたものの、以下のような課題を抱えていました。データの集計や確認・修正に膨大な時間がかかっている工数情報と勤務時間の整合性が取れていないデータをリアルタイムで活用できず、プロジェクトに活かせない導入目的実感した効果・工数管理の負担を軽減する・利用分野ごとに異なる人件費や原価を正しく把握し、手数料設定に活用する・勤怠との整合性がとれた正しい工数を日々蓄積できるようになった・誰がどのプロジェクトに関わっていて、作業時間はどのくらいかという情報をリアルタイムで把握できるようになった・正確な原価を把握できるようになり、適正な管理手数料の設定につなげることができた※参考:適正な手数料率を設定することが、権利者と利用者に対する責任。リアルタイムなプロジェクト原価管理で、付加価値の高いサービスを目指す。まとめ|工数管理は、プロジェクトの原価を計算したり利益率を把握したりするのに有効な手段各タスクの作業時間・作業人数を記録して活用する「工数管理」は、プロジェクトの原価を把握したり従業員の生産性を可視化したりするための重要な手段です。特に下記に当てはまる場合は、工数管理を導入することで大きな効果が見込めます。プロジェクト単位で業務を行っている企業オーダーメイドで製品開発・製造している企業労務費の割合が大きい企業「なんとなく」で行っていた見積もりも、工数データがあれば数字を根拠に判断し適切に原価管理やプロジェクト改善を行えるようになります。「タスク管理や進捗管理を、まずは小規模から始めたい」という場合はエクセルを、「本格的に工数管理を行い、経営視点からも改善できるようにしたい」と考えている場合は工数管理ツールの導入をおすすめします。【2024年】工数管理ツール13選比較|エクセルとの違いや選び方も解説